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Topics&Columns(2001年1月7日)
糖尿病患者の心臓病には効く!
ハーバード公衆衛生研究所が、どの程度のアルコール飲料で糖尿病タイプ2の男性患者が心臓病を併発するリスクを低減するかを発表しました。あくまでアルコールであって、ワインではありません。さらにこの調査は、ノン・ドリンカーに対して、一日あたり「ドリンク半分」「ドリンク一杯」「ドリンク二杯」「ドリンク二杯以上」を飲む人が、どの程度心臓血管病になりにくいかを、数値で表したものであるに過ぎず、前回のイタリアからの報告のように、ほぼ明確にアルコール摂取量までしめした物ではありません。
この1/2日付けヤフー・ニュースによれば、発表された内容では、どのアルコール飲料でも同じような結果であったとしています。
でそのリスク低減率は、ノン・ドリンカーに対して、およそ・・・
「ドリンク半分以下を飲む場合」:24%
「ドリンク一杯から二杯を飲む場合」:36%
「ドリンク二杯以上を飲む場合」:41%
この研究をリードしたタナセスキュ博士は、「ライトから中程度の飲酒は、糖尿病患者には有益であるという判断はできますが、治療の中に飲酒療法を取り入れるかかなかの判断は現場の医師によります。たいていの場合はリスクより有益性の方が上回りそうです」と述べています。
被験者が限定されていると信憑性が高まるというか、確率論からすればはずれは少ないですよね。しかし、糖尿病の人に積極的に酒を飲ますという判断を現場の医師がするのでしょうか?と、これを読まれている医師の皆さんにご意見を伺いたいですね。
この情報のソースはJournal of the American College of Cardiology 2001;38:1836-1842となっています。(H)
ワイン泥棒
昨年12月21日にデカンター・オンラインが伝えたものですが、このニュースの直前の週にボルドーで大掛かりなセラー荒らし騒動がありました。
なんとサンテミリオンの Ch. Cormeil-Figeac1998のボトル4596本をセラーから盗み出したものです。そのほかにもCh. Grand-Magnan 1995と1996も盗み出しました。その前日には、 ブール地区のトーリアック にあるワイン組合のセラーからも2700本のワインが盗まれました。盗人団は組合が所有するバンも奪って逃走したようです。
偶然なのか警官達は前の週には処遇改善を求めてデモを行なったばかりで、全員が職務にはもどっておらず取り逃がしたようです。サンテミリオン・ワイン・シンジケートでは警備を強化するとしていますが・・・
後の祭り。(H)
そういえばハンターバレーに行ってきました
年末にハンターバレーに一日半という短い時間でしたが行ってきました。
また子連れでしたのでロワー・ハンターのみでした。リンデマン、ロスベリーなどの大手から、ブティックのブロークンウッド、タンバーレイン、マーシュ・エステート、スパークリングワインのピーターソン、あとはペッパー・ツリーなどなどを回りました。
前評判をいくつか仕入れて行きました―「もうハンターの時代ではない」「ハンターの造り手もサウス・オーストラリア他のブドウで造ったものの方が良いだろう」「アッパーに行かねばダメでは?」といったもので、まったく期待の持てないワイナリーめぐりでした。さらに、シドニーで前日、ワインショップのワインに関してはプロなんだぞ、という雰囲気をかもし出している店主に「明日、ハンターに行くんだけど、どこがいいかな?」と聞いてみましたが、「いろいろみたほうがいいよ。」とお茶を濁されてしまい、どうも行ったことがないようでした。彼が薦めてくれるワインはどれも、クナワラやマーガレットリバー、バロッサといった地域のもので、ハンターのワインは眼中にないようでした。こんな近くにいるプロ達にも評価されていないので、全然期待できませんでしたが、あにはからんや。感想は・・・「なんだ結構すごいじゃないか!」
(1)ワイナリーめぐり全般
ハンターは、シドニーから車で2時間ほど北北東に行ったところにあります。入り口はセスヌックというところですが、そこの隣町であるポコルビンに、ワイナリーが混在しています。それぞれが接近していますので、いろいろなところを回るのにそれほど走り回らなくて良いです。
