Topics&Columns(2000年9月24日)

先週はお休みして、失礼しました。やっと日本も気温が下がってきた感じです。私は、季節が冬に向かうということを考えただけで気分が悪くなるという情けない人間です。どんなに暑くても寒いよりはましという性質なので、基本的に私はワイン向きの体質ではないのかもしれません。

2000 インターナショナル・ワイン・チャレンジ

インターナショナル・ワイン・チャレンジはロンドンで9月6日に開催されました。今回は35カ国から9300種類のワインが出展されました。白のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーは、オリヴィエ・ウンブレヒトで6回目の受賞です。ランゲン、エンクスト、ブラント、ゴルデールの特級畑を持つウンブレヒトは、間違いなくアルザスの名手です。そして甘口ワインのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーは、オーストリアはイルミッツ(ハンガリー国境に近いノイズィートラー湖右岸)のアロイス・クラッヒャーです。4回目の受賞。世界でもっとも濃厚な貴腐ワインを造ります。シャルドネ、ヴェルシュリースリング、それにショイレーベを几帳面にブレンドしてアロマチックなワインとなります。そしてスパークリング・ワイン部門ではダニエル・ティボーが受賞しました。シャルル・エイドシェックのセラーマスターを1976年から勤めます。そしてペンフォールズのジョン・ダヴァルは2度目の受賞をしました。もちろん赤ワイン部門です。最後に酒精強化ワインの部門では、ピーター・シミングトンです。グラハム、ダウ、ウェアのワインは全て彼の指導によります。シミングトンはポートワインにあっても近代的な生産設備を導入してきています。

上記はワインプロ(www.wine.pro)の記事を参考にしています。(H)

 

最近DRCの値段はいくらするのか?

9月18日にニューヨークで行なわれましたZachis&Christie'sのオークションの模様からです。ブルムバーグが伝えたものを参考にしています。

1996DRCのロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、グラン・エシェゾー、エシェゾーのそれぞれのマグナムの6本セットの最終入札価格は、$51,750 だったそうです。

えー、円に直しますと550万円ぐらいということになりましょうか。私はえらい高いなあといういつもの感想になりますが、皆様はいかがでしょうか。いくらDRCの1996マグナム6本セットといってもせいぜい200万円ぐらいではないのーという感じがします。

他のワインの落札価格です。

  • 1995の同じセット: $46,000
  • Chateau Petrus '89, 1ダース:  $16,100
  • Chateau Petrus '90, 1ダース:  $16,100
  • Chateau Petrus '90, 1ダース:  $14,950
  • La Tache '71, 1ダース:  $10,925
  • La Tache '90, 1ダース:  $10,350
  • Chateau Le Pin '90, 6本:  $9,775

もうーいや。なんでもいいから俺にも飲ませろ!(H)

カリフォルニアのピノ・ノワール

2つほどテイスティングレポートがありました。一つはサンタ・ロサで行なわれたものをワインプロのボブ・トンプソンがレポートしているもの。もう一つは、今月のワイン・スペクテータでジェームズ・ローブがレポートしているものです。

カリフォルニアのピノ・ノワールといえば、ずいぶん昔(といっても93年)、カレラだのウィリアム・セルイェムズだのロキオリなどを訪問したことがありましたが、何でここまで有名になってしまったの?という感じがしています。私も年をくっているのだ!

さてボブ・トンプソンの方は、1997年のナパとソノマに限定してのテイスティングだったようですが、1位から順位付けしています。面白いコメントをしています。7人のローカルのテイスターのうち、ロシアンリバーとカーネロスの区別が出来たのは一人もいなかったとのことです。やはりアメリカ人にはワインは無理か?下記がそのときの順位のようです。

  • Saintsbury Carneros Brown Ranch
  • Williams Selyem Russian River Allen Vineyard
  • Acacia Carneros Beckstoffer-Las Amigas、Dehlinger Russian River Valley Reserve、Gary Farrell Russian River、Rochioli Vineyard
  • Carneros Creek Carneros estate
  • De Loach Russian River OFS
  • MacRostie Carneros

