Topics&Columns(2001年10月8日)

ダンテの新曲?

ダンテの神曲はご存知ですよね。歴史の教科書には必ず出ていました。しかし何の役にも立たないという・・・ダンテ・アリギエリは14世紀にフローレンスに生きた人で、広辞苑によりますと「イタリアの詩人。中世と近世との分水嶺に位置する。フィレンツェの人。早逝したベアトリーチェへの初恋はその文学にとって意味ぶかい。政治に加わり、一三○○年市共和国の六統領の一人となったが、翌年追放され、半生を放浪しながら文学に精進」と書かれています。まさかワインの話に関係するとは思いもよりませんでした・・・

それでどういう話かといいますと、ヴェネトに本拠をもつ、伝統的にワイナリーを営むマアジ社とアリギエリ家は、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの近辺に200エーカーの土地を購入しました。10月1日のスペクテーター・オンラインが伝えたものです。

両者の共同作業は実は初めてではなく、すでにヴェネト北部で事業は行なっています。今回新たにダンテの本拠地であるトスカナでも事業を行なう決定をしたものです。

ダンテは実は、広辞苑の中にある「追放」後にはヴェネトにいました。そこでダンテの息子であるピエトロが、1353年にヴェローナの郊外にポセッシオーネ・カサル・デイ・ロンキという300エーカーの場所を購入し、それ以来ワインを造り始めたのです。

アリギエリ家とマアジとの関係は1970年代に始まります。アリギエリ家がマアジの技術マーケティングのサポートを受けることになってからです。1990年にはパートナーという関係になり、そして今回のプロジェクトにつながります。

このプロジェクトでは2005年に、2種類の最上級の赤ワインを引っさげて市場に参入したいとしています。品種はサンジョベーゼ、カナイオロ、コロリーノなどのイタリア品種を使用し、42000ケースを生産する予定だそうです。

どういう名で出てくるのでしょうかね?ダンテの血をひく人たちがその縁の土地でワインを生産するのですからね・・・「神曲」は三部構成だから3種類出せばいいのに。まあ、楽しみにしておきましょう。(H)

 

それでもまだワインを増やす

南半球のワイン収穫はとっくに終わっていますが、その収穫量の報告が10月1日付けジ・アドヴァタイザー・オンラインに載っておりました。

南オーストラリアの収穫は、昨年より40%も多い678,821トンでした。そして金額に換算するとA$754百万でした。この金額は南オーストラリア州の小麦の生産量に匹敵します。

フィロキセラ&ブドウ産業委員会の役員のピーター・ハックワース氏は、理由として80年代に植えられた木々が成長を遂げつつあることと、気温が平年以上であったことを挙げています。

マクラーレン・ヴェール・ワインメーカーズの役員であるスコット・コレット氏は、「この5、6年間の国際競技会での成功をさらに続けるためにまだまだ拡大の余地はありますよ。ですが今は、消費をいかに増やしていくかということがチャレンジになっています」と語っています。

リバーランド・ワイン産業開発委員会のジョン・アンヴォイ氏は「来年は、新たなブドウ畑が軌道に乗ってきますので、来年の収穫は、さらに増えることが予想されます。この地域からのブドウの生産量は全南オーストラリアで生産されるブドウの50%ですので、ワイン産業にとっては重要な場所です」と語っています。

難しいのは、マクロでみる需給関係はミクロの企業経済にはなかなかすぐには感じられないということなのですよね。例えばマクロで供給量が多いということが分かった時点で、敏感に反応しすぎて生産量を下げると損するし、反応が遅すぎると損するし・・・せっかく育てたブランドと、ブドウを大企業に持っていかれないためには、オーストラリアのワイン産業従事者の見極めが難しいところでしょう。(H)

 

ハーランとファー・ニエンテの土地争いの顛末

以前からこの問題はいつ火を噴くのかというのはあったのですが・・・

ビル・ハーランがファー・ニエンテのギル・ニッケルを訴えました。9月上旬ニッケルが部下に命じて、これまでの境界をまたいで畑に忍び込ませ、ハーランの畑の中に別のフェンスを作ってしまいました。この結果ハーランが収穫作業が出来なくなってしまったのです。

9月12日に法定はニッケルに対して、とりあえず禁止命令を出しました。この命令に対して11月に公聴会が開かれます。ハーラン側は「このようなことを収穫時に行うということは、われわれに対して最大のダメージを与えようと狙ったもの」、そしてニッケル側は「その土地は自分達のものゆえ」とのこと。

このニュースは10月4日にセントヘレナ・スターで伝えられたものです。やり方がまずいですよねニッケルは。やることがテロリストと同じですよね。法定での決着でしょうが、狭いナパでの話ですからね、しかも隣りどおし。最終的には、新たな境界が引かれて、そこから数フィードづつを中立地帯に・・・ってなことになるのでしょうか?ひどい話です。(H)

