Topics&Columns(2001年7月29日)

ワインの新ブドウ品種

7月25日付けのサクラメント・ビーの記事。

アメリカでは、消費者の目先を変える戦略か、新たなブドウ品種をワインとする動きがあるようです。ニュースになっていたのは、これまでレーズン用のブドウだったブラック・コリンス。これでデザートワインをつくって売り出そうとしたところ、ブドウ品種が登録されていないということで当局から却下されていて承認待ちの状態といいます。このワインを売り出そうとしているのはHallcrestという年産5000ケース以下の小さなワイナリーですが、できばえはなかなかなようです(ワイナリー側の主張なので本当かどうかわかりませんが)。

その他、承認待ちのブドウはFianoというイタリア原産の品種。アメリカではワイン品種と認められるにはいろいろと手続きが難しいようです。しかしそんな必要があるのか?はなはだ疑問ではありますが。(N)

ラビット・リッジ訴訟の行方

興味のない人もたくさんいらっしゃると思いますが、訴訟の話です。以前、ラビット・リッジがソノマ郡から訴えられているという話を載せましたが、一応、ワイナリー側が50万ドルの和解金を支払って決着したようです。ラビット・リッジはソノマでの生産許可を求めていますが、どうやら情勢は不利のよう。

この訴訟、もともとラビットリッジの周りから「うるさい」と苦情がでたことに端を発しています。よく調べてみると7つのビルを許可無く建設し、法的な生産量をはるかに超える29万ケースを生産していたことが発覚し、水やゴミまでが問題視されたものです。急激な需要の拡大、それにともなう生産拡大があだになった形です。ラビット・リッジはパソ・ロブレに新たなワイナリーを作って再起を図ります。(N) 

ソノマで開かれた「ソムリエ・サミット」

アメリカのトップ・ソムリエ60名を招待して、ソムリエ・サミットなるものがソノマで開かれました。なかなか面白そうな企画です。スポンサーはQuintessa, Simi, Estancia, Mount Veeder, Veramonte and Ravenswoodなどをかかえるフランシスカン・エステートです。

3日間のプログラムでは、畑のツアーやテースティングに始まり、AVAごとの飲み比べや、自分の選んだワインを審査員や同僚たちの前で発表する「ソムリエ・チャレンジ」、チームに分かれて新商品開発シミュレーション(ワインをブレンドして自分達で新たにワインを造り、そのマーケティング・」プランを発表する)、ワインリスト作成競争などが行なわれました。ワインのブレンドに関しては、ミッシェル・ロランじきじきにブレンド方法などを指導、コメントしてくれるというなかなか本格的なもの。そしてチーム対抗の樽転がしやイースト発酵競争など、日ごろは体験できないワイン造りの一端に触れる催しで盛り上がりました。

何でも娯楽にしてしまうところは、さすがアメリカという感じでした。日本でも消費者向けに同じような企画があれば面白いのではないかと思ってしまいました。(N)

アンティノリ・ファミリーの新たなワイナリー

ロドヴィコ・アンティノリといえば、かの有名なオルネライアの共同所有者ですが、もとはマルケジ・アンティノリというイタリアでも伝統ある一族の出身。かつて意見の違いから家を飛び出し、オルネライアを造りましたが、再度ファミリー共同でワインを造ることになったと、ワイン・スペクテーター・オンラインが7月25日の記事で伝えています。

マルケジ・アンティノリの現在の当主であるピエロ・アンティノリと弟のロドヴィコ、それに甥であり、パリで騎手をしている甥のニコルの3人で、ビボナという町に150エーカーの畑を借り、生産をしています。

ワイナリーの名前はCampo di Sassoで、カベルネ・ソーヴィニョンが20%、フランが40%、メルローが40%というブレンド。スタイルとしては「オルネライアやグアド・アル・タッソと同じような」ものを目指しています。最初のヴィンテージは2005年で2007年に8000ケースがリリースされる予定ですが、生産量は最終的に2万程度を目指しているといいます。

先日、92年のオルネライアを飲みましたが、パワフルで非常にすばらしいワインでした。まだまだいける感じでした。パーカーは100点をつけていました。(N)

 

樽町ワイン会の飲み会ワイン

 

7月28日は、自由が丘にあるオステリア・ラ・フェスタというイタリアレストランで飲み会でした。

この日のワインは、もっと料理とのマッチングを考えても良かったのですが、なにせイタリアワインの在庫があまりなかったのと、早く出したいワインがあったのと、アメリカははずしたくなかったのと…そういった自分勝手な理由により、下記のワインを出してしまいました。しかし、すべてのワインの出来がよく、当たりばかりで私が驚いてしまいました。宴の方もハイピッチで進み、結構盛り上がりましたが。

