Topics&Columns(2000年7月30日)
今週はヤフーの配信の数が多い週でした。
ギャングはカリストガの18マイルまできた!
ギャングがどこまできているかという模様をこれまでお伝えしてまいりましたが、、、
えっ?何の事だって?あっ、失礼しました。例のフィロキセラ以上に恐るべき威力を持つピアース病を媒介するガラス羽シャープシューターのことです。(ところで、この名前は松元が勝手に付けたものです。どなたか正式名称を教えてください)
これはロス・アンゼルス南のテメキューラの辺りで繁殖し、北へ向かって移動してきつつあるという話をこれまでしてきました。セントラル・コーストの辺りにはすでに出没し、ブドウ畑の危機が叫ばれています。そして、これがナパ、ソノマにくれば、カリフォルニア・ワインはほぼ壊滅するといわれ、様々手段が講じられてきているのですが、、、
7月27日の「ナパ・ニュース」によりますと、ついにカリストガ(ナパの北部)の北18マイルのレイク郡ミドルタウンのブドウの苗床でガラス羽シャープシューターの成虫が見つかった模様です。これまでの報告では、最もナパに近い場所での発見です。とは言っても、ナパを超えてどうしてレイク郡まできたかということに関しては伝えていません。(H)
珍しいジョイントベンチャー
アメリカ・ワシントン州のシャトー・サンミッシェルは、トスカナのアンティノリとすでにJVを作っていて、コロンビア・バレー(ワシントン州)で赤を生産していますが、今回は、ドイツのエルンスト・ルーセンとリースリングの生産を始めました。アメリカではリースリングは注目を浴びる事はないでしょう−白ワインといえばシャルドネですし、リースリングは人を魅了するとは考えられてはいません。しかし、シャトー・サンミッシェルといえばワシントン州でも、その開始を1959年までさかのぼる最古参で、実は遅摘みのリースリングの生産に成功した数少ないアメリカの生産者なのです。ドライワインと甘口の両方で生産が開始されるようです。1999年に生産されるそのドライな方のワインの名は「エロイカ=英雄」と命名され20ドルだそうです。
私などはエロイカといえばナポレオン、そしてベートーベンの第三交響曲を思い浮かべるので、どうしてもポイヤックという感じです。その名を白に、しかもJVの生産としてはたぶん初めてと思われるリースリングにつけるとは、野心の表れか?などと気を回してしまいました。楽しみです。(H)
ギャングをやっつけろ!?
最初のトピックのギャングに対しては、どういう手立てを打つべきかということについては、様々です。きわめて労働集約的な手法、つまり検査官が木々をしらみつぶしに検査して、ギャングの成虫と卵を探す。というものから、ブドウの木をそもそもピアース病に負けないようにするための遺伝子工学的対応も検討されています。
そして、7月28日付けの「フレズノ・ビー」が伝えたところによれば、農業省が承認をすれば、メキシコに生息するスズメバチを放つことが出来る模様です。スズメバチはもともとガラス羽シャープシューターの天敵です。既に、カリフォルニアに元来生息するスズメバチでも成虫には効果があるようで、90%の成虫は、人間の手でなく!スズメバチがこの害虫を駆除してくれているようです。メキシコからやってくるこのスズメバチが、ガラス羽シャープシューターの孵化前の卵を殺してしまうのだそうで、来年の春の孵化率を低下させる効果に期待がもたれています。現在カリフォルニア州立大学リバーサイド校で検疫中で、他に被害をもたらさないことが判明すれば、8月中にはこのスズメバチはカリフォルニア中に放たれる様です。そして現在、他に2つのスズメバチが検疫中との事です。
毒をもって毒を制するような話ですが、生活を守るために、自然の生態系に手をつけるというのは人間がこれまでやってきたことで珍しいことはありません。あからさまといえば極めてあからさまなやり方ですが。私としては、環境主義者ではありませんが、今がよければ将来はどうでも良い様なやり方には疑問を感じます。ガラス羽シャープシューターが増えれば、次のサイクルで増えてくるのはその天敵であるスズメバチが増えます。
「…そして5年後、ガラス羽シャープシューターはいなくなった。しかし新たな問題が起こっていたのだ。当時の外人部隊スズメバチと、現地のスズメバチは交配して、新たな種として最強のスズメバチを創り出した。こともあろうに、そのスズメバチの好物はワインなのである。人々が外でワインを飲もうものなら、間違いなくスズメバチがやってきて、グラスの縁にその場所を陣取り、人々ににらみを効かしながら・・・。いつからスズメバチの口先がそうなったのか分からなかったが、ガラス羽シャープシューターの成虫の様な長い口先でワインをすするその光景は、異様としか思えない。家の中でワインを飲んでいても、どこからともなく現れてしまう…そして当局はこのスズメバチの天敵であるXX鳥を放し飼いにすることに決めた…」
想像力が豊かですね・・・(-_-;) (H)
エアラインは美味くないワインは出さない!