(2)天候
実は今は真夏。ハンターの近郊でも山火事が自然に発生していて、自動車道路でも、シドニーの市内でも見通しは悪い状況でした。夜空は今ひとつです。ハンターでの昼夜の気温差はある程度はありますが、それほどではないのかなあという印象です。夜間でも「えらく」寒くはならないです。実際にはデータを見なければなりませんが。あくまで印象としてです。
(3)人々
シドニーから約2時間でこれるという地の利もあって、良く知られているワイン産地です。したがって相当に混みあうのかと思っていましたがそうでもないです。ワイナリーの接客も、バロッサとの比較で言えば割と丁寧な感じがしました。お客さんもあまり「ワインを知ってんだぞ」といぅ感じのこれみよがしの人は、私以外は全くいませんでした。私はいやなやつでした。
(4)テイスティング
テイスティングは当然無料。
(5)ワイナリー全般
オーストラリアの方が私の感覚に合うのかもしれませんが、派手すぎるワイナリーもなく、小汚いワイナリーもなく、割りにマトモな感じのするワイナリーばかりでした。そういうところばかりしかいかなかったのかもしれませんがね。数年前のカレラ・ワイナリーみたいなところは全くありませんでした。あと、まだどこももともと家族経営からスタートしているという印象はありましたね。今やサウスコープとか、フォスターとか、ルイ・ヴィトンの傘下ではあるものの、経営の方はまだまかされているのでしょうか。リンデマンは以前から「安価で高品質」という印象をもっていましたが、これは確認できました。あとのワイナリーに関しては正直言って、初体験に等しいものでした。
(6)品種
白はセミヨン、ヴェーデッロ、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニョン・ブランの順で多いです。
赤は、シラーズとカベルネ・ソーヴィニョン、メルローの順です。サウス・オーストラリアと比較すると、他の品種―グルナッシュ、ムールヴェードルなどがない。ヴィクトリアに比較するとピノ・ノワールは少ない。
ヴェーデッロというのはポルトガルのマデイラで使われる品種です。「なんでこんなところで植えているのですか?」という質問をしまくりましたが、誰も答えてくれませんでした。ハンターは酒精強化ワインがもともとは多かったんですよね。ポートとかシェリーとか。そのあたりの流れです。そのような答えを期待してはいたのですが、実は私の質問は非常に失礼な質問でした。聞かれた相手からすると「どうしてカベルネ・ソーヴィニョンを植えたの?」ひいては「なんでワインをここで造っているの?」という質問と同じですね。相手はいつも普通にやっていることを「何で?」と聞いているわけですからね。あー、いやなやつというか。無神経だ。
あとはオーストラリアに行くと最初は、「酸味がないなあ」ということが意識できるのですが、そのうちに結構慣れてきてしまいます。今回は一泊のみでしたのでそのようなことはありませんでした。
(7)白ワイン
品種の特徴としてセミヨンとヴェーデッロの位置関係が、ワイナリーによってまちまちでした。「セミヨンは酸味が強くて、ハーブが強く、かつ青草のようで・・・」というワイナリーや、ヴェーデッロの説明としてこの内容が出てくるワイナリーもあって悩むところでしたが、わたしの個人的な印象としてはセミヨンの方が、品種としてより個性が強く、厚みがあるような気がします。ヴェーデッロの方がバランスは良いがこじんまりとしておとなしい個性であるように思えます。
シャルドネがどこまで出来るのかというのが見ものでした。というのは誰も高く評価しているようには思えなかったので・・・酸味が弱いのは最初から分かっていることなのですが「えらくいいじゃない」というのが私の正直な印象です。下記のシャルドネは全てハンターで収穫されたブドウでした。
リンデマンのリザーブ・シャルドネは、100%アメリカンオークと分かる味付けながら、それなりにオイリーでヴォリューム感があるワインで非常に特徴的でした。酸味はあまりありませんでしたが、オーストラリアながらの造りがそのままあってよいです。
「なにこれ?」と驚くぐらいの完成度の高いシャルドネがピーターソンのものでした。バランスが良い。あとは最初に訪れたワイナリーのアランデールのシャルドネ。1998ものがオーキーなシャルドネでかつ酒質が弱かったものだったので、あまり期待していなかったですが、これも驚きでした。