1.Schramsberg Blanc de Blanc 1996
  アメリカ、カリフォルニア、ナパ
  品種)シャルドネ

しっかりとした酵母と揮発酸がありパワフルな香り。口当たりは滑らかだが、泡は大きめで、酸も大きめ、余韻は長くはない。割にすんなりと楽しめるワイン。

2.Chablis Fourchaume 1998, Dom. de Chantemerle
  フランス、ブルゴーニュ、
  品種)シャルドネ

オイリー感があって、蜜、赤りんご、かすかなシトラス系の香りとフレーバーで、透明感の高いシャルドネで上品なワイン。

3.Chardonnay Oliver's Vineyard 1998, Talley
  アメリカ、カリフォルニア、セントラルコースト
  品種)シャルドネ

驚きのワイン。フレーバーがパワフル。パイナップル、ライムのようなシトラス系の華々しい香りはやや奥に引っ込み、ナッツ、ローストなどの香りが出てきた。以前はなかった。オイリー感があって、まとまってくると非常によい。

4.Chevalier Montrachet Les Demoiselles 1991, Louis Jadot
  フランス、ブルゴーニュ、ACシュヴァリエ・モンラッシェ
  品種)シャルドネ

オフヴィンテージだったが、ヨード香も出ておらず、しっかりとした特級の味わいがある。当然だがアメリカのワインのように突出したフレーバーはないが、ミネラル、ナッツ、バラ、木犀などのフレーバーがあり、そのしなやかさと複雑さは「他の人には飲ませたくない」ワインだった。

5.Morey St. Denis - Les Herbuottes 1997, Frederic Magnien
  フランス、ブルゴーニュ、ACモレサンドニ
  品種)ピノ・ノワール

偉大なるブルゴーニュの片鱗を見せる。十分とは言わないまでもマニエンのモレサンはさすがと思わせる。官能的な香りとフレーバー。しっかりした酸味と凝縮感のあるジューシーなストロベリーとブルーベリー。余韻も長くすばらしい。参加者にはピノ・ノワールが好きな人はあまりいないのが残念であった。

6.R & R 1988, Castello di Gabbiano
  イタリア、トスカナ、ヴィノ・ダ・タヴォラ
  品種)カベルネ・ソーヴィニョン/フラン、サンジョベーゼ、メルロー

多分サンジョベーゼが多いのか?しっかりした酸味と梅のフレーバーがよい。フルーツで効かすワインであるが、ヴィンテージワインのためかタンニンが強く、まだ練れていない感じがある。多分オルネライアとの比較で負けてしまった。独特の梅の余韻が残るワイン。

7.Ornellaia 1992, Antinori
  イタリア、トスカナ、ヴィノ・ダ・タヴォラ
  品種)カベルネ・ソーヴィニョン/フラン、メルロー

スパイス、凝縮感のあるカシス、ほのかな梅、ローストなどのフレーバーと、しっかりとした酸味、出来上がった繊細なタンニンのバランスがすばらしく、かつパワフルで複雑実もあり、ほとんどパーフェクトの状態でオープンできたワイン。イタリアらしいカベルネの味わい。このような状態のオルネライアは初めてだった。「ワッ」声があがるほどもっとも評判が高かった。わかりやすかったかもしれない。

8.Cinq Cepage (サンクセパージュ) 1996, Ch. St. Jean
  アメリカ、カリフォルニア、ソノマ
  品種)カベルネ・ソーヴィニョン/フラン、メルロー、プチ・ベルド、マルベック

2000年のスペクテーター誌のワインオブザイヤー。色はまだまだ黒い。香り、フレーバーとも予想通り、弾丸のようにきわめてパワフルで果実の凝縮感が強い。オルネライアなどと比較すると歴然とするのが、カリフォルニアは残糖度が高い。タンニンも十分な割には突出した感じがないので、今飲んでも非常に美味。荒削りな印象はあるが現時点で文句のつけ様がないワイン。

9.Ch. Lafite Rothschild 1991 magnum
  フランス、メドック、ACポイヤック
  品種)カベルネ・ソーヴィニョン/フラン、メルロー、プチ・ベルド、マルベック

オフヴィンテージのラフィットのマグナムということで期待半分、不安半分。しかし不安はグラスに注いだ途端になくなった。人のグラスに注いだワインが芳しく感じられたといえば十分かもしれない。すでに熟成しつつあり、ベリー香、ロースト香、燻製香、ハーブの香りがすばらしく、口に含むと果実の凝縮感がある。タンニンはこなれていて、しっかりした酸味はベリーとハーブのフレーバーとうまくバランスしている。余韻も非常に長い。本日のワインの中では最も広がりを感じさせる偉大さを持ち合わせ、複雑で上品なワインであった。