Topics&Columns(2000年4月30日)
フランスのアルコール規制
フレンチ・パラドックスで、ワインは健康にいいということになっているはずのフランスですが、皮肉なことにタバコとアルコールの規制を強化しようとしています。フォーブスから紹介します。
あるレポートの報告によりますと、フランスの対GDP国防予算2.05%に対して、アルコール・タバコによる社会問題に費やされる費用は2.68%とあります。また1997年の中毒死亡者529,640人のうち、42,963人が酒、41,777人がタバコ、547人がドラッグという結果であり、社会全体の問題としてはドラッグよりも圧倒的に酒の方が深刻だという状況です。政府広報部のコマーシャルの一つに次のようなものがあります。まず、火を付けようとしている洞穴に住む古代人が映されます。火が点いたらすぐさま、しなびたタバコを照らそうとします。そこで次のようなテロップが流れます「人類が最初に見つけたのは火か、それともドラッグか?」 別のコマーシャルではまず台所で大食いをしている男性のシーンが映され「中毒はいつ始まるかわからない」というメッセージを流すものがあります。
他にも政府は「ドラッグ、良く知ってください、そしてこれ以上のリスクは冒さないでください」というパンフレットを140万部配布しました。この中では単に薬物だけにとどまらず、アルコール消費量に関しても問題視しています。フランス国内に200万人のアルコール依存症の患者がいると指摘し、一人あたり平均して年間123本ものワインを消費しているといっています。そして、タバコに関しては国民の35%は喫煙者で喫煙人口の半数はヘビースモーカーであるとしています。
ただ、税金を上げる等のハードなやり方はまだらしいですが、ワインは水代わりのお国柄だからでしょうか。しかし123本といえば3日に一本の割合ですね。それぐらいでは中毒にはならないと思うのですが。(N/H)
TurleyがPesentiを買収
一般には、あまり注目されない話題かもしれませんが、昨年、パソ・ロブレを訪れた我々としては非常に興味があるのでちょっとご紹介します。
Turleyといえば、Zinfandelが有名で、これは日本でも知られたワイナリーです。一方のPesenti(ペゼンティ)は、その地域一帯では一番古いワイナリーというだけで、昨年パソ・ロブレを訪れた時にもガイドを読んだだけではさほど行く意欲が湧いてきませんでした。ただ、あるワイナリーで、「あそこのブドウは一番古いから、凝縮されたワインができる」と紹介され、訪ねました。
テースティング・ルームは洗練されておらず、売れていない駄菓子屋さながらに雑多な酒や雑貨が所狭しと並んでいました。カウンターにいたおじさんも、農家のおじさんという感じでしたが、彼がワインメーカー兼オーナーのネレッリ氏でした。出てきたテースティンググラスはショットバーでウイスキーをあおるのには最適な小さなグラスで、おじさんは、「これは壊れなくていいんだ」とコメントしました。第一印象は「間違えたかなあ」って感じでした。いつあけたかわからないようなワインをテースティングに出してるんじゃないの?っていう不安もよぎりました。
しかし、ワインはいくつも賞をとっており、ジンファンデルは年代によって相当差があるように思えましたが、凝縮感があり美味。カベルネも同様。ジンファンデル・ポートも結構美味い。加えて値段が安く、1本13ドル程度(そのクラスのワインは、パソ・ロブレでも20〜25ドル程度が平均値)、しかもケースだと100ドルという破格の値段でした。これを輸入すれば確実に儲かるかもしれない、と思わせるワインでした。ネレッリ氏というか、おじさんに「マーケティングってご存知ですか?」って聞くと、にこにこ笑いながら、「どうしてそう思うんだい?」って聞き返され、思わず「ラベルが今いち」と答えましたが、本当はテースティングルームや品揃え、値付けなどすべてが今いちでした。気のよさそうなおじさんは多分もう引退間近で、昔乍らのやり方を守っている−まさにペゼンティ(農夫達)のワインと思える非常に印象深いワイナリーでした。今回のTurleyへの売却に関しては、おじさんは「誰に後を継いでもらうというのもなかったしね」とあっさりしているようです。
今後Turleyのイーレン・ジョーダンが直接面倒を見るようです。しかし何とカベルネ引き抜くそうです!もったいない。50歳の木なのに・・・なんとも言えない寂しいものがあります。家にあるペゼンティのカベルネは飲まないで持っておくことにします。それともカベルネ畑をTurleyから買い取りますか。(N/H)
ワイン醸造における実験
カリフォルニアでは、あいかわらずいろいろと新しいワインが実験されているようです。ZDワインでは、Aacusというワインを造っています。これは1992年から始まったもので、毎年前年のワインに新たに今年のワインを足していくのです。そしてそのうちの15%を瓶詰めして市場に出し、残りの85%は翌年以降に持ち越されるのです。そのやり方はシェリーを造る時に用いられるので、ソレラ・カベルネと呼ばれています。毎年、毎年、新しいワインをつぎ足していき、シェリーでは100年ものも存在するのです。ZDはどこまでやるかははっきりしません。
なんとこのワイン、一本250ドルもするのですが、飛ぶように売れるそうです。生産量は200ケースということです。この値段は出したくはないですが試してみたいワインではありますね。どなたかお持ち?ちょっとでいいですから・・・(N/H)
適度なアルコール消費は骨密度を高める!
