Topics&Columns(2001年6月24日)

クレディ・アグリコールによるインターネットのワイン市場

6月19日のLa Tribuneというフランスの新聞(?)からの抜粋としてフィナンシャル・タイムズが伝えているところでは、7月からクレディ・アグリコール・オルターナティブがインターネットのワイン市場をつくるというニュースがのっていました。クレディ・アグリコールといえば、日本では農協の親玉である全共連のような存在で、かなり大きな力をもっている銀行です。

記事が抜粋なので詳細がよくわかりませんが、先ごろ始まったボルドー一級の先物市場やイギリスのボルドー・インデックスの話がのっていましたから、単なるオンライン・ショッピングではないとは思いますが。こういうのって、日本の市場になんらかの影響はあるのでしょうか?(N)

インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・アウォード

今年のボルドー・ヴィネクスポでのインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・アウォードは、新世界ワインが独占しました。

まず、南アのボランド・ケルダーが、ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー、ベスト・サウス・アフリカン・プロデューサー、ベスト・カベルネ、ベスト・シラーズに選ばれ、Vergelegenのボルドーブレンドがブレンド部門のトップになりました。

ニュージーランドからは、マッド・ハウスがベスト・ソーヴィニョン・ブランに、オークランドのバビッチがベスト・リースリングにダニエルNo1がベスト・スパークリング、エイタスランギ・ピノ・ノワール1999がベスト・ピノに耀きました。

また、E&Jガロのステファーニ畑 1997がベスト・シャルドネに、カナダのイニスキリンがベスト・アイスワイン、ゴンザレズ・ビアスがシェリー部門の特別賞を受賞しています。

このインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ競技会の会長はアメリカのスタッグス・リープのウォレン・ウィニアスキー、副会長はバロンヌ・フィリップと、授賞式の日に88歳の誕生日を迎えたロバート・モンダヴィです。

ボルドーで新世界ワインが賞総ナメのようにうつりますが、これは新ワインの登竜門という位置付けなので、名の売れたワインには、むしろリスクを冒すことになりますのでここには登場しないのです。(HN)

ローヌからコトー・ド・セイシュル

「レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ」はイヴ・キュエロン、ピエール・ガイヤール、フランソワ・ヴィラールの、それぞれが良く知られたワイン関係者である三氏が集まって作った会社です。

かつてはコトー・ド・セイシュルというのは、コート・ロティと同様のワイン生産地でした。しかしフィロキセラの影響で壊滅しました。しかしコート・ロティと異なり、ややヴィエンヌの北部に位置するセイシュルの畑は全く再興されませんでした。しかし先の三氏はローマ時代にセイシュルに植樹した木でヴァン・ド・ヴィエンヌというワインを生産し、当時は知名度があったという事実を知って、このベンチャーを起こすことを決めたのです。

南西斜面に細く南北に伸びる62エーカーは、強風が吹きつけのいね夏場は乾燥し暑くなります。現在62エーカーの半分ほど植えられた木々は殆どがシラーで、有機栽培によって育てられています。

1999年物が初出荷。「ソタヌム」という名で1500ケースが生産されました。このレ・ヴァン・ド・ヴィエンヌは、ネゴシアンもやっていて、樽で仕入れて再販を行なっているものがエルミタージュ、コルナス、クローズ・エルミタージュ。他に自分達で醸造したワインとしてコート・ロティ、コンドリューも販売しています。全てワイン・スペクテータでは90ポイント以上がついています。

6月15日ワインスペクテーターからでした。「古きをたずねてベンチャーを興す」という姿勢は良いですね。(H)

偽ワインを防ぐ方法

相変わらずオーストラリアでは偽ワインが多いようです。

ハーディは、最もハイエンドのワインである「アイリーン・シラーズ」にある手法を使って偽ワインの売買を防ぐ事にしました。マクラーレン・ヴェールの125年の樹齢をもつブドウの木の「DNAサンプル」をインクにしみ込ませるのだそうです。そのラベルは首に巻かれ、DNA自体は特殊な装置がなければ判別つかない。そしてコピーが不可能なのです。

アイリーンはまだ、グランジほどのコレクター要素はありませんが、「ワインは投資案件として極めて人気が出てきているのために、偽ワインが横行するようになった。」とハーディのワインメーカーのスティーブン・パネルが述べています。アイリーンは年間3000から6000ケースが生産されています。このDNAラベルつきワインは1998年ものからの発売だそうです。

6月21日付ヤフー・ファイナンスと24アワーズからでした。実のところ記事だけでは、どうなっているのかわけがわかりません。しかし投資家を安心させ、投資価値を高めるためのDNAの新たな使い道ということで新しいです。ワインの中身は変わらなくてもワインの値段も上が上るだろうなあ。1997プラムジャックリザーブのように。(H)

