Topics&Columns(2000年7月16日)

シャンパンの起源

シャンパンの起源を伝えるニュースがありましたので全訳でお届けします。

楽しむことが好きな古代ローマの人々にとって、シャンパンなしのパーティなど考えられなかった?約2000年前、シャンパンはローマ人のパーティ、お祭り、ドンちゃん騒ぎのハイライトだった。17世紀にフランスの僧侶ドン・ペリニョンが、ブドウは2度目の泡を生むということ、つまりシャンパンを発見したという一般的な話を覆すものである。

ピアセンザにあるカトリック大学ブドウ栽培研究所のマリオ・フレゴーニ氏は、「あるラテン語で書かれた文献によればローマ人がすでに2000年前にスパークリングワインを造り、飲んでいたことは明らか」と言う。さらに彼は、フランスの有名な僧侶が実際に存在したかということにさえ、疑問を投げかけている。彼は、ドン・ペリニョン僧侶も単なる「伝説」のひとつでしかないのでないかという。古代ローマ人が2000年前にスパークリング・ワインを飲んだという記述について、此れまで学者は保存状態が悪いために結果的にそうなったものだという見方を示していた。だが、フレゴーニ氏は、ローマ人がテラコッタのアンフォリでワインを再発酵させ、意図的にバブリーなワインを造っていたと強く主張している。(H)

ソフトバンクがワインも売ります

「うそー」。日経新聞にも出ていましたが、12日に発表したところでは、e-shipping! Wine Corpという新会社で、メルシャンとサントリーおよび糧食と組んで、オンラインでのワイン販売に乗り出すとのこと。今年11月以降、営業を開始する、1500種類のワインを扱う、資本金は3億円です。

ソフトバンクは、オンライン・ショッピングの分野で、他にもセブン・イレブンと組んでいますし、そのうち注文したワインがセブン・イレブンで受け取れるというようなスキームもできるのでしょう。消費者にとっては競争激化は、ありがたいことです。プレミアムワインの分野でももっと価格破壊が進んでほしいものです。

 

「ナパ」ブランドには気をつけよう

アメリカの中で、ナパは文句なしに高級ワイン産地の中心ですが、それはもちろん、ここのブドウが(平均的に)他よりも優れているからです。ワインのラベルに「ナパ・バレー」と入っているのは、当然、当地のブドウを85%以上使っているということを意味していますが、実は一粒も使っていなくても「ナパ」という名前のついたブランドを売り出すことが可能で、アメリカのワイン業界ではちょっとした問題になっているようです。日本にいると、ナパ・バレー・ブランドだから買うというメンタリティーはないので、あまり実感は湧きませんが、紛らわしいのは確かです。

どういう仕組みかというと、土地の名称によってワインの品質を管理しようとする試みが認められ、厳しくチェックされるようになったのが1986年であり、それ以前から存在するブランド名は、たとえそれが地理的な名称をもっていても、ブランド名として使ってもいいというものです。その結果、「ナパ・リッジ」、「ラザフォード・ヴィンヤード」など多くの地名を持つブランドが温存されてきました。Beringerの有名な「ナパ・リッジ」も、少なくとも15年間はナパのブドウを使って造られてはいませんでした。そして今回、「ナパ・リッジ」のブランドを買い取ったBronco Wineryをアルコール・タバコ・武器取締局が訴えたのですが、Bronco側の言い分が認められたというわけです。

これに対してナパの生産者たちは一斉に反発しています。Broncoは、ナパ・リッジを大幅に増産する計画をもっており、「ナパ」というブランドが乱発されると、品質の低下や信頼性が失われる、消費者を惑わすというのが言い分です。まあ、これももっともな言い分でしょう。でも、今やナパのブドウは近隣のブドウに比べて2倍、4倍の値段がついているのですから、ナパ以外の生産者はどうにかしてこれを利用しようとします。今後、政治的な対立として問題が波紋を呼んでいく可能性もあります。

ナパのワインビジネスの中心としての成功は、いたるところで亀裂を呼んでいるということですね。

 

赤ワインはガンもふせぐ?

またも、赤ワインを喜ばせるようなレポートが登場しました。赤ワインに含まれるtrans-Resveratrol (訳は見つかりません。短く「レス」といいます)がガンの成長を停止させる効果があるというものです。ウッソー、そんなあー、シンジラレナーイ!

「キャンサー・リサーチ」に登場したもので、ノース・カロライナ州チャペル・ヒルにありますラインベルガー総合ガンセンターの分子栄養士であるミニー・ホームズーマクナリ氏が発表したものです。ガンは成長するためには、NF-kBというたんぱく質が必要ですが、「レス」はこのNF-kBを不活性化してしまうというものです。レスはどのフルーツにも含まれているものの、黒ブドウ、桑の実、ラズベリー、ピーナッツに多いとしています。

心臓病についてはこれまでもいろいろと報告がありましたし、活性酸素の発生を防ぐという間接的要因からガンにも効果があるというものはありましたが、直接的にガンに効果があるという発表がなされたのは初めてではないでしょうか。スゴーイ!

さらに、NF-kBを不活性にするで、MCP-1というもうひとつのたんぱく質も活性化しないことになるので、アテローム性動脈硬化に対しても効果があるかもしれないという内容も発表されました。(H)

 

15%のボルドーが失格

ジャンールイ・ルマギが協会長を勤める「ボルドー&ボルドー・シュペリウールアペラシオン協会」は、ボルドーの品質を高めるために、日々努力するという目的でもって、ワインが「ボルドー」という名前を付けて売ってよいか否かを判断する協会です。ボルドーで生産されれば、少なくとも「ACボルドー」格では売ってよい。ということはないのです。最後には必ずテイスティングを行わなければなりません。そのテイスティングを行うのがこの協会です。INAOから委託を受けているわけです。

さて、イギリスのデイリー・テレグラフが伝えましたところによれば、6月に1999年のその「ACボルドー」として申請されてきたワインのなんと15%が、この審査で失格になったそうです。協会側は、品質がきわめて悪いとしています。平均の2倍の失格率です。

さらにルマギ氏は、審査にはさらに厳しい基準を導入する計画だそうで、一貫して品質が悪い場合は、業務を停止させるという内容も含まれるようです。「こんなトレンドが続くようなら、世界市場から取り残される」とコメントを出しています。そしてフランス人には異例中の異例のコメントを残し、醸造家たちを驚かせています。「われわれの市場に、他の産地のすばらしいワインが登場して競争が厳しくなっているということに気が付かないのはめくらか、ばかだ。そういったすばらしいワインは、確立された名声に頼ることのない生産者達が造りだしたものだ!」

このような立派な人物がいるということは、まだボルドーは大丈夫なのでしょう。(H)