Topics&Columns(2000年6月11日)
ナパのオークション
ナパで6月に毎年行われるチャリティー・オークションは、いまや一大行事で、そのチケットは2年前に完売するほどだそうです。今年も先週末に行われましたが、やはりアメリカはバブリーだということを感じさせるものだったようです。
6リットルのスクリーミング・イーグル1992年がなんと50万ドル(約5000万円)で落札されたのです。これは一本のワインとしては、世界のワイン落札記録だそうです。スクリーミング・イーグルを落札したのは、シリコンバレーでベンチャー・キャピタリストをしているベイリー夫妻でした。他にも、ハーラン・エステートのマグナム10本が70万ドル(約7000万円)で落札されるなど、総額で950万ドル(約10億円)となり、昨年の550万ドルをはるかに越える金額となりました。
このベイリー夫妻(総額で200万ドルもワインを買った)をはじめ、オークションにはシリコン・バレーの成金たちがたくさん参加し、さながら「バレーの引越し」という様相を呈していたといいます。そのうちの一人のコメントは、「これはNASDAQ市場と同じで、やみつきになる」とコメントしているように投資ゲームのように思っているのかもしれません。まあ、ここまで成功すれば、なんの文句もないでしょう。ナパはシリコンバレーの近くでよかったね。
余談ですが、ナパに比べてぜんぜん、規模も華やかさも劣りますが、メンドシーノでもオークションがあったようです。こちらは総額で7万ドル(約700万円)程度と100分の1ほどの規模ですが、それでも前年比でほぼ倍増という勢いで伸びています。ここに参加したワイナリーで有名なところでは、有機栽培で名のしれたFetzer Vineyardsがあります。
アメリカのエコノミーは、すごいものがありますね。(N) そうも思いますし、ワインの中身よりステータスに払うようになったということがあるとするならば、一般の消費者が追い求めるようなワインではないということですよ。そんなワインが増えてきましたね。(H)
コルクの逆襲?
ナパのプラムジャックが135ドルでスクリューキャップのワインを売り出したとお伝えしましたが、様々な方面から反響はあるようです。
コルク派は、1,2年のうちに飲むならともかく、長期熟成にはコルクの方がいい、という調査結果を拠り所としています。ドイツの会社は、コルク汚染は製造途中でマイクロウェーブによる処理をしてやれば、バクテリアを死滅させることが可能だとして、ポルトガルのコルク製造会社と提携をしています。通常は暑い熱湯にいれる、スティームで洗浄する、漂白するという方法がとられてきましたが、それでは表面的な効果しかありません。マイクロウェーブをかけることでコルク内部のバクテリアも死滅させ、コルクから不快なにおいがつく確率がかなり減るということです。ただ、完全になくなるという保証はありません。このコルクはすでに世界中の2000のワイナリーで使用されており、3億コルクが売れているということです。今までのところ主なワイナリーはヨーロッパでしたが、今後アメリカにも広がるでしょう。
とにかくスクリュー・キャップの消費者イメージが悪いので、どうにかして既存コルクを改良したもので穏便にすませたいと思うのも当然でしょう。数年前、オーストラリアのワイナリーがアルミ業界のバックアップを受けて大々的にスクリュー・トップを宣伝し、広めようとしましたが、結局失敗したといいます。レストランで注文したワインがコルク・スクリューだったら相当にがっかりするでしょう。
一方の(スクリュー・トップを使うと発表した)プラムジャックでは、スクリュートップとコルクの2つのワインをグランド・キャニオンのラフティングに持っていき、日中の暑い気温の中、冷たい水から取りだして、夜のキャンプファイアで栓を抜くとどういう味の違いがあるだろうかという実験をする予定だそうです。(N)
ニュージーランドの収穫情報
2000年のニュージーランドワインは、収穫量は減りますが、かなりよさそうです。世界的にすでに有名なソービニョン・ブランはさることながら、ピノ・ノワールの出来はOutstandingだということです。大手モンタナ・ワインの抱えるブランコット・ヴィンヤードの畑の収穫情報がヤフー・ファイナンスにのっていましたのでご紹介します。
マルボロ地方は、ラ・ニーニャ気候で、いつもとは逆に東風が吹き、雲が多く雨も若干多いシーズンとなりました。10月と11月の花と実をつける時期に雲が多い冷涼な気候だったことがかなり影響を与えていそうです。収穫は3月に、まずピノ・ノワールが例年よりも1週間遅れで始まりました。ギズボーン地方の気候は、昨年と違い、理想的な気候となり、フルーツの凝縮度の高い実をつけました。収穫は2月終わりから4月にかけて行われ、例年より2週間も長くかかりました。畑に長くあるということは、それだけフレーバーが強くなるのでいいワインができるということになります。ギズボーンではシャルドネが主として生産されています。
同様にホークス・ベイ地方でも、かなりすばらしい出来になりそうだということです。冷涼な気候であったにもかかわらず、1月、2月と暑い日が続いたため、収穫は例年どおりに始まり、5月まで続きました。シャルドネはほとんどが完熟という状態にもかかわらずクリーンで、メルローは通常より小さい実がついてフレーバーが凝縮され、ストラクチャーがしっかりしています。カベルネ・ソーヴィニョンは、青臭い感じがまったくなく、熟したフレーバーがする最高の出来となるでしょう。
なにしろ畑のマネージャーやワインメーカーのコメントなので、手前味噌な部分もあるかもしれませんが、まあ、期待できそうなヴィンテージということのようです。(N)