新たな代替コルク

フランスのコルク生産者が新たな代替コルクを開発しました。これは現実にはコルクを使いますが、そのコルクにシリコンのカバーをするというものです。バランジュとプレトー・ブルジョワという二つの会社が共同で開発したものです。政府の承認には、これから3年ほどかかるようです。100%補償をうたって販売するそうで、そのためにアクサの保険を買うつもりとのこと。

6月19日のフィナンシャルタイムズ・オンラインからでした。コストが問題でしょうね。コルク生産者としての生き残りをかけて考え付いたものですね。しかし単純にシリコンコルクを生産するより高くつくような気がするのですが。(H)

ダイ・ハード/ワイン・ドット・コム

ワイン・ドット・コムその後の話がいくつかありました。

まずは6月21日ザ・プレス・デモクラットからです。ワイン・ドット・コムは200億円を越えるキャッシュを使い切って4月に倒産しましたが、その物流部門の副社長であったキャスリン・シューマッハは、ワイン・ドット・コムに買収される以前のワインショッパーズ・ドット・コムで導入する予定で、結局陽の目を見ることが無かった物流システムをつかってコンサルティング・ビジネスを行なう様です。現在資金調達の真っ最中で、8月ごろにはNew Vine Logisticsという会社を立ち上げるとしています。

3年間で数10億円をかけて完成しなかったこの物流システムは、既存の卸の流通にかぶさる形で膨大なデータベースの上に構築され、ワインの流れをトラッキングし、収めるべき税金を徴収することが出来るようになっていて、唯一全米全州にワインを配送できるというシステムでした。ワイン・ドット・コムは、Eヴィンヤードが部分買収しましたが、この作りかけで放置されていた物流システムは「複雑すぎる」ということで買取しませんでした。

シューマッハ氏は以前DHLの副社長でしたので、「沈没する船から救出した、すばらしいシステム」と自らが讃えるシステムで再起を狙うようです。

こちらも同じソースからですが、ワイン・ドット・コムは借入金の弁済のために、家具調度什器を全てオークションに出しました。オークション先は、オークショネット。オークショネットのページを参照すると、ハーマン・ミラー・エアロン椅子が100脚、デル・IBMのノートブック・パソコンが山ほど、その他にサン、シスコ、HPなどのサーバー、ルーター、プリンターなどもある、そしてデザイナー・ブランドの家具調度品、テレビ、電子レンジ、電話システム、冷蔵庫など全1698点のリストが出ています。最も多いのはやはりコンピュータ関連機材のように見えます。既に金曜日にオークションは行なわれました。

ワインは?ワインのオークションは7月28日ナパのシャルドネ・ゴルフ・クラブで開かれるそうです。10億円超の価値のあるワインが開始価格「仕入れコスト」で行なわれるとのことです。ペトリュス、5大シャトーも入っているとのこと。ご興味ある方はwww.auctionet.comにアクセスしてみてはいかがでしょうか?

Eヴィニヤードが買ったのは、顧客リストとウェブだけと言われましたが、本当にごく一部だけだったのですね。(H)

どこへ行くのかDOC?

DOCというのはイタリアの格付け制度。信憑性が低いということで知られた格付け制度です。「失礼な!」といわれる方もいらっしゃるでしょうが、仕方ないのです。その理由は、しょっちゅう格付け規定を変更したり、エリアを拡大したりするからです。6月18日付けのスペクテータ・オンラインに、またしても変更されるかもしれないという話が載っていました。

トスカナで最も優秀なDOCGはブルネッロ・ディ・モンタルチーノですが、格付け条件の変更が検討されていて、それに対してバンフィが怒り、地元の生産者協会から離脱したという話です。

検討されている変更とは、樽熟成期間です。これまで樽熟成は2年間行なわなければならないというものでしたが、これを1年間でよいということにしようというものです。生産者達の意見は、よりフルーティーになるだとか、大樽ではなくて小樽を使うようになってきて短期間で酸化が進むため、などとしています。

しかしながら、この期間条件は1995年に3.5年から2年に変更したばかりであり、もし再度変更が行なわれるとするならば6、7年しか経過しないうちにそれを行なうということになります。

これでは信頼性が下がるのは当前です。なぜならば、より多くのワインがブルネッロと呼ばれることになるからです。かつてのブルネッロ以外のワインがブルネッロと認定されるわけですから、「ブルネッロ」という名前に対して信頼をおくことは出来ません。スペインの様に、熟成度合いで呼び方を変えるようにしたらどうなのでしょうか。つまり「リゼルヴァ」「スペリオーレ」という呼び名を使ったら「熟成XX年超」ということ明確に規定するということは出来ると思うのですがね。

しかし本当の理由は、競争が激しくなったために、とくに中小の生産者はこれまでより生産効率、資金効率をあげていかないと経営そのものが立ち行かなくなるということなのでしょう。つまり熟成期間は全体的に短くしたいということだと思うのです。経済原理を生かすために伝統的なブルネッロの味わいが廃れていくということにならなければよいですが・・・(H)