Topics&Columns(2001年7月1日)
ヴーヴ・クリコ、いたずらメールに対抗?
6月26日のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事によると、ブーブ・クリコは何年もいたずらメールに悩まされています。これは、10人の友人にメールを送り、そのコピーをブーブ・クリコ宛てに送付するとシャンパンがあたる、という内容です。メールアドレスを集めるために会社が行なっている行為だと疑ってしまうもので、ブーブ・クリコ側は自社のホームページ上でそのような事実はない、という説明をしてきました。
しかし、ここに来てメールが広がりを見せてきたことで、積極的にこのいたずらメールを駆逐するキャンペーンを行なうことになりました。
それは、本当にシャンパンやフランス行きのチケットがあたるというゲームをホームページ上で行なうという企画です。Clic Clicquotクラブに会員登録をした会員にメールが送られ、キャンペーンのお知らせをしています。クリコのホームページをチェックしましたが、このクラブ会員登録はアメリカおよびハワイに在住の人しかできないものでした(残念!)。
しかし、これでいたずらメールが駆逐されるとは思えません。逆にますます弾みをつけてしまうのでは?と思うのですが。(N)
パーカーは南オーストラリアが気に入っている!
最初はこの記事のタイトルは「南アが気に入っている」に見えたのでしたが、オーストラリアでした。南アはSouth Africaで南オーストラリアはSouth Australiaで、それぞれの国のパブリッシャーがそれぞれの国のことについて言うときは両方とも「SA」になってしまうのです。
パーカーが南オーストラリアを気に入っているのであれば、「そうだろうな」で終わってしまうかもしれませんが、、、
最近彼は2週間の休暇をオーストラリアで楽しんだそうですが、バロッサではバーグ・ワイナリーを訪れてテイスティングをしました。バーグ氏曰く、「車ががちょうにぶつかってしまったように」驚いたとのこと。
「バーク、ウォーフ、ヴェリタスの連中は自分達のワインは殆ど世界でもトップクラスだということを理解しているのだろうか?」
「グランジはお気に入り、パーカー・ファースト・グロースは驚きのワイン、ペンフォールズBin707は信じられないワイン。」
「リースリングがあれほど良いワインになるとは考えられなかった。ポーリッシュ・ヒルは素晴らしい。」
ジ・アドバタイザーにパーカー自身が語ったものです。6月29日版に掲載がありました。リップ・サービスはあるとは思いますが、彼はバロッサは好きな筈です。(H)
Wine Todayはどこへ行く?
最近Wine Todayのウェブ(http:://www/wintoday.com)にアクセスしますとアップデートがされていません。さまざまなワイン関連情報のアップデートは既にやめたと思われます。ワイン・ドット・コムに情報を提供することになり、さらにニューヨークタイムズの一部として吸収されたWine Today。多分終了間近でしょうか。(H)
フランスワインは売れなくなった英国
過去に何度かお伝えしたこともありますが、英国市場でのフランスワインの売れ行きはひどいようです。最近はイタリアワインにも負けているようです。
ザ・タイムズが6月29日にフランスワインを評している内容をご紹介しましょう。
引用:
『アペラシオンがわかる』とのたまうような人は既に本を書いている人だろう。複雑で矛盾だらけで、これを紐解くというのは多くの地雷が設置された野原を歩くようなものだ。結果として、外国人にはだれも踏み込めない修羅場と化している。
古めかしいラベルにあれこれと書き散らかした情報の中で唯一わかる情報といえばアルコールの強さだけだろう。いずれにしても本を調べまくるつもりがない人に待ち受けていることといえば、くだらないワインを選んでしまうということである。
