Topics&Columns(2001年9月23日)

スペインは新しい

ワインスペクテーター・オンライン9月21日号に長いニュースが載ってっておりました。アルヴェロ・パラシオの話題です。

要約引用:

アルヴェロ・パラシオスといえば、このスペクテータ評で、1995プリオラート・レルミータに97点を与えたワインを造った人物。そのポイントはスペクテータがスペインからの新リリースワインに与えたポイントとしては最高のものであった。その人物は、今度はビエルソで新たな挑戦を始めようとしている。

パラシオは現在37歳で、リオハのワイン一家ボデガ・パラシオ・レモンドの出身である。20代でフランスのクリスチャン・ムエックスのもとへ送られ、ペトリュスとトロタノワで勉強した。スペインに帰国した際には、一族を離れ、バルセロナから南方にあるプリオラートで自らのワインを造ることにした。世界に通用するような際だったワインを造りたかったのだ。そして結果としてそこで成功したのだった。

今度は甥のリカルド・ペレスと一緒に新たな事業を始めることにした。リカルドは現在25歳、同じようにボルドーで学んだ。パラシオと同じようにムエックス家のシャトー、それにシャトー・マルゴーで学んだ。

「全く違うことをやりたいのです。ここなら確かだと思える場所を選びました。ここなら自分達が大好きなワインを造れると思います。芳醇で強烈、しかし繊細さも持ち合わせていて一貫性のある品質で・・・」とパラシオは語る。

1998年にこの新規事業は始まった。ヴィラフランカ・デル・ビエルソにワイナリーを買った。最近新たにプロジェクト名を付けた。デセンディエンテ・デ・J・パラシオ(J・パラシオの子孫)という名だ。J・パラシオは2000年になくなったアルヴェロの父、そしてリカルドの祖父の名である。

先ごろデセンディエンテは二つのワインをリリースした。両方とも100%メンシア種である。「ビエルソ・コルヨン1999」の名で登場したワインはパラシオの器用な手さばきによってユニークな味わいに仕上がっている。カシス、オーク、野生ハーブのフレーバーがバランスを保ち、こまやかなタンニンがある。ワインの名はブドウが収穫される3つの畑の名前である。樹齢は古く60年から100年をへた木々である。このワインは660ケース生産された。

二つ目のワインは、単にDO「ビエルソ」のワイン。近隣の生産者から購入したブドウで造られたワインである。プラム、スモーク、スパイスなどのフレーバーを持つ強烈なワインである。1000ケースが生産された。

今後は単一畑からのブドウを使ったワイン生産を目指しているようである。雑草の生い茂る丘の斜面には数々のブドウ畑があるが、その中の一つの畑を二人は購入したのである。広さは24エーカーほどだという。

近年、ワイン生産は技術の進歩によって、木々が若干若くても、世界品種を使えば十分に畑の能力を引き出すことが出来るようになってきた。しかしここでは、デセンディエンテはユニークなワインを追い求めて、マイナー品種で、古い木々を使うという、新たな試みを始めた。

引用終わり:

ええでんなあ、こういうのは。有名になって財を築いたが、新しいものに挑戦しつづける。こうでなければいけませんね。(H)

ワインが上場?

「ワインが上々」なんていうテレビ番組がありましたっけね?なかったかもしれないなあ。まあいい・・・いずれにしてもワインが「上場」します。今までにもワイナリーが上場するとか、ワイナリーに投資するファンドとかはありました。ボルドーの一級シャトーのワインの先物市場も現実化していないみたいですが、いち早くオーストラリアで上場です。

しかしまあよくよく考えてみると、ワインの商品取引市場が出来たということなのですが、ワインが証券化されるというわけで、ワインそのものが紙でか、あるいは信用で、データで取引されるということなのですよね。日常的にワインが市場価格で売買されるということになりますね。

ワインの流動化が進むわけですかね?オークションから消えますね、上場済のワインは。債権の保全という意味ではワインの信託はどうなるのでしょう?信託業ができたりして・・・ワイナリーそのを保管先としたときにいかほどの信用があるのかどうか?保管責任をワイナリーがとれるのかどうか。

ワイン証券の値動きはどうなるのでしょうか?熟成のことを考えると債券と同じような動きになるのでしょうかね?当然クーポンがついているわけではないので、ディスカウント価格で売り出されるのですが、債券のように償還というのはないですよね・・・そもそも売り出し価格の妥当性はどこにあるのでしょうね?パーカーポイントですか?それとも知名度か、それとも、パーカーも誰も永久に生きられないことを考えるとワイン版S&P業が出来るのか?あるいは何の根拠もなく任意につけるのでしょうか?

