Topics&Columns(2001年3月18日)
先週のアクセス数をチェックしましたら、結構激減しておりましてやはりこのような情報提供も皆さん飽きてこられたのかなと感じております。どのような情報を皆さんが望んでおられるかをお聞かせください。
ヴェガ・シシリア
3月13日付フィナンシャル・タイムズ・オンラインからの情報によりますと、ヴェガ・シシリアはアルゼンチンに進出することにした模様。一方アルゼンチンのフィンカ・ラ・アニータとの共同生産は否定しました。(H)
ヴァージンワイン
皆さんはヴァージン・ワイン・ドットコムというのをご存知でしょうか。いわゆるヴァージングループで、ワイン・プラネットを吸収した英国のオンラインワインショップです。
例えば、Antinori Chianti Classico Riserva 1997, Tuscany, Italy は「リッチで繊細なワイン。最もソフトでスタイリッシュなキャンティ」というコメントで8.99ポンドです。ソフトでスタイリッシュという意味は、飲みやすくて洗練されたという意味でしょうか。安いですね。日本では2500円ぐらいでしょうか。以前はアメリカからワインを買うほうが安かったと思い込んでいましたが、最近はそうではないのかもしれませんね。イギリスから仕入れた方が安いかもしれませんね。無論送料は考えていませんが。
アメリカはオークションでの価格は「景気後退」の声が聞こえ始めても価格を継続中です。(H)
「二酸化イオウ混入」-頭痛を心配している人に-
二酸化イオウというのはワイン醸造ではなくてはならないもので、有機栽培ワインと呼ばれるものにも当然のごとく入っているものですが、ラベルにわざわざ書かれているために一時、「ヨーロッパのワインと日本に輸入されたワインの味が違うのはこのせいだ」という説が結構信じられていた時期がありました。今でもワインショップなどで「このワインも二酸化イオウが入っている!」とのたまわっている人は少なくはありません。私自身も3回は経験があります。まあ数年間の中で3回といえば少ないのかもしれませんが、、、
以前私も、「二酸化イオウは二日酔いを起こす」という話を聞いたことがあって、「入れなきゃアいいではないか!」などと思っていたこともありましたが、今では「いれにゃアならん」という全く逆の考えです。ワインをちょっと勉強すればわかる内容です。
しかし二日酔いというか、詳細には頭痛ですが、二酸化イオウが頭痛を起こすというのは実はこれは事実です。アメリカにはワインを飲む人々の0.5%、そして殆どは喘息の持病がある人は頭痛を起こすというデータがあるのです。そういうわけでアメリカではラベルに「二酸化イオウ混入」と書かなければならなくなったのです。
がしかし、健常人の殆どには頭痛は起こさないということですので、ことさら心配することはないのです。まあ、この情報でもって、心配している人を説得してください。(H)
ワイナリー合併・買収・売却の話
消費者にとってはどうでもいい話なのですが、最近多いのでちょこっとだけご紹介しておきます。
ローズモント(豪州)が、サウスコープに買収され、リンデマン、ペンフォールズと同じグループに入りました。これにより、サウスコープは世界第8位のワイン生産者になります。1000万ケースを生産し、売上高は11億オーストラリアドルです。ローズモントは、モンダヴィとジョイントベンチャーをやっています。
ケンダール・ジャクソン(KJ)は、アライド・ドメック(「ビーフイーター・ジン」などの生産者)、ディアジオ(「ギネス」生産者)、ハーディーズなどの買収のターゲットになっています。昨年ベリンジャーとの合併話が浮上したかと思いきや、ベリンジャーが豪州のフォスターに買われたために、KJの行方がどうなるかという関心がありました。
バンクシア・ワイン(豪州)は、タタチッラとセント・ハレットが昨年合併した会社ですが、本年に4件の買収を行なうと言っています。
最後の話は、「それがどうした」という感じですが、新世界の、とくにオーストラリアの合併話はきわめて積極的です。しかし小さなワイナリーを買い集めて、「コスト削減のため云々」というものではないのです。株価経営ってやつですか?見かけ売上規模と利益が拡大すると、株価があがる。しかしブドウをつくる人と、ワインを造る人は全くそれとは関係ない。最近のITインフラでは大規模な事業展開を行なうのに資金調達の意味もありますが、そんなグローバルなビジネスとは全くなじまないオールド・ビジネスですからね。経営陣は単純に株を売ってリタイアすることしか考えていないんじゃあなかろうか。畑の作業員にもストック・オプションを渡してよー。(H)
イギリスのワイン消費について
3月2日づけFinantial Times Onlineの中からお伝えします。先週の記事のなかで、イギリスへのワインの輸出先でもっとも多いのはフランス、だがオーストラリアに追いつかれるかも・・・という内容をお伝えしましたが、これに関連するデータが載っておりました。
2000年の自家消費のワイン市場でのシェアということでしたが、オーストラリア・ワインのシェアは19.5%で、フランスのシェアは23.6%で、1999年から比較すると3%それぞれ上昇と下降ということのようです。2001年も同じトレンドが続くとすれば、2001年には確かにオーストラリアがフランスを追い抜いてしまいますね。
デスティネーション・ワイン・カンパニーのマイク・ポール氏によれば、オーストラリアワインは、かつて不可能と思われていた5ポンドから10ポンドの価格帯のワイン市場(比較的高めのワイン価格帯)を切り崩してきたということです。