といっても、そう決めたのはユナイテッド航空のファースト・クラスの話です。この話、エアラインのかたがたには珍しくも何ともないでしょうが、これからお話する内容には、私どもも含めて初めて聞く人にとっては「涙ぐましい努力をしている」のだなあと感じ入るのではないでしょうか?さてUSA Today から要約してお伝えします。
一般的にはファースト・クラスに乗る顧客はエコノミークラスの少なくとも5倍は料金をは払っているし、固定客になりうるしという事でエアラインにとっては極めて重要だが、そういう顧客こそはワインのことを良く知っているものだ。航空各社は国内線の客は、スケジュールとか、時間の正確さとかが重要で、国際線の客にとっては食事とワインが重要だと言っている。シンガポール航空のヘルマン・フライダンク氏は「パズルみたいなもので、ひとつが欠けていてもだめです」と述べる。この航空会社では年に2回の600本のテイスティングマラソンをやる。これを実践するのに数名のプロを雇っている。コンチネンタル航空は、会社の社長・会長、それに上顧客を招いてワインを選ばせるテイスティング会を行なったりしている。
今回USA Today は9つの航空会社からワインリストを取り寄せてみた。そしてそのリストをフランス人ソムリエで、Underground Wine Journalの主席テイスターであるルネ・シャゾットにレビューしてもらった。
9つの航空会社は次のとおり。 ユナイテッド、ノースウェスト、TWA、 アメリカン、コンチネンタル、USエアー。そして海外からはSingapore Air, Air France, British Air(BA)である。このうちでシャゾット氏のランキングは次のとおりであった。
海外勢では、BAが最も優れていて、シンガポールとフランスはいずれも2番。国内勢ではUSエアーが「非常によい」でトップ、次にユナイテッド、ノースウェスト、TWA、アメリカンが並び、最下位はコンチネンタルで「非常に悪い」とランキングした。
ただシャゾット氏によれば、飛行機の中では地上と同じ味がしないとも言う。客室内は気圧が高く、さらに離陸時とか乱気流に巻き込まれた際にワインが激しく振動するからだ。それを知ってワインを選択するのがヴァージン・アトランティックで、地上でのテイスティングよりも上空でのテイスティングでワインを選択するのだ。
航空会社はフライト・アテンダントのトレーニングを行なうことにも余念がない。顧客のテイストを把握するためと、サービスの技術を磨くためだ。ワイナリーでの教育も含まれていたりする。JALなどは700名のスタッフはソムリエの資格をもっている。フライトではそれと分かるバッジを胸につけている。
しかし実際にフライトにはどんなワインが乗るかは航空各社様々である。TWAは「スパイシーな料理にあう」ジンファンデルをファースト・クラスに載せようとしているし、ユナイテッドでは「様々な料理にあう」オーソドックスなもので行く方針である。BAは古めのヴィンテージを載せるし、日系航空会社は名の売れたワインにしようとする。
航空会社のワインリストに載るとなると、ワインの名が広く知られることになる。ワインの熱烈なファンは、上空でのワインの様子を知ってワイナリーに連絡したりする人もいるようだ。ランドマーク・ワイナリーのシャルドネはBAで出しているが「そういうことは良くあります」とはメアリー・カルホーン氏。一方でここのワインメーカーのエリック・スターン氏は、「飛行機の中でワインの愛好家がいるとしてもわずかなもので、地上で同じものを飲もうとする人はめったにいない、むしろビールを出した方がいいのでは」という。そうはいっても、航空会社が生産規模の小さいワイナリーから買う量といえば、ワイナリーにとっては「小さくない」そうだ。「初めての契約の時は、あんな量のワインを買ってくれるというので、それはてんやわんやでしたよ。一緒に仕事をするのは楽しいですけどね」
ほぼ全訳になってしまいましたが、日本の航空各社はどうしてリストを出さなかったのでしょうか?「頼まれなかった」「知らなかった」のかもしれませんが、積極的に評価を受けるチャンスを失ってしまったというのは残念ですね。これからでも出してみて欲しいものです。毎年競い合って、コストはミニマムで品質を向上させていただきたいものです。
アメリカの航空会社では、コンチネンタルはまあそんなものだろうと思いましたが、USエアーが一番というのは驚きです。私は乗ったことがないので何ともいえませんが、私にとってはあのUSエアー?という印象があります。残りの3社の中ではアメリカンが一歩リードしているのではないかと思った時期はありましたが、最近はあまり出張もなく、外に出る場合はもっぱらエコノミークラスですのでワインなどとても期待できない・・・(愚痴をいってどうする?)(H)
ニューヨーク産のワインはどこで買える?