まあ、なんでもいいからやってみるかーってな感じで始めたのでしょうか?前置きがえらく長くなりましたが、こういうことを考え付くのはいつもオーストラリア人です。9月20日IndustrySearch.com.auが伝えました。

要約引用:

AWXキャピタルという会社がオーストラリアワインの取引事業を開始すると発表しました。創立者でありCEOのスティーブン・トンプソン氏は次のように述べています。

「2年後にはオーストラリアのワイン業界の様相は随分と変わることになるでしょう。それぞれのワインは別々に、ニュー・キャッスル証券取引所に上場します。価格は、セラーでの販売価格の15%から30%ぐらいの割引価格となっています」

今回ワインを上場させるのは、13生産者で、タイレル、クラレンドン・ヒルズ、ナプスタイン・レンスウッド、オーランド・ウィンダム、ザナドゥなどです。ワインの種類は20です。

全て18ヶ月、もしくは24ヶ月の満期付きの証券で、満期後に一旦証券の所有者に一旦形式的に「デリバリー」が行なわれますが、所有者は「再保管」するかもしくはレストランなどに販売することも出来ます。それまで証券は、ワイン・クラス・シェアと呼ばれて、証券取引所で売買が行なわれるのです。トンプソン氏によれば、およそ130の生産者がこの証券取引に興味を示しているとのこと。

「この仕組みで、ワイナリーは在庫を容易に現金化でき、資金調達をしやすくなるのです」

タイレルの財務担当重役であるセイネス氏は、

「上場した理由は、他の市場とか、他の州の顧客にアクセス出来るし、良いワインを知ってもらう良い機会だと考えました」

投資を考えておられる方は、トンプソン氏ならびに参加生産者主宰のロードショー兼テイスティングに参加できます。10月3日にシドニー、4日にメルボルンで行なわれます。年間8回の行なわれ、それぞれに20のワインを上場させる予定です。

引用終わり:

確かに面白いというか。皆さん、一ついかがですか?(H)

プロの皆さんへの情報誌

Globalwinenews.comを皆さんご存知でしょうか。ナパはカリストガにあるEワイン情報誌です。毎日3000ものネット上にあるニュースソースから情報をキャッチして、1)ウェブリンク、2)情報のサマリー、3)特別記事、の三種類の記事を3回/週、電子メールで案内しているものです。この雑誌は残念ながら有料ですが、プロの皆様には購読いただきたいものですね。年間75ドルですが姉妹紙のワイン・マーケット・レポートと同時に購読される方には50ドルとなります。連絡先は、http://www.globalwinenews.comです。ワイン・マーケット・レポートの連絡先はhttp://www.winemarketreport.comとなっています。

誰かが提携して翻訳したらいいのでは?バリックヴィルも不要になるかもしれませんね。(H)

テロ関連の話

今週もいくつかありました。

21日ワインスペクテータ・オンラインにで紹介されていましたのは、ワールド・トレード・センター北ビル107階にあったレストラン「ウィンドウズ・オン・ザ・ワールド」の料理長マイケル・ロマナーコ氏の偶然のテロ回避の話に始まり、ニューヨークのレストランのシェフたちが救助支援のために結成した「シェフ・ウィズ・スピリット」の話、さらには食事を運搬するためにその役をかってでたスピリット・クルーズ社の話が紹介されています。スピリット社のスティーブ・シュワルツ氏の言葉が引用されています。

「レスキュー隊の人々に対してはどんなに感謝しても感謝しきれない思いでした。われわれはそんな気持ちから(食事を届けるなどの)作業をやっていたのでしたが、レスキュー隊員たちも私達に感謝してくれたのです」

食の世界にいる多くの人々も数々の救助活動に参加したということを聞くと胸の中がじーんとしますね。これらの活動は当然利益度外視です。最近もてはやされ一見優雅に見える世界にいても、いざとなると・・・詳しくはhttp://www.winespectator.com/Wine/Spectator/_daily|news1370をご覧ください。