またある専門家の言として、イギリスでのリキュールからワインにアルコールの飲料の嗜好が動いているという傾向もあるとしています。「ワインの方が社会的にも受け入れやすいし、長生きするにはワインのほうが良いと信じる人が増えている」との事。ペンフォールズ、ローズモント、ハーディーズ、ジェイコブズ・クリークはポピュラーなのだそうです。
私が別の資料でここ10年間ぐらいのデータを見ますと、イギリスでのワイン消費は下降傾向にあるのですが、専門家達は都合のいいように現象を解釈する傾向にあるのはどこでも同じです。(H)
遺伝子操作(GM)ワインはオッケーだ!(続き)
続きといいますか、先週は途中でしたので、先週分につづけてお送りします。
もし何か隠したいのであれば、ヒジョーにつまらないもののように見せるという手があります。もしあなたが、ECのブドウの遺伝子組み替えについてのルールを調査していた一人ならば、それは良くわかる。指針書、書類、修正その他を見てみると、どうしようもなく退屈で、多分誰も議論をしたがらないだろう。あなたは知らなければならない、そう、彼らは何を隠そうとしているのか?もしあなたがGMワインを飲んでいるのではないかという心配をしているとするなら、その心配はまだ無用だ。まだマーケットにない、もしあったとするなら驚きものだ。しかし5年後にあなたに対して同じように言うことは出来ない。ECは今年の初めに、記憶に新しいが、ある指針を変更した。「ブドウの木の持続性のある生長を促す物質のマーケティングに関する68/193/EEC」というものである。この修正によって、GMが行なわれたブドウ品種が商業化されることになったのである。それ以上に、ヨーロッパの生産者達は、遺伝子交換が行なわれたブドウ品種であるということさえラベルに記載する必要がなくなったのである。
「遺伝子交換」が行なわれたワインということがどういうものなのか、専門家は何をするのか、彼らはどうして今まで何も触れてきていないのか、多くの人々が質問することだろう。良いかもしれない、悪いかもしれない。しかしいずれにせよ、われわれは知らされるべきである。
(先週ここまで)
実はワイン生産国では、遺伝子操作によるブドウの研究はずっと以前から行なわれている。研究のスピードは速くはない。というのもブドウという植物は複雑で、研究者達がコントロールしたいと思っているそれぞれのテーマに関して、いくつもの遺伝子が同時に関与しているためである。また研究者達は種開発会社に所属しているが、畑のブドウは挿し木から育てるために、ワイン業界は興味のある世界であるとは言いがたい。それでも研究者達は、何とかいくつかの病気とか害虫に対して対抗力をつけるための遺伝子を見つけることができた。これが実際に使われるようになると当然ブドウ畑での作業を軽減することになり、貢献度が大きい。
遺伝子工学の推進者達は、もしもシャルドネやソーヴィニョン・ブランなどの品種に対して、新たな特質を後天的に付与することが出来るならば、殺虫剤や化学品はいらなくなるといって、この動きを支持する。畑でのイオウ散布で咳き込む必要もなくなる。そう環境的な側面を改善するために利用する事が出来るのは明らかである。しかしもし、栽培者達が、畑からワイナリーまで搬送する間に変色を防ぐための遺伝子に興味があったらどうだろうか。あるいは、色素とか糖度とか、酸度をコントロールできる遺伝子によりつよい興味があるかもしれない。これらは伝統的に、丁寧なブドウ栽培と、良質なワインメーキングがあって初めて達成できるべきものだ。
推進者達はこうもいう。これまでもワインメーカー達はクローン選抜によって恩恵を受けている。例えばミューラー・トゥールガウのように新たな品種を開発している。これらの品種は、自然状況下で「遺伝子異変」が行なわれたものである。これらは偶然を繰り返すということで達成されたものであり、数ヶ月のうちに結果が見て取れるわけではないと。
しかしながら、この動きに反対する人々は、遺伝子操作がどのように、いつ行なわれているのかということに対しては、あまり興味がない。そうではなく遺伝子操作が行なわれたワインは安全なのかとか、数千年かかってここまで変容をとげてきたブドウの性質を維持できるのかということについて、よりよく知りたいのである。
生産者達は遺伝子操作を行なったブドウから造ったワインには、「遺伝子操作品種」とはつけずに、単に「クローン」とつけようと判断したということで、心穏やかではいられない。生産者達は「消費者を混乱させる」というのである。さらにオーストラリアのワイン関係への投資額の1/4は、遺伝子操作の研究に当てられている。そして、ECは遺伝子交換を行なったブドウで造ったワインに、それを示す表示をつける必要がないと決定した。
これらの問題をオープンに議論したいという人々はかなりの少数派に属するが、過去には「われわれは遺伝子交換が行なわれたワインをそうそう飲むわけにいかない」というビラをヨーロッパ中で配られたこともあった。これらの動きは伝統により深く根ざした、フランスとイタリアでより活発であった。良質で、しかし年によって味わいの変わるワインというのが、人々を魅了したはずである。
しかし伝統のなかにあって、品質に敏感な生産者は問題ではないだろう。彼らが遺伝子操作にそうそう興味を示すはずがない。最も大きな問題は、安価で大量生産が行なわれるようになるということだろう。遺伝子操作を行なうことで、コストを引き下げることになるかもしれない、品種間の違いがなくなるかもしれない、自然の状況に左右されなくなるのかもしれない。そうすると、市場はいつしか二つに分断するのだろう。一つは、安い、遺伝子操作を加えられた、どうしようもないワインで、方や、手造りだが目の玉が飛び出るほど高価なワイン、そしてその中間はない。誰がそんな状況を望むだろうか?
