Topics&Columns(2000年4月23日)

 

ハンガリーの洪水

ハンガリーのトカイ地方は、大規模な洪水に見まわれています。今世紀始まって以来の規模であり、ブドウ畑に与える影響は大でしょう。畑は水に覆われ、まるで海のような状態になっているといいます。

ハンガリーのトカイ・アスー・エッセンシアという甘口貴腐ワインは、世界三大貴腐ワインの一つ。また、エグリ・ピヴェールというカベルネ主体の赤ワインも最近、スーパーでよくみかけるようになっています(800円程度)が、この辺の値段がまたあがってしまうかもしれませんね。(N)

インターネットでのワイン販売にAmazon.comが参入

アメリカのインターネットによるワインの売上げは、1998年で1億ドル。アメリカの証券会社、ソロモン・スミス・バーニーの調査レポートによると、2005年には、全体の5−10%の売上げ(1.4兆ドルから2.9兆ドル)にまで伸びると予測されています。というわけで、まだ未開拓なこの分野に様々なオンラインサービスが参入しようとして熾烈な競争が繰り広げられるのですが、最近、amazon.comがwineshoppers.comに3000万ドルの出資を行ない、この分野を増強すると4月18日に発表されました。

wineshoppers.comは、サンフランシスコをベースにしたオンライン・ワインショッピングサイトですが、品揃えは1400種ほど。今年中に全米の80%程度の州をカバーできるようにします。実は自社の倉庫にワインを保管し、ダイレクトに消費者に送るのではなく、それぞれの州にある小売業者経由でワインは送られる仕組みになっているのです。この手のワイン通販業者では、最大手のWine.comをはじめとして、Drinks.com, WineBins.com, aficion.com, ambrosiawine.com, eVineyard, eWine.com, WineAccess.comなどがあります。Wine.comは規模で言えば、wineshoppers.comの100倍もあり、すでに全米展開しています。ここにどれだけ食い込むことが出来るのか、期待できます。

ちなみにwineshoppers.comのサイトには一流レストランのシェフの料理のレシピとそれにあうワインの提案が載っています。日本人シェフで有名なNobu Matsuhisa氏のレシピ(日本食のアレンジ版)や素材を重視することで先駆的な存在であるシェ・パニーズのMs. Alice Waterのレシピなどが載っていて参考になります。(N)

クラシック音楽とのマリアージュ

好きな曲目は何かと聞かれて困る人は多いと思いますが、私の場合モーリス・ラヴェルのラ・ヴァルスについては、以前から間違いなく好きな曲です。

ラヴェルというと、明快なリズムを巧みに組み合わせて、淡々と聞こえならも感情豊か、規律をもちなら官能的、軽妙ながらも実は荘重な音楽という、いわば複雑な音楽だと思っています。典型的な印象派の音楽といえばそうなのですが。

最近は音楽を聞きながら、どんなワインのイメージかなと考えることがよくあります。さながらラヴェルはブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネのようかなと思っております。アタックには十分な甘味を感じさせる、ヴォリュームがあって豊満なのはレイヤーの重なりあいの結果であり、ただ力任せではない。酸味が十分で一見冷淡でありながら、きわめて官能的である。などと評論家のようなことを書いてしまいましたが、私にはイメージがぴたりピタリという感じがします。

先日カノン・ラ・ガフリエールはラヴェルのようだと書きましたが、あのワインはブルゴーニュのようなワインでした。アンジェリュスはワグナーのようだと書きましたが、同じボルドーのサンテミリオンで、ブレンド比率は同じでありながらワインのスタイルには大きな差があります。

ワグナーという人の音楽は年齢とともにずいぶんと変化していきますが、基本的には(劇の内容を抜きにするとして)完全3度の金管楽器の和音の信奉者であり、これを最大限に盛り上げるために明確にテーマを使いこなし、明確に明暗を使い分け、短調の和音も力の勝負、神がかり、、、というように分析しています。

と書くとずいぶんとラヴェルと違いますが、つまりワグナーは、明確で力強いバランスをイメージさせるものなのです。私の場合、メドック特級がもっとも最初に浮かびます。ワインのイメージに合わせると、輪郭がはっきりした、腰の強さ、ボディ、タンニンなどといった総合力で生み出されるパワーのようなものといえます。カリフォルニアのカルトワインは、どちらかといえば・・・・・・

神がかっているからワグナーでしょう?!

このようなマリアージュを考えるてみるのも楽しいですね。レストランなどでは時として「おいおいこの音楽はどうも雰囲気には合わないだろう」と思える時もありますが、すべてがそれぞれの個人のテイスト(好み)の組み合わせですから致し方ないのでしょう。(H)