3位に固まったようですが、順当といえば順当でしょうね。甲乙つけがたいワインですからねこの辺りのワインは。

さてジェームズ・ローブの方はもっとシリアスなのでしょうか?彼の場合はナパ、ソノマに限定していませんが、同じ1997ですと下記のようになっています。

  • 93点) Rochioli Russian River Valley (以下RRV) West Block, Willams Selyems RRV Rochioli, Willams Selyems RRV Riverblock
  • 92点) Dehlinger RRV Reserve, Rochioli RRV East Block, Testarossa Lucia Highlands Sleepy Hollow, Willams Selyems RRV Olivet Lane, Willams Selyems Sonoma Coast Coastlands
  • 91点) Au Bon Climat Arroyo Grande Talley, Dehlinger RRV, Willams Selyems Sonoma Coast

という感じで、ロキオリ、ウィリアムズ・セルイェム、デリンジャー、ABCなど常連といえばそうなのですが名を並べています。面白いのは、ウィリアムズ・セルイェムは、ロキオリ畑のブドウを使っているというのと、ABCはタリーワイナリーの畑のブドウなのですよね。ブドウをお互い売り買いしているのです。ただ、ウィリアムズ・セルイェムのロキオリは1998年が最後になります。

皆さんはこの「1点の違いは何?」と思われるかもしれませんが、そもそもこの点数付けの方法を知る必要があります。つまり、彼らは色、香り、味わい、総合の大項目に分けてウェイトを決め、さらにいくつかの細かい項目に対して、それぞれたぶん1〜5点で評価をつけるということをやっているはずですので、最後の点数というのは、シグマ(項目ごとのウェイト×項目ごとの点数)という計算式で導かれるものです。従って、あくまで最後の点数は、単に結果ということで捕らえなければ間違うと思います。従って、もしそれぞれのワインに評価が「言葉で」添えられていない場合は、この辺りのワインの品質は「全て同じ」と考えられるべきと思います。好き嫌いはわからないですからね。

時にロキオリ、ウィリアムズ・セルイェムなどが立ち並ぶヒルズバーグのワイン通りの苗畑でガラス羽シャープシューターが発見されたそうです。今のところ大群が押し寄せる兆候ではないということが9月18日Wine Todayで報告されています。(H)

ワイナリーとインディアン

ナパのメルローで有名なダックホーン・ワイナリーは、貯水池を建造する最中にインディアンの遺跡を傷付けたいうことで、訴求を受けています。その場所はかつてはオベスター・ヴィニヤードというワイナリーがあったところですが、当局に訴えた人々によれば、建設中にインディアンの野営地に土砂くずを積み上げていたというものです。

似たような話はどこかでも聞いたことがあったなと思ったのですが、カレラワイナリーでもそうだったのです。水とワイナリーとインディアンというのはどうもうまくいかない関係のようですね。(H)

 

Duca di Salaparuta売られる?

Duca di Salaparutaといえばドゥーカ・エンリコというシシリーで最も品質の高いワインを生産しているシシリー州地方政府が関与しているワイナリーです。Duca di Salaparutaは、ひょっとするとこちらの方をご存知の方が多いのかもしれませんが、Corvo(赤、白)を生産していますし、白のTerre d'Agalaも生産してます。

このDuca di Salaparutaをもろとも民営化してしまおうというのが、今回のシシリー州の措置です。グローバル化する市場によりすばやく対応できるようにするために、民間に経営を任せるべきという判断をしたようです。バイヤーとして名前が挙がってきているのはイタリア勢が多いですが、モンダヴィやガロの名も挙がっています。

というのはつい最近までの話で、9月20日にシシリーの地方政府はDuca di Salaparutaの売却の内容を変更することにしました。これまでの売り出しの内容は、売上が500万リラ以上の会社ならオークションに参加できるというものでしたが、新たな条件では、この条件は450万リラに下がったものの、ワイン産業だけでなく、農業ビジネスを行なっていること、シシリアに活動の拠点を持っていることなどが条件となりました。これはシシリーのローカルのビジネスがコンソーシアムを組めばオークションに参加できる内容にしたのです。これまでの条件でオークションに参加していたグループからのコメントはありませんが、米国勢も含めてイタリアのいくつかのグループは新たな条件を満たさないことになり参加が出来ないことになります。

グローバルを意識した割には、ローカルも意識せざるを得なかったという状況でしょうかね。結果が出るのは早くても11月のようです。(H)