上記は2月24日のヘラルド紙からでした。そうなんですよ、最近わけがわからないのが問題だと思います。生産者は、常に良いワインを目指している人ばかりではないですからね。単に工業製品になればよいと思っている資本主義という怪物に踊らされている人も大勢いますよ。誰がそんなもん飲むかい!(H)
「自国のワインは一番」についての愚痴
ある人の愚痴と質問です。聞いてあげてください。
私の友人の中に、数人の外国人がいます。アメリカ人、オーストラリア人、チリ人、フランス人。ワイン生産国の人ばかり上げていますが、、、不思議なことに、あるいは当然のことながら、自分達の国のワインのことになると、勝ち誇ったように「おれん国のワインが一番だぜ」ということになります。そのときに非常にシャイな私は「何を根拠にそういうことをいっているのだろう」と思いつつも「いいワインもたくさんあるよね」と言っておくことにしています。「どうしてだい?」とか「おまえんとこの何てワインがいいんだい?」などと野暮な質問はしないようにしています。それと「日本にもいいワインがあるよ」とも言わないようにしています。なぜ質問しないか?「おれんとこのワインが一番」なんていう人が「なぜならば」という理由付きでそのようなことを言うはずがないし、「あのワインは美味いからさ」と言われても困るからです。しかし「・・・が一番」ということを言うやからに限って何度も何度もこれを繰り返すのです。そういうときは「あの時へこましといてやれば良かった」とも思うのですが、またしてもシャイな私はニコニコして「そうだね」とごまかしています。
ある日、XX国人の気を良くした彼は、やってきてこう言います。「あのワインを飲んだことあるかい?」、と有名なワインをあげます。私もたまたま飲んだことがあるワインです。私は「あーれーは美味いね」というと、敵は「ね、美味いよね。だからおれっちの国のワインは一番だよ」ときます。しかしそこまで来ると私もちょっと口を滑らせ、「いやそこまでは・・・」といいます。すると「あれ、君はおれっちの国のワインが一番好きだと思っていた」ときます。またまたシャイな私は、「こいつの機嫌を損ねるのはよそう」と思って、「いや、あ、そっ、そうだよ。もちろん」と言ってしまいます。もちろん彼は「そうだよね。じゃああれ飲んだことあるかい?・・・じゃああれは・・・」とつづけ、自分の通ぶりを披露してくれます。駄洒落ではありませんが、私は疲労します。最後まで付き合ってあげると「さすがにあなたも通だ。私と同じぐらいだ。すばらしい」と言ってくれます。ありがたくはありません。「あんたと同じレベルかよ」と自分自身が情けなくなります。
私は彼の「通ぶり」がどこまでエスカレートするか不安です。いや私もいっぱしの通ぶりを披露すれば良いのかも知れませんが、それは私のやり方ではありません。私はどうしたらこのような悪循環から抜け出せるのでしょうか?ワイン生産国出身の彼らに対してどう接していけばいいのかわかりません。教えてください。
あ、「日本にもいいワインがあるよ」と言わないのは、単純に日本には国際的水準のワインがないからです。それは片手の指で数えるぐらいはあるでしょうが・・・「そんなに言うなら日本のワインと、君の国のワインと飲み比べをしよう」といってみたいのはやまやまですが、5本目以降が続かないではないですか。
よろしくお願いします。(自称ワイン通)
皆さん、この多分「自称ワイン通」の方にアドバイスしてあげてください。(H)