 

モンダヴィ―苦渋の選択

カリフォルニアワイン業界の財務状況が悪化しているようです。

モンダヴィ・ワイナリーは、今年の財務状況に加え、2002年の財務状況も、当初の計画を10%〜20%下回るという予測を出しました。これはいくつかのソースで伝えていたものです。

この予測を受けて、モンダヴィはディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー内にあった「ゴールデン・ヴァイン・ワイナリー」のマネジメントから手を引くことを決定しました。

この55エーカーの土地に、なんと14億ドルもの費用を投じて開発されたカリフォルニア・アドベンチャーは、今年の2月にオープンしたばかりでしたが、経済状況の悪化のために相当に悪いようです。ディズニーランド以上に、大人をターゲットにしているために、よりダメージの度合いが大きいのです。無論テロの影響は少なくありません。同じ敷地内にある、「スパーゴ」で知られるウォルフガング・パックが運営するレストラン「アヴァロン・コーヴ」も閉鎖されることになりました。

モンダヴィは、マネジメントからは手は引くが、スポンサーとしては残るとのこと。ここで働く120名についての処分を決めていないようです。

「ワイナリー」のテイスティングで注がれるワインは、これまでモンダヴィのワインだけだったのですが、当然この状況も変わることでしょう。モンダヴィも昨年から今年にかけて進出と撤退とを繰り返しています。(H)

 

オークヴィル・グロサリー(OG)

この名は、ナパに行ったことのある人の間では結構有名です。国道29号を北上して行って、モンダヴィとかオーパスのある区画にはいるところにあるまあ、ヨロズ屋というかなんというか。以前は(といってもそんな昔を知っているわけではありませんが)ひなびた感じの小汚い店でした。今年になって2度ほどナパに行きましたが、小さいスーパーぐらいにはなっていますよね。

どうしてこれがそんなに有名なのかといいますと、場違いだからです。一昔前はいざ知らず、ここ10年ぐらいの間にワイナリーも立派になって訪れる観光客も、華やかになってきたわけですが、そういったことにお構いなしに小さく、汚れた雰囲気がありました。従って全く逆の意味で目立ってしまっていました。駐車場もあるのだか、ないのだか分からず、バス停でもないのに軒先にベンチがおいてある。オマケに日本人の間では「あそこの娘さんはどうのこうの」というのが噂になったりまでしていました。

これがパソ・ロブレとかの田舎ならいざ知らず、カリフォルニアを代表するナパにあるものだから、なかなかどうしてその不釣合いな様相は人々を和ませるものでさえもあった、ということを言っておきましょう。

で、グロサリーの裏の2軒の古い建物が壊されたという話です。10月3日のナパニューズ・コムが伝えました。(このナパニューズ・コムもどうも規模が小さくなっているようですよね。掲載記事が少ない、短い)

つたえるところによりますと、OGの駐車場の一部はどうもオーパスの持ち物らしく、今回その駐車場をOGに明渡す代わりに、裏の倉庫をオーパスが貰い受けるということになった模様です。どれぐらいの広さがあるのでしょうかね?

さらにOGは隣にあるデュラン・ジウーニのヴィクトリア調の建物をレストアするらしいです。このニュース曰く「かつて赤足カエルによってダメージをうけた」と書いています。何ですか?この赤足カエルというのは?

さらにこのニュースではOGの良い点がかいてありました「OGでは普通のダンボール箱代は取られません。シッピング用の箱代のみ取られます。これからも新入りの従業員達にこの習慣は引き継がれます」

短いニュースですが、「オークヴィルの村が徐々に消えていくのが名残惜しい」、というようなニュアンスで書かれていました。書いているのはポール・フランソンという人物です。

 

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訂正とおわび

トピックにはしませんでしたが、ワイン・ドット・コムのオークションは終了しました。さまざなソースで伝えていました。会場は空席が目立ったとのことでした。

なお先週のトピックの中で、誤解を招く表現がありましたので訂正します。

「ワインが多すぎる!」の第2章で、「地域的には、セントラル・コーストが、・・・」と書いていた部分は「セントラル・コーストとセントラル・ヴァレー」としなければなりませんでした。従いまして同じ章の「セントラル・コーストが全カリフォルニアで・・・」の部分も同様の訂正が必要となります。あしからずご了承ください。カリフォルニアワインインスティチュートの堀賢一さんからご指摘いただきました。どうも有難うございました。これに懲りずにおつきあいください。

全てのコメント、クレームはhm@barriqueville.comまでお願いします。(H)