やはりアルコールというのは両刃の刃なのだなあと思わざる得ないのですが、最初のトピックと同じフランス発の調査結果です。4月15日のアメリカ疫学ジャーナルに発表されました。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう、しかし病名は漢字が難しすぎる!)疫学調査に参加した75歳以上の女性7598名の人々からデータが採取された。このレポートでは、適度なアルコール消費を11〜29グラム/日(*)とした上で、この範囲で毎日飲みつづけている場合は、骨密度が改善することが判った。ただしこれを越えて飲酒している場合は、骨密度が異常に低くなるとしている。
というレポートですが、さてここの(*)をつけた「適度」というのが本当に曲者です。これはあくまでアルコール摂取量ですのでワインに直す場合、アルコール度数で割り戻した数字がワインのだいたいの量です。ですので例えば、アルコール%が9%のドイツワインの場合、比重がワインと水が全く同じとした場合で122mlから322mlの範囲内で飲めますが、15%のジンファンデルの場合は、73mlから193mlとなります。つまり、ボトルを六杯どり(125ml/グラス)すると仮定して、ドイツワインの場合は2杯半まで、ジンファンデルの場合は1杯半までなのです。つまりちょうど1杯違う計算となるというわけです。最近の高いアルコールを目指したトレンドは健康に良くないと言えます。だって、1杯半で済ますことが出来ますか?(H)
チリのメルロー、果たしてその正体は?
実はこれは以前から知られていたことなのですが、チリのメルローはメルローではないという記事がサン・フランシスコ・イグザミナーに出ていましたので紹介します。ナパのセントヘレナに住むワイン・ジャーナリストのボブ・トンプソンが書いていました。
メルローではなくて、Carmenere(カルメネーレとしておきます)でした。カルメネーレは見かけはメルローとほとんど同じ。ボルドーの人々は、あまりの生産性の低さのために1860年代以降この品種を捨てました。チリのワイナリーの開発にあたってはボルドー人が深く関与したためにチリにこの品種があります。チリでも生産性は低い。当初これがわかった際には、驚きがあったようですが、現在では逆にその品種の少なさのためにチリのほとんど独自品種として重要視されてきています。他の新世界地域のメルローとの競争から逃れることが出来るようになったとも言えます。
熟成したブドウを収穫し、その能力を十分に引き出し、新樽を使わないことでソフトなタンニンと凝縮した果実味のあるワインを造り出すことが出来ます。そしてそのフレーバーはメルローに似ています。新樽を使わないことは重要で、新樽は多くのスパイスをワインにつけてしまいますが、カルメネーレのブラックベリーのフレーバーは、樽のブラックペッパーとはうまくいかないのです。
優れたワインには次のようなものがあります。
- Hartwig Cochagua Valley
- Terra Andina Curico
- La Mision del Clarillo Maipo Valley
ボブ・トンプソンが新樽が合わないと言っていますが、それはほとんど好みの世界ではないかなと思います。ワイン会で違いを比較してみたいと思います。(H)
ワイン本のテーマに困っていらっしゃる方へワイン書のタイトル案
本棚にある本を眺めながらワインの本のタイトルを考えてみました。内容も付けてみました。しかしこうやって作ってみると、何のこっちゃと思えるタイトルもある反面、結構どこでもパクリがあるなあという感じがします。
無責任ベースで書いていますのでご容赦のほど。しかし実際に書けそうなのも・・・(H)