Topics&Columns(2000年5月7日)

 

ワイナリーの株式公開

先日、ネット・オークションでワイナリーへの出資を募集しているワイナリーがあるというトピックを載せましたが、今回は通常の株式公開の話題です。

ミシガン州にあるChateau Chantalというワイナリーは、1993年に創業、自社畑とB&Bの宿泊施設を持つワイナリーです。ワイナリーの56%にあたる株を20ドルで売り出します。売買単位は100株ですので、最低で2000ドル(約22万円)で投資可能です。この株式公開によって175万ドル(約2億円)から350万ドル(約4億円)の資金を集め、主に宿泊施設の拡充にあてる予定ということです。

ワイナリーの経営状況は、創業当初こそ赤字であったものの、97年からは利益がでています。ただ、それは主としてマンション建設のために土地を売ったからだということです。ワイナリーの方はあまり儲かる商売ではないのでしょう。

肝心のワインは、ワイン・スペクテーターで調べてみましたが、見つかりませんでした。もちろん、ロバート・パーカーの本にも載っていませんでした。でも日本のスーパーでみかけたことがあるような気がします。もっとも、集めた資金をワイナリーや畑ではなく、宿泊施設の拡充につかうぐらいなので、あまり気合をいれてワイン造りに取り組んでいるわけでもないのでしょう。オーナーのBegin氏は、カソリックの神父として長く勤めた後、デトロイトで建設会社を起こした経歴をもっています。農業を始めるにあたって、最初はチェリーの栽培を行なっていましたが、ワイン用のブドウにくら替えしたとのこと。なんだか「生臭坊主」という印象を受けますが、言い過ぎでしょうか?

今後も株式公開ワイナリーはどんどん増えていくらしいです。(N)

チリのワイン輸出速報−日本向けが伸びる

チリの1-3月期のワイン輸出は昨年同期比で23.7%増、金額ベースは115.7百万ドル、数量ベースで52.29百万リットルという数字となりました。アメリカ向けが20.3%増、日本向けがなんと75.75%です。今年全体で10%程度の伸びを予想していましたが、この1-3月期の増加により上方修正されるかもしれないとのことです。(N)

シャブリの品質向上のための組合結成

5月3日付けのワイン・ツディからです。

シャブリ地方の21の生産者が集まって、あらたにUnion de Grands Crus de Chablisという組合が結成されました。メンバーにはLaroche、Moreau、Billaud、William Fevreといった著名生産者も含まれており、AOCシャブリの240エーカーのうち、175エーカーをカバーする組合です。

結成の目的としては、世界レベルでのシャブリの品質向上と地位復権ということのようです。アメリカでは70年代、80年代こそ好調な売れ行きを示していましたが、90年代に入って赤ワインブームとカリフォルニアワインブームにおされ、市場基盤がほとんどなくなってしまった、とまで言っています。

今後、イベントとしては、9月に世界中のジャーナリストを招いてbest grand crus wineを選ぶコンペを行ない、他にもセミナーを開催したり、輸出市場でテースティングを行なっていく予定です。シャブリ特級ワインの80%は輸出されており、イギリス、アメリカ、日本、ドイツが主要輸出国となっています。

組合にはDomaine Rene、Vincent Dauvissat、Jean-Marie Raveneauといった特級畑の中でも特に著名な生産者は参加していません。Raveneau氏は、組合の旗振り役であるLaroche氏に対し、参加しない理由として、「君のところが、品質に関してあまり厳しくないからだよ」と発言。それに対してLaroche氏の反応は、「組合の目的はシャブリ全体の品質の向上。今のところ、規制やルールを強化するのではなく、教育によって行なうのがいい。まず、特級の品質向上をおこなっていけば、下のレベルの品質も自然に向上していく」と言っています。

赤ワインブームということの他にも、シャブリの問題は、ガロのような大手ワイン会社が、安いジャグ・ワインに「シャブリ」という名前をつけていることによってイメージが悪くなっていることもあります。アメリカで「シャブリ」と言えば、安いワインというイメージです。ガロは米国市場ではブランド名として「シャブリ」という名前を使用する権利を持っていますが、日本市場では使わないことに同意しています。EUでは、「シャブリ」と名のつくワインは(AOCシャブリ以外は)売ることは出来ません。

今後のシャブリの展開が楽しみです。とりあえずは9月に開催されるイベントでどこが一位になるかも注目しておきたいと思います。(N)