Topics&Columns(2001年6月11日)

 

ボルドー一級2000年ヴィンテージの値段

6月6日にデカンター・オンラインとワインスペクテータ・オンラインが伝えております。

今年のVINEXPOに先立ってラトゥール、ラフィットの予定販売価格が発表されました。卸値は一本787フラン(約$102、12000円)の値段となるそうです。昨年に比べてなんと71%の増加。しかし「小売で出てくるときには約225%から250%の値段になっているのが通常」とスペクテータのジェームズ・サクリングが書いていますので、これを参考にする限りは、日本での順当な値段は2万5000円から3万円というところでしょうかね?

しかしこの値段とて50%以下の生産本数をおこなうファーストリリースの価格であって、セカンドリリースの価格は10日の週に発表になりますので、われわれ一般消費者の手元には、加重平均した価格でもって届くということになるのでしょうか。

2000年の先物市場が相当に値上がりしているため、現物も値をあげているのだとか。先週は2000年ワインは高くならないだろうと書きましたが、どうも外れてしまったようです。

えーと、過去10年間で、世の中でこれぐらい値段があがった物品が存在するのでしょうか?1992年3月のワインスペクテータが手元にあったのでめくってみました。1989年のムートンとラトゥールの値段が出ています。スペクテータの価格より市場はやや安いはずですので、これを考慮すると$130が市場価格でした。それと2000年の卸価格の$102に、かける225%とすると$230ですか。約$100ドル、77%の物価上昇率。何じゃコリャ?という感じですね。

ちなみにジェームズ・サクリング氏は「ケース当り$3000に近い金額を払うということになると、これまでの89,90,95,96というヴィンテージよりも高い金額を払うということになる。2000年ヴィンテージは、明らかに96、95よりはベターだ。しかし90、89のように偉大ではない。」とも書いています。(H)

GMワインはオッケーだ(続編)

GMというのは「遺伝子組み替えを行なった(genetically modified)」という意味です。

ちょっと古い記事ですが、5月16日のデカンター・オンラインからです。Jロビンソンが召集して開いたGMブドウについての討論会の模様です。

最後にロビンソンが、「多国籍企業というのは強大ですが、現実にはGMワインがヨーロッパに登場することはないでしょうか?」という質問をしました。

答えは全員「ノー」でした。つまり「登場する」という返事であったというものです。何の意味があってこの討論会があったのかわかりません。「巨大企業に申し入れしましょう」となっていれば面白かったですが。

(英語的には「ノー=登場しない」ですが、この記事のタイトルに「agrees」という言葉をが入っているので、趣旨を確認しています。きわどい。)

(H)

コルクを止める造り手たち

NZのインデペンデント紙のオンライン情報紙「スタッフ」6月8日からです。マールボロ地方の造り手たちがいよいよコルクを使うのをやめて、スクリューキャップを使うようです。

この記事では「一般的に3から5%のコルク臭つきのワインが存在するが、中には30%もの割合でばらつきが存在するワインもある。」としています。昨年のエアーNZワイン競技会での出来事として、ドライ・リースリングのワインの中には32%もの異臭付きワインがあり、MWのボブ・キャンベルが「全く受け入れがたい!」と述べたという内容を紹介しています。

「容器が品質の高い製品を台無しにするのをみすみすと耐えつづけなければならないなどという製品が世の中にあっていいものか。そんなリスクをどうして取り続けねばならないのだ。

「ワイン造りの伝統を云々する人もいるかもしれないが、われわれはNZの生産者で、国際市場でも非常に若い生産者だ。伝統的なバーガンディを造るのとはわけが違う。スクリューキャップでも比較的容易に受け入れられやすいはずだ。ロマンチックな神秘性というものも持ち合わせていない。」というのはジョン・ベルシャムというワインメーカーの話。

「確かに、消費者はスクリューをかぐということに慣れなければならなくなるだろうが、ワインの品質を確保できるとしたらむしろ良いこと。コルクにまつわる何かしらの気取り、はいずれなくなるべき。」というのは、別のワインメーカー、ロス・ラーセン氏の談。

ということで18のワイナリーが一斉に2001年もののソーヴィニョン・ブランから順次スクリューキャップに変更するそうです。マールボロといえばクラウディ・ベイですが、こちらは「今年はやらない。評判をみてから行なう。技術的にはコルクよりはるかに優れているし品質の一貫性が保てる。」とのこと。(H)

ワインファンド良好

ワイン好きの皆さんには関係なくて、ワインに投資している方にはちょっと興味があるかもしれない話が、アジア・プラスとインダストリー・ニューズ・サーチに出ていました。インターナショナル・ワイン・インヴェストメント・ファンド(IWI)が5.5セントの配当を出すそうです。前年同時期に比較して22.2%の上昇ということです。

IWIはオーストラリア証券市場に上場していて、ハーディ、サウスコープ、フォスター何に投資を行なっている会社です。オーストラリアのワイン産業の良好さを物語っているのでしょうか?(H)

サシカイヤから新ワイン

6月7日付けスペクテータ・オンラインからです。

サシカイヤは約50ドル程度のカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、サンジョベーゼのブレンドの新ワインを発売するそうです。セカンド・ワインとしての位置付けで、オーナーであるニコロ・インシーサ・デッラ・ロッケッタ氏の二人のいとこがプロジェクトをリードするそうです。(いとこ?というのも珍しいですね)両方ともブドウ畑を持っていて、2000年以降ブドウをこのワインのために供給しているとのこと。2000年ヴィンテージは2500ケースが生産され、今秋もしくは来春にリリースされる予定。(H)

フェッツァーの話

6月6日にスペクテーター・オンラインにあった話です。

フェッツァーの前オーナーの、ジム・フェッツァーはレイク・カウンティに270エーカーの土地を購入し、そのうち50エーカーでブドウ栽培に使うようです。カベルネ、メルロー、フラン、シラーを栽培するとのことです。フェッツァーは新たなサイトでは、引き続きバイオダイナミクスを実践し、さらに長い台木を使い、いくつかのクローンを植樹するようです。廃棄された自然水のボトリング工場を買い取って、ワイナリーにすることを考えています。2007年からこの地でのブドウをつかったワインを販売することのことです。

メンドシーノの畑は、この1月にブラウン・フォアマンに売り渡しました。フォアマンは、メンドシーノの隣に畑をもち、ジム・フェッツァーのバイオダイナミクス畑に強い興味を持っていました。

サン・フランシスコ・ゲートにあったのはフェッツァー社の話。カリフォルニアの電力事情の問題は既によく知られたとおりですが、フェッツァー社はこれを解決するために、90枚の太陽光発電パネルを設置するようです。5万6千kwhの発電により、優に300万ケースは生産できるとしています。フェッツァー社はまた、環境プログラムにも取り組んでいて、リサイクルセンターを設置することで排出するゴミを大幅に削減したとのこと。

2つのフェッツァー、多分ジムの姿勢なのでしょうが、技術を駆使することで自然の資産を最大限にワイン造りに生かすという、あるいみ最先端の自然回帰的なワイン造り。素晴らしい。これでワインが素晴らしければなにも言うことが無いです。(H)