Topics&Columns(2001年6月17日)

芸術作品で見るワインの歴史500年

6月12日から9月2日までの期間、ナパのヨントヴィルにあるナパ・バレー博物館で、「芸術に見るワインの歴史500年」を開催しています。ワインをテーマにした100の彫刻やエッチングが展示されるようです。出展はすべてスターリング・ヴィニヤードが所有するものです。17世紀に描かれたバッカス神の横には、ピカソの解釈によるバッカスが展示されたりしています。

1000に及ぶ全体のコレクションは、総額800万ドルの費用をかけて改修されたスターリングのワイナリーの内部に展示されることになるとのこと。

6月14日付けブルムバーグ・オンラインからでした。(H)

ボルドー2000年ヴィンテージ(2)

スペクテータ・オンライン、デカンター・オンラインが伝えていました。

ボルドー2000年ものワイナリーからのセカンドリリース価格、ファーストリリースより25%アップとなった模様です。先週102ドルと伝えましたが、それが126ドルとなりました。来週あたりに、スーパーセカンドクラスのワイン価格がリリースされるようですが、ピション・ラランド、デュクリュボーカイユあたりで、1999価格から60%アップの40ドル程度、ランシュバージュ、ピション・バロン辺りで35ドル程度のリリース価格となるだろうとしています。

ムートンのエルヴェ・ベルランド氏は、「この値段は品質だけで理屈付けが出来るものではない。市場からの需要と2000年と言う特別な年代のせいだ。」と述べているようです。(H)

革新のマーケティング

これまでのマーケティングの中には考えられてこなかった手法なのでしょうか?6月8日付サン・フランシスコ・ゲートから要約します。

要約引用:

クロ・デュ・ボアがホモセクシュアル、つまりゲイ、レズを対象とした広告戦略を展開していくと発表しました。「こういったマーケティングはこれまで以上に注目を浴びています。もしも、ゲイ、レズ、バイセクシュアル、性転換者たちのコミュニティにアクセスが出来るとすれば、それは極めて忠実な人々を顧客にすることができるということなのです。他のワイナリーも考えているようですが、現時点ではクロ・デュ・ボアのみが全国的カバーをしているゲイ関連雑誌の読者をターゲットに広告を打っています。」と言っているのは、レズ、ゲイを対象とした広告代理店のアイソスリスの社長、ヴィヴィアン・ゲイ氏。

「過去2週間に受け取ったEメールから判断すれば、広告は大ヒットでした。こういった広告を好意的に受け止めてくれているようですし、何よりワインを飲むようになったとの意見です。」と、クロ・デュ・ボアの親会社であるアライド・ドメクの広告ディレクターであるジョージ・ロス氏が述べています。

また、ワイナリーのマーケティング・ディレクターのラス・ソーロージョン氏は、「レストランからも、広告が気に入ったという評判をもらっていますし、これまで以上のオーダーをもらうようになりました。これまでも、人権団体をサポートするという意味で、わずかではありますが、過去にゲイ市場を狙ったことはありましたがね。ワイン会社がレズ、ゲイ市場を開拓するということに対して、特段の異論は無いでしょうが、そこにエネルギーを注ぎ込むという会社は珍しいとは思います。実は、開拓されていない富裕層に対して、アップスケールな商品を提供するということなので、正しいマーケティングなのです。」

「現在の市場は、経済状況の悪化のために、厳しい状況になりつつあリます。流通量は下がってきています。売上が重要なのは当たり前の話です。いかに良いワインを造っても売れなければ話になりませんよね。」こういうのは、クロ・デュ・ボアのワインメーカー兼副社長のマーガレット・ダヴェンポート氏です。

「ネイムズ・プロジェクト基金」のジュリー・ロード氏は「私達のコミュニティに対して確固たるサポートをしてくれたことで、クロ・デュ・ボアはゲイ・レズ社会で人気を上げることが出来たと思います。クロ・デュ・ボアは社会に対しての貢献によって消費者からの忠誠心を作り上げる機会があるということを証明したのではないでしょうか。」