ニューヨークというのは知る人ぞ知る、全米ではカリフォルニアに次いで第三位のワイン生産州なのです!(この間まで二位でしたが)ですが、ニューヨーク州のワインを日本で飲んだことがある人など物好き以外はないと思います、私など努力が足りないのかも知れませんが、売っている店など見たことがない。日本はもちろんのことですが、アメリカでも見たことがなかったです。それが少なくともNYでは買えるようになりましたという話です。7月26日のNY Times の記事を参考にお伝えします。産地もご紹介します。
ソーホーに店を構えるのはVintage New York で、珍しくも日曜日の営業も許されたワインショップです。NY州の4つの生産地であるロング・アイランド、ハドソン・バレー、フィンガー・レイクス、そしてレイク・エリーから、約150のワインを集めています。
われわれ一般の日本人が知っているNYといえばマンハッタンぐらいですが、NY州といいますのは地図にありますように(説明しようとしていろいろとやっていましたら、どうしても地図ということになってしまいました。汚いですがご容赦を)、ペンシルヴァニア州、コネチカット州、マサチューセッツ州、ヴァーモント州そしてカナダ、と五大湖に囲まれているというデカイ州なのですね。マンハッタンあるいはニューヨーク市というのは、NY州のごく先っぽです。そして、カリフォルニアに継ぐワイン産地は、番号を付けた順に、@ノースフォーク(ロングアイランド)、Aハドソン・バレー、Bフィンガーレイクス(小さな湖が散在している)、Cレイク・エリーという順になっています。Cのエリー湖畔のワイン産地というのは、ペンシルヴァニア州、そしてその西隣のオハイオ州までつながっているのです。これらのワイン産地は、全てAVA (American Viticaltural Area) です。

さて、ショップの方に話を戻しますと、このショップを開いたのは、スーザン・ワインとロバート・ランサムです。彼らが日曜にも営業ができるというのには仕掛けがあって、実はこのショップは彼らがハドソン川に持っているワイナリーのテイスティング施設という位置付けだからです。他の150ものワインということについては、たまたまそこに置いているという事で、1984年の法律に従って営業が出来るようになっているものです。ソーホーといえば、オフィス街であるミッドタウンとは違って、レストラン街+生活街という事で夜も人通りはありますので、良い考えでしたね。
トライベッカにあるレストラン・モンラッシェのダニエル・ジョーンス氏によれば、ショップは非常に立派で、幅広いレンジのワインを持っているとのこと。「NYのワインは半端じゃないということをあまり知らないんですよ。ロングアイランドなんかはしっかりしているし、ハドソンバレーのミルブルックなど立派だし。中にはがっかりする場合もあったりしますがね、大きなシャルドネだのメルローばかりだけではなくて、もっとNYワインを試してもらいたいですね」この店では13種類に分類してワインを置いていて、スパークリング、アペリティフ、からフルーツワインまであるようです。ロングアイランドのワインばかりが先行しているようですが、フィンガー・レイクのリースリングなどは輸出もできるほどと言われていますので、かのジョーンズ氏ではないですがお試しください。
ミルブルック・ワイナリーに関しては、オーナーはかのカリフォルニアのウィリアムズ・セリエムのオーナーです。以前、私もどこかのワイン会に持っていったことがありましたが、なかなかの評判でした。私自身は、極めて本格派のワインだと思っています。最後にNY Times の記事を最後に書いてありましたワインをご紹介します。North Forkというのはロングアイランドのワイン産地のことです。値段は現地価格です。
このワインショップの日曜営業の継続は、ひょっとすると微妙なようですので、ご注意ください。確かめてお出かけください。電話は212-226-9463、場所は、Broom通りとWooster通り。オープンは9時までです。(いつから旅行代理店になったのだろうか?H)
ソウルにワイン学校を開いたムートン!
7月24日に「アジア・パルス」が伝えたものです。バロン・フィリップ・ロートシルトが8月1日に「ムートン・カデ」というワイン学校を開くそうです。韓国でワインをポピュラーにすることを目標として開設するものです。クラスは二つあって、「カデ」クラスは、一般初級者向け。「シャトー」クラスはレストラン関係者向けです。両方とも25名が定員で、インストラクターは現地のエクスパートが行なうそうです。
ソウルではいくつめのワイン学校とは伝えてはいませんが、どうなのでしょうね。今回の開設は、規模から言ってもムートン・カデのセクションが流通拡大を目指して、マーケティングの一環でちょっとだけ試しにやってみるというのが、個人的な解釈です。日本には山ほど独立系のワイン学校があったので、いまさら新設ということはないでしょうが・・・(H)