「シャトー」という言葉一つとっても、国際的に有名なワイナリーであることもあれば、空っぽの掘っ立て小屋とかニワトリ小屋であることもある。「グランクリュ」といえば、ブルゴーニュでは特別の意味があるが、愛好家の側がグランクリュは何たるか、そしてそう呼ばれている畑を諳んじて言えることが期待されているわけである。他の地域でグランクリュといえば、古いワインのことだ。フランス農務省によれば、販売が落ち込んでいるのはボージョレーだという。それはボージョレーの中で最も優れた10の村名は、それだけではボージョレーであるということを消費者が理解できないからではないのか?ボージョレーという名は、馴染みのないシルーブルだの、ムーランナバン、ルジエなどという字に隠れるように書かれている。
これに対して新世界のワイン生産者は、消費者に対して、ワインのスタイルだとかフレーバーだとかを伝えられるだろうということでブドウの名を記載するというアイデアを思いついた―シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ガメイなどなど。フランスの生産者にとって、それは「のろわれたもの」だ。ボージョレーというのは、ガメイの代名詞、そういうことを書かなくても、消費者は知っているものだと期待されている。
それに新世界の生産者がつけるブランド名は、記憶しやすい。「デッド・アーム」だの「ローン・ガム」のような名や、生産会社の名、ヴィンテージの名前などがそのままついている。フランスワインのラベルには、村名、畑名、地域名、生産者個人の名などがついている。そして同じ性をもつ人々が同じ村内に少なからず存在する。素晴らしいワインを生産する人間である場合もあるし、そうでない場合もある。
イタリア人は、隣人の階級を厳格に守るというシステムに悩まされながらも、ある程度の自由度がある。例えば「スーパータスカン」、フランスのベスト・シャトーと向こうを張るぐらいの存在となってきたが、単語でブランド名を表現する方法を取ってきた。例えば「サシカイヤ」とか。そしてマーケティングでも「高いヴィノ・ダ・タヴォラ」という売り方をしてきている。
新世界ワインのラベル上のメッセージは明確だし、人類みな平等的でときに魅力的な名をつける。専門家しかわからないような微妙な何かが詰め込まれていないのだ。必要な情報があり、モダンなデザインであり、ボトルに目をひきつけようという努力をしている。
時として受け入れがたかったり、ばかげて見えるワインもある。「ボナーダラマ」というワインがあった。アルゼンチンのボナーダ(というブドウで造ったワイン)がおいしく聞こえるようにした。(松元注:ラマというのはマリファナのこと)「チリ・コン・カベルネ」というワインがあった。これはそのままである。(松元注:コンというのは、スペイン語でwithの意味)オーストラリア人が造ったハンガリーワインで「ハンガルー」というワインがあった。(松元注:ハンガリーとカンガルー)「キャッツピー・オン・ア・グースベリー・ブッシュ(グースベリーの茂みの猫のおしっこ)」は大失敗だった。
人目を引くだけのラベルをつけたとしてもすぐに品質の低いワインだということがわかるが、情報を伝えるというより人を悩ますようなもったいぶったラベルは、人をわなにかけようとしているようなものと思われても仕方ないのではないだろうか。
引用終わり:
書いたのはロビン・ヤング。英国人らしい毒舌です。ワインのことは何事につけても「上品に言わねばならない」というのは日本人だけのような気がします。(H)
あるオークションの話
ザッキーズの6月21日のNYオークション。これまでのザッキーズの中で最低の売却率でした。738ロットの66パーセントしか売却できなかったのです。社長のドン・ザカリアによれば「2000年のシュヴァルブランは、まだ出たばかりでどんな値段でもありえるわけだが、私に対してケース10000ドルのオファーしてくる業者もあったりした。それなのに1961年の予想値が4800から6000程度のものに価格がつかないなどというのはおおよそばかげている。」