ネイムズ・プロジェクトとは、エイズ患者追悼キルトのための5万人のボランティアが参加する協議会で、クロ・デュ・ボアはここに対して4年以上にわたって80万ドルの寄付を行なって来ました。キルトはエイズとエイズ防止を教育するために数々の学校に寄贈されています。

ダヴェンポート氏は言っています。「私達はゲイ・レズコミュニティに対して大そうなことをやってきたとは思いませんが、私達のワインのブランド認識が大幅に高まって、さらに忠実な顧客、その多くはゲイ、レズの人々ですが、を得ることができるようになったというのは事実です。ネイムズに対する寄付活動、直接ターゲットにした広告などのこれまでの努力が実ったのでしょう。

ただ、寄付は誰でも良いことだと思います。一方で新たな広告で、これまで誰にも支持されてこなかった人々に対して、その弱みに付け込んだつもりは無いのですよ。そのようなことは逆に気分が悪いではないですか。」

現実には、この広告はゲイコミュニティに対するより直接的な強いサポートです。どうしてそこまで広告が人々をひきつけたかということに関して、クロ・デュ・ボアでは「広告を見ている人々は賢いのですよ。何かしら共鳴するものがあって、自分達に対するメッセージだと受け取ることが出来るのですよ。われわれのワインが良い、とも言っていないし、ネイムズに寄付をしているということも言っていないのに。」と判断しています。広告代理店側は「誠実さを伝えたのですよ。」

引用終わり:

やっぱりアメリカです。結局は極めて巧みなマーケティングだ。それがうまくいっても、いかなくても、コメントは用意されているのです。(H)

ソムリエ不足のフランス

と、全く無関係なワイン錠剤の話。6月14日づけガーディアン・オンラインからです。どうしてこの二つの無関係の話が一つの記事の中で書かれるのか?

引用:
ワインは食事より大きな収入源です。フランスには1200のプロのソムリエが存在しますが、彼らの良し悪しでレストランの利益は決まるのです。最近はフランスでは小さなレストランでも20、30ページのリストを読みこなす「ワインウェイター」に対するニーズが高まっています。しかしワインウェイター協会によれば、よい「ソムリエ」を探すのは1945のポムロールを見つけるほど難しいのです。

協会長のジョルジュ・ペルテュイス氏によれば「現在は1日に一件の割合でレストランからソムリエを派遣してくれないかという要望がきます。まともなソムリエになるためには最低2年間のトレーニングが必要です。お客さんの無知を軽蔑しなくなるためにはね。若くて情熱的な女性にソムリエ志望は多くなっていますが。」

フランス国内での安い給与と、海外でのフランス人ソムリエに対する需要とその給与の高さの違いのために国内からソムリエたちが流出するのです。
引用おわり:

しかしここからの展開は、むちゃくちゃです。「そのソムリエに対する需要も落ち着くだろう、なぜならば2万のワイン生産者達が協力して、赤ワインの健康成分、つまりフレンチ・パラドックスを生み出す成分だけを抽出した健康薬を開発したことによって、ソムリエへのニーズは落ち着いてくるはず。生産過剰状態にあるワインを処分するためにはソムリエは必要ないのだ。」というロジックも信念も無いこじつけになっていて、ガーディアンの記者ともあろう人間がこういう書き方をするのだろうか?と思ってしまいました。

(1)誰がレストランに健康食品を飲みに行くものか!(2)ソムリエに業界のワインの生産過剰状況を解消する責任があるわけが無い!(3)ソムリエはレストランで顧客が、その場での最高の食事が出来るように演出をするものだ!(H)

外務省がワインに使う費用

6月15日付けジャパン・タイムズ・オンラインからです。

外務省は1997年以降1999年までの3年間で4427本のボトルを消費し、3千万円を使ったと発表しました。最高額のワインは1989年のラフィットで65800円でした。市民グループの要求に応じて192ページのレポートを提出したもので、1996年と2000年にはワインは一本も買わなかった。そして外交機密費を使ったわけではないと言っているようです。