リースリングはリンデマンのボトリティスが超甘口でしたが、これは只者ではありませんでした。「やっぱりリンデマンは本当はいいものを造っているなあ。日本には来ればなあ」と思わせるものでした。「コカ・コーラ(日本の代理店での一つ。北海道コカ・コーラのはずですが)はリザーブものは入れていないからね」とカウンターにいたセールスが言っていました。彼はただのカウンターボーイではなかった。
(8)赤ワイン
シラーズに関しては、素晴らしいものがあります。どうして前述のような評判になっているのかが分からない・・・
家族経営のマーシュ・エステートのシラーズの畑違い、醸造違いなどは結構よいものでした。VAT”R”シラーズは手に入れたかったですが、残念ながらケース単位でしか売らないというので手に入れることは出来ませんでした。
個人的に好みか?といわれれば、私には大きすぎるということになるのですが、ブロークンウッドのグレイヴヤードなどは知らない人はいないシラーズです。私が気に入ったのはミストレス・ブロック・シラーズで、ジューシーな味わいがアプローチしやすい。
あとはリンデマンの「セラードアでしか売らない」ハンターバレー・シラーズなどは正統派のシラーのような雰囲気を漂わせていながら値段も破格。あとはキース・タロックのケスター・シラーズは、ビッグなワインです。このワイナリーは接客施設がないので「スモール・メイカーズ・センター」でテイスティングできます。シドニー市中のショップにもありました。
シラーズ以外は、メルローにいいものがあるような気がしました。スパイシーではあるものの、ここのカベルネ・ソーヴィニョンほどユーカリ香がきつくなく、かつ品種の持つ土っぽさが華やかなフルーツのフレーバーとマッチしていると思いました。どこでも生産しているわけではありませんでしたが、とくに印象に残ったものはマーシュ・エステートでした。
カベルネ・ソーヴィニョンは、残念ながらこれというものはありませんでした。パーカーが96ポイントをつけたワインというカベルネ・ソーヴィニョンはありましたが、生産者はハンター、ブドウはクーナワラ産というもの。ハンター産のブドウを使ったワインに関して今ひとつの感じがあるというのはやはりカベルネ・ソーヴィニョンが弱いからなのかもしれませんね。
(9)スパークリング
スパークリングに関してはピーターソンのワインは良く出来たワインで、メトド・シャンプノワーズのヴィンテージものは驚くほどの出来でした。ヴィンテージ違いがあまりない様に高い品質を・・・というわけにはいかないように思えましたが、逆にそれなりの品質をもちながらもヴィンテージ(ブドウ、ブレンド、醸造方法など)の違いがでているようなフレーバーで私は好感を持ちました。赤のスパークリングはオーストラリアの特徴ですが、高い品質というよりも力の抜けた無理のない、品種の個性を生かしたシラーズとメルローのラインナップ、これらも好感を持ちました。
(10)泊まり
ペッパー・ツリー・ゲストハウスに泊まりました。部屋はともかく、ここのレストランはハンターで一番といわれるレストランで、ワインリストも厳選され、モダンフレンチを主体の食事の味も考えた以上に上品で素晴らしく、接客態度もよく、ウェイターも場を盛り上げてくれ、どれをとっても雰囲気にあって満足度の高いものでした。内容を考えると5000円程度でフルコースメニューは極めて安いものです。リコメンドしておきます。
(11)締めくくり
何とかプレミアム・ハンターワインを日本にも入れたいですね。値段、量、知名度、プロモーションなどを考えると日本で現実的に仕入れて、採算を取りながら販売していくのは難しいのかもしれませんが、そうそう簡単に見逃されるべきワインたちではありません。
という感じで長くなりましたが「ハンターよいとこ一度はおいで」です。ゴルフ場もあります。また時間をとって行きたいと思います。(H)
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2週間分のいろいろなニュースがあったのですが、今回はこれにて勘弁させてください。1月の最終週より本来のニュースを流していくことにします。
全てのコメント、クレームはhm@barriqueville.comまでお願いします。仕事の都合で1月14日、1月21日の週の発行致しません。ご了承ください。