もう一つ、12月8日に、今回のテロの犠牲となった人々を讃えてチャリティ・オークションが開かれるという話があります。モレル&カンパニーの主催です。集まった義援金は、ニューヨーク市警、消防局、そして学童支援基金に贈られるということです。このオークションには「悲しみと感謝のブドウ(Grapes of Greif and Gratitude)」という名がつけれています。このインターネットを通じて開かれるチャリティには、世界各国からのワインの寄付が期待されています。ワイナリーはもとより個人コレクターにも寄付してもらいたいと考えています。オークションに参加されたい方は、http://www.grapesofgrief.comにアクセスいただくか、ピーター・モレルに電話してください。 212/688-9370です。

こういうときの人々の行動を見ると、人はハートを動かされて行動する動物なのだと思いませんか?そんな中で、22日付ニュージーランドの「スタッフ・オンライン」では、ワイン評論家のブレンドン・バーンがコメントを書いていました。

『先週はソーヴィニョン・ブランの新しいヴィンテージの出荷の週だったが、ここ近年NZマールボローでは、ボージョレ―・ヌーヴォーの成功事例に倣って、新酒の出荷のとき、ヨット・レースを行なってその出荷を祝うというイベントをやるのが恒例になっていた。当然のことながら、米国テロのために大きな注目を浴びることもなかった。どうしてイベントを遅らせて参加者を増やすということをしなかったのか!しばらく輸出が伸びてきている状況のなかで、米国での惨劇が輸出に与えるインパクトを考えると、国内市場に目を向けるべき―こういったイベントをあえてやるということが重要となった。』

と締めくくっています。基本的には彼は祝い事をやるなということではなくて、賢くやらなければならないと言っているのです。要約すると伝わりませんが、ニュアンス的には難しい立場で書いたというのが伝わります。

より中心に近ければ近いほど波動は大きく、遠ざかれば波動は小さくなる。ハートへの衝撃の大きさも波動と同じです。遠ざかれば衝撃は小さい。ハートだけでなくて、頭を動かすとこういうことになるのでしょうね。

日本人である私も、直接大きな衝撃を感じたわけではないです。しかし衝撃が強かった人のハートを頭で理解してあげることが大事だと思っています。(H)

メドックのキャンペーン

フランスワインは英国でさえも大幅にシェアを落としてきているという話は、先日来お伝えしてきていますが、メドックは英国で大々的なキャンペーンを張ることになりました。

10月8日以降、ロンドン市内および近郊の、300の食料品店などのワインの販売拠点でポスターを見かけることになるでしょう。このポスターはボルドー・ワイン・ビューローが作成するものです。

この内容は、21日付けジャスト・ドリンク・ドット・コムが伝えたものです。ポスターはこちら(http://just-drinks.com/news_detail.asp?art=14481&app=1)をご覧いただきたいですが、

このグラスには"new blood inspiring /deep cultured elegance"と書いてあるように見えます。直訳すると「新たに血を躍らせる/深い文化に根ざした優雅さ」という感じですね。これは分かりやすい。さらに”blood”と”deep”が大きな字で書いてある。単語を続けて訳すと「血が濃い」。意訳すると「血が濃い=不純分が少ない=血統付き=本物」ということをかけているのでしょう。さらに分析してみましょう。ここからはかなり怪しいですが・・・

この白のタートルネックを着た坊主頭の青年は意味があるのでしょうか?Tシャツ短パンではないということでしょうね。アメリカの新世界の人々は着ない。新世界の人々は冬でもTシャツ短パンです(偏見でしょうか)。グラスを傾けているのは?これはあえてグラスの脚をもっているということを言いたかった、つまり「少しは分かっている人」の雰囲気を出している。これは彼らの誤解で、多分彼らは新世界人は、グラスに注いでも、脚は持たない「はず」と思っているのでしょう。さらにグラスは脚をもたないとグラスを傾けるのは難しい(というか、そうしないとバカっぽい)。なぜ坊主頭か?これは女性を使わなかった理由にもなりますが、カジュアルな雰囲気を出したかったのでしょう。フランスといっても新世界と同じようにカジュアルに飲んでもらって一向に構わないという雰囲気を出すには確かに一番ですね。坊主頭は。(ちなみに私もそうですが)

怪しい分析でしたが、あたらずとも遠からずだろうな。なんて自分では思っています。「違うんじゃないの?」と思われた方は何なりとご意見ください。

全てのトピックに対するご意見、ご感想、意見の相違、文句、クレームはhm@barriqueville.comまでお願いします。(H)