1996、2000年に購入していないとしたら、外交機密費で買っているか、外交交際費の中の食費か何かにもぐりこんでいるわけで、この報告の中身が全てではないでしょう。あとラフィットが最高の価格のワインというのも信じがたいわけで、、、まあ言い出したらきりが無いですが。

この数字を使うとすれば一本あたりの値段は6777円ですね。一日あたり27397円ですから、一日4本のワインを購入されていたというわけですか。外務省が買うとすれば、やはり少ないというか、、、私は外交目的という事がはっきりするのであれば、堂々と高いワインをもっと買って良いと思う。こそこそやるからおかしい。(H)

ピアース病に対する遺伝子療法は可能か?

実は5月中旬以降にいくつかのソースで報告がなされています。

ピアース病に関しては、過去のトピックを参照いただきたいのですが、この病気は、シレッラ・ヴィスタトリックスというウィルスで、果実、アーモンドの木々の樹液管をつまらせるというもので、ガラス羽シャープシューターというハエのような昆虫が媒介します。既に数億円とも数十億円とも言われるダメージをカリフォルニアワイン業界に与えています。

5月中旬以降に報道がなされてきた内容は、フロリダ大学と農務省がブドウの木の耐ピアース性を改善するための遺伝子を発見した。新たな解決法として数年後には適用できるというものです。

議論がここで簡単に終わるはずが無く、技術的には解決されるとしても、この解決方法はいわゆるGM(遺伝子組換え)によるものですので、ブドウ生産者から「消費者がGMを受け入れない。市場化できない技術を開発できても、それは解決とは言わない。しかし、遺伝子の調査は、ウィルスがどう機能麻痺を起こさせるのかを理解するのには役立つ。」という声も上がっています。

ではどうするのか?この6月現在今のところは殺虫剤の散布です。こちらの方も住環境、水質汚染などについての影響が議論されていますが、急を要する場面ではいたしかたない状況なのです。南部からきた虫は既に内陸部のフレズノを危機におとしいれる可能性が出てきました。

ソノマでは、業界と環境団体がようやく合意に達しました。いくつかの手法が検討され、最後の手段に化学殺虫剤をスプレーするということになっています。いくつかの手法とは手で虫を取り除く、有機殺虫剤を試すなどです。

最も現実的で、かつ時間のかからない対応策が遺伝子組み替えであり、人々がそれを多用するとすればやはり世の中どこかおかしいような気もします。(H)

ヴィネクスポは大変!

今週末からボルドーでヴィネスクポが開始されています。提供されるワイン100,000本、氷135,000キロ、リーデルグラス30,000個、会場の広さは92,400平方メートル。そして人々が5日間にわたって歩く距離は20キロです。

6月14日デカンターオンラインからの情報でした。大変なイヴェントです。(H)

ニューヨークへ!

現在自らワイナリーをもち、かつてはシャトー・セントジーンにシャルドネを供給していたロバート・ヤングがニューヨーク州のフィンガー・レイクに投資を行なうというニュースがありました。セネカ湖の近くに畑を持つようです。2年間の調査の後にこの場所を決定しました。

「シャルドネ、リースリング、それにピノ・ノワールはフィンガー・レイクスでは良いものができるということがわかってきています。」というのはアンソニー・ロード・ワイン・カンパニー。オーナーのジョン・マーティーニはロバートの友人でもあるようです。

「NYに畑を持つというのは、19世紀にNYで一家がスタートしたということ、友人がいるということ、それから良い投資機会があるということによります。」とロバートは述べています。

フィンガー・レイクスの畑のコストは、エーカー当たり2000ドル、これに比較してロング・アイランドでは20,000から40,000ドル、そしてナパでは200,000ドルとのことですので、可能性が確認できればそれは安い投資なのかもしれませんね。

フィンガー・レイクスにはピアース病のせいもあってかカリフォルニアから投資機会を求めてやってくる人々も結構いるとか。

ワインビジネス・コムとスペクテーター・オンラインで伝えていました。フィンガー・レイクス。ちょっと目を離せません。しかし飲んだことが無いぞ、まだ!(H)