トップレスワインバー

「どこだ、どこだ?そのワインバーは?」
「リヴァプールですよ。」
「どこ?それで」
「イギリスのリヴァプール」
「なんだ。日本じゃないのか」

・・・そうですね。日本でも可能ですかね・・・

「それでどんな話?」
「カークランドというワインバーなんですがね。もともとかつてはえらく有名なパン屋だったみたいですが、落ち目になってきたんですかね、名前だけ残って1975年にワインバーになって、なれの果てというんですか。市の当局に申請したらOKだったみたいですよ。ただ、バーカウンターの中にいる女性だけ見たいですけどね」
「なんだおさわりなしか」
「あのねえ・・・あたりまえでしょ」
「まあそうだな。ワインってのはまだイメージがあるからな。そんなことになったらイメージ丸つぶれだもんな」

・・・しかしストリップではシャンパンというのはありですよね・・・

「・・・」
「おい、どうした?」
「あっ、ええ、それで評判がよくないらしいんですよね。そのバーがある通りの名が『希望通り』"Hope Street"っていう名前らしいんですが、そこの町内会の会長が『旅行者へのイメージを向上させようとしていたのに、全く逆。ここには管弦楽とかシアター目当てに観光客が集まる場所なんだから。』といって、まあ女性なんですけどね、息巻いてるそうです」
「『希望通り』ってのはいい名前だなあ。トップレスで希望をつなぐって?しかし、そこまでならないうちに、身奇麗なうちに引き際が大事だろうなあ」

・・・

9月20日の英国Ananovaが伝えた内容を元に小細工してお伝えしました。(H)

労働者不足のボルドー

どこだ、どこだ?そのボルドーは?いくぞ!

そんなわけは無いですが・・・先先週のトピックでフランス中のストの話をお伝えしましたが、これはそれとは関係がありません。

年々ピッカーになってくれる季節労働者の数が減ってきているようですが、ボルドーでは大変困った状況ということです。このままでは、手摘みが出来ずに機械摘みになってしまうかもしれません。

ボジョレーは収穫が早い地域ですでに終了していますが、8月中旬段階で、8月末までに3万人のピッカーが必要だと騒いでいました。結局は8月下旬にピッカーをそろえることが出来たようで胸をなでおろしている状況です。

この理由は、最近の良好な経済のおかげで移動労働者の数は減ってきていることと、学生労働者も、条件の厳しいブドウ畑は避けて、別の場所を探してアルバイトをやるためのようです。リクルーティングはやっていますが、どうも「来ると言っていたが、来ていない」という状況もままあります。しかもこの状況は年を経るごとにひどくなっていて、ジロンド川全ての地域で深刻な問題となりつつあります。「もしボジョレーから西のボルドーに上がってきてくれなかったら、本当に機械を使わなければならない」という人々もいるようです。

テーブルワインは機械摘みでかまいませんが、名の知れたワインを造るためのブドウの収穫には集まって欲しいですよね。ワイン産業というのは、手のかかる農業なのですよ。(H)

しかし期待のボルドー

うってかわって、ブドウの出来は良いボルドーのようです。Wine Todayから要約してお伝えしましょう。

クリスチャン・ムエックス氏がWine Todayに語ったところによりますと「私はそんな楽観主義者ではありませんが、ことしのワインはアルコール度数も高いでしょうし、凝縮度も究極的に高いものだと思います。多分1959年のワインのような、そして私の人生の中で初めてとなるようなワインでしょう」と言っています。

1959年と言うヴィンテージは、マイケル・ブロートベントによりますと「偉大で朗々とした歌が聞こえるような」ワインです。そして彼によれば「世紀のヴィンテージ」と呼ばれるワインです。

実際今年の天候は1959年の天候に良く似ているとのことで、収穫前の状況としては1996年以来のものです。フラン、マルベックなどの収穫は先週から始まっています。ポムロールのメルローは多分9月25日の週に開始されるだろうとムエックス氏は述べています。「もし雨が降れば、まあ新月が出るときによくあることなのですが、3日間で収穫は完了させる予定です」

他のフランスでは、ラングドック地方では天候のよさも手伝ってすでにレジャー気分の収穫も進んでいます。コート・デュ・ローヌではシラーとグルナッシュの収穫をもうちょっと遅らせようとするところもありますが、すでにコルナス、エルミタージュ、コート・ロティでは始まりました。

ということで、悲観的なトピックと楽観的なトピックが混在のボルドーでした。(H)