買い手が見つからなかったワインにはフォンセカ・ヴィンテージ64、サシカイア96、ガイヤ96、ムートン96、ドミナス97、オーパス97など。売却されたものの価格も82ラトゥールが6000から8000/ケース。95のランシュ・バージュが633/ケースで、スペクテータ・オークション・インデクスの28%下落、90ロマネコンティ・マチュザレムが36800で同インデクスの15%未達という結果でした。
上記は26日ワインスペクテーター・オンラインと、25日デカンター・オンラインからでした。6月のオークションは良かったらしいので、今月の結果だけを見て、景気の悪さを反映しているとはいえないでしょう。それから既に先物は販売されているわけですが、10000ドルという話はうそっぽい。他を安く見せようとするセールストークか、株主を意識した説明文句です。(H)
ただボルドーの”000”が欲しい
ヴィネクスポの最中に2000ボルドーの先物価格のワイナリー出荷価格が報道されたわけです。良かった年という以外にトリプルゼロのヴィンテージということが重なって各ボルドーのワイナリーは強気に出たということになるのでしょう。
ベンジンガーのマイク・ベンジンガーは「コレクターとしてボルドーの2000年は欲しい。」と言っている様で、例年は一級は全て3ケースづつ購入していますが、「値段が高そうだし、6本づつにする。」さらにつづけて「ワインメーカーとしては、ボルドーのワインの値段が高くなるということはいいこと。というのは自分達のワインが安く見えるから、輸出が増える可能性だって高くなる。」とも言っています。ケークブレッド・セラーのジャック・ケークブレッドは「シャトーオーナーのビジネスセンスには敬服する。高くったって需要があるんだからね。われわれも恩恵を受ける。波が高けりゃどの船だって高いところにいける。」
前段も28日のスペクテーター・オンラインからの情報です。他のワイン生産者が恩恵を受けるという観点は見逃していました。ジャック・ケークブレッドが言っていることは「便乗値上げする」と言っているようなものではないですか。「顧客離れを起こすようなことは言わない方が良いし、しないほうが良いよ」と私は忠告したいです。
ちなみにエノテカの販売価格は、海外での先物より殆どが安い値段でした。とくに既に売り切れの一級は極めて安い価格であったと言っておきます。海外はマグナムの先物も出ているところもありましたが。(H)
サンタバーバラ危うし(ピアース病)
ピアス病を媒介するガラス羽シャープシューターがサンタ・バーバラ地区に現れました。6月27日のヤフー・ニュースが伝えています。
現れたというより、すでに一部には感染が始まっているということです。どうなるのか。(H)
2000NZ産ソーヴィニョン・ブランはどこへ?
2001年のNZの天候は、重たい品種(カベルネ、メルロー、シャルドネ)は今ひとつだったものの、ピノ・ノワール、リースリング、ソーヴィニョン・ブランなどは良かったようです。
しかしトリプルゼロのとくにソーヴィニョン・ブランについては、入手が困難だそうです。イギリス、アメリカでとくに少ないと28日のデカンター・オンラインが伝えました。
日本ではどうですか?
インド産ワインがフランスへ輸出?
24日付ヤフー・アジア・ニュースが伝えています。バンガロアにあるグルーヴァー・ヴィニヤードはなんと5万ボトルをフランスに輸出するそうです。社長のアベイ・ケワガー氏は「インドの会社がフランスにワインを輸出するのは初めて。来週頭に船がでる」と語りました。
ニュースによると、インドのワイン市場は200万ユニット(このユニットというのは多分ケースのことだと思いますが、はっきりしないのがインドらしい)で、年率なんと20%の勢いで市場が膨らんでいるとのこと。unorganized marketと言っていますので、正確かどうかはうかがわしいですが、日本への輸入実績が過去10年間では年率10%を越えている事実を考えればありえる話です。
グルーヴ社は、89年に操業を開始しましたが、現在30万本のワインの生産能力を保有しています。おおよそボルドーの特級シャトーと同レベルです。今後も生産拡大を考えているとのこと。
インド駐在の方、どういうワインですか教えてください。しかしやはり世の中変わりますよね。未開の地はブドウ畑に変わっていく・・・(H)