Topics&Columns(2001年1月27日)
2週間ぶりのバリックヴィル・ワインニュースです。その間にナパに行ったり、引越しをしたり、いろいろと忙しくすごしていました。今年もよろしくお願いします。
アデレード・ナショナル・ワインセンター
昨年10月にオープンしたばかりのワインセンターですが、金食い虫で困っているという話です。国が何かやれば経済性の計算が非常にお粗末というのは日本だけではないようですね。
要約:
チーフ・エグゼプティブのボブ・マッケイ氏によれば「一日当たりの訪問客の数は468人の見込みに対して350から400、調子いいですよ。現在フル操業の状況です。客数が少ないのは9月11日の影響でアメリカ人の訪問が少ないからなのです。ちょっと立ち上がりには思った以上に時間がかかりそうですが、しばらくはサウス・オーストラリア政府もこのまま様子を見るでしょう。付加価値のない部分については、コストを削っていくでしょうがね」
ただこの投資に関しては賛否両論があった模様で、同じ金を使うなら輸出向けの販促活動に使うべきであるとか、もっと重要なプロジェクトに投資すべきだという議論が現在でもあります。
要約終わり:
この記事はデカンター・オンライン1月16日からでした。この記事は「場所はアデレードにあるが、40以上あるオーストラリアの生産地はそれぞれ大都市の近くで、ワインを楽しもうとすれば、近辺でそれなりに楽しめる」というコメントをしています。確かにそうだ。でも、センターの目的はそれだけではないのかもしれません。(H)
そういえばナパにいってきました
サン・フランシスコへの出張の合間を縫って、3時間だけナパとソノマに行ってきました。一言だけ感想を言えば、「だれがあんな高いワインを買うんだ?!」
ブリックスは、29号線沿いにあるレストラン&ワインショップです。レストランはいいです。オリエンタルな雰囲気のある内容で(最近はどこでもそうですが)、「そば」がアレンジしてあったりするんですよね。
しかしショップを覗いてみたら、一年前の値段より一段上がったような気がしました。棚に並んでいたカベルネ・ワインを片っ端からひっくり返して値段を見ましたが、平均価格の印象(あくまで印象)は80ドルです。現在の円レートで考えると、一万円を越える!なんということでしょうかね?
やはり今は、オーストラリアワインではないでしょうか?
ちなみに行ったワイナリーは、3時間の間にブエナ・ヴィスタ、セバスティアーニ、ニーボーム、ボーリュー、ベリンジャー、メリーヴェイルでした。とくに何のあてもなく、ただセラーのにおいを嗅ぎたかっただけです。ブエナ・ヴィスタは、誰かが買うの、買ったのというのがあったのでひょっとすると状況が変わっているのかなと思っていましたが、何にも変化ありませんでした。うっそうとしたユーカリ林の中にあるのでした。あそこの雰囲気はいいですよね。アゴストン・ハラツィーゆかりのワイナリーです。セバスティアーニは、何を考えているのか、結構いつも先進的なことをやるのですが、むちゃくちゃデカイワイナリーになっていました。
そしてコッポラは、「ナパ」を訳してからは初めての訪問でなんとなく気持ちが高揚しました。テースティングカウンターにいたバーバラは、私が「ナパを訳したんだよ」というと、えらく喜んでジョン・ダニエルにちなんで1998年から清算を開始したという「CASK」の説明をしてくれました。このCASK、たぶんメルローとフランが多いでしょうね。ラベルが木製です。なかなか風情があります。「50年前はジョンダニエルはこういうラベルをつけていたか・・・」
あとのボーリューとベリンジャーはみやげ物は何かないかと立ち寄っただけで、とくに面白みはありませんでした。メリーヴェイルは単に遅くまでやっているというだけで立ち寄りました。全く変化がなかったですが、どうもテイスティングにきた連中は全員最後にここに立ち寄るに違いないと思えるほど、酒臭く、騒がしかったです。ただセラーの香りは非常に印象深いものでした。
しかし最初にもどりますが、割安の良いワインを見つけ出すかということが本当に難しくなりました。(H)
フランス人は暴れる
どうしてこういうニュースは日本では聞けないのか、、、フランス人は暴れます。
ラングドック・ルーションのベジールで5000人を越える人々による暴動騒ぎがありました。警官隊は催涙ガスでこの騒ぎを静めた模様です。
要約:
暴徒と化したワイン産業従事者の要求は、昨年に農務省大臣のジャン・グラヴァニ氏が約束したとされる「過剰生産と新世界ワインの流入による価格の30%の補償」の実施でした。
午後3時に町の中心部に3000名ほどがまず終結しました。そこを起点にあちらこちらで、暴動騒ぎを起こし、イタリアワインを輸入してヴァン・ド・ペイで販売しているとしてネゴシアンであるフリゴヴァンへ押し入りました。
この騒ぎに先んじてグラヴァニ氏は、集まった人々に対して約束は守る旨のスピーチを行なっていました。「私と政府を信用してください。皆さんが困難な時期から立ち直れるよう、そしてラングドック地区が世界の主要生産地でありつづけるためにサポートするつもりです」と。
大臣は4.5百万ヘクトリットルを蒸留することをEUに対して承認を取る予定ですが、EU全体で137百万ユーロ、フランスでも47百万ユーロの税金をこれにあてなければなりません。しかし生産者達は、生活が脅かされることを恐れていて、ワインを蒸留に回しても補償を得られることで生活も保障されると考えています。これまでワイン生産国でないEUメンバーは、この政策にはあまり乗り気でなく、グラヴァニ氏がこれまで補償を実行できないでいることに対して苛立ちを募らせていました。
ある生産者は「われわれはこれまで生産方法の改善に投資を勧められ、そうやってきた。しかし30%も価格が下がってしまうと、投資回収がおぼつかなくなる。この危機を救ってくれないとなると、この生産地は本当に大変な危機に陥ることになる」と述べています。
要約終わり:
モンダヴィ進出問題に続いて今年も同じ地区で暴動です。政府はグローバリゼーションをもっと教育すべきではないでしょうか?ある程度の淘汰は覚悟で、それがなければ本当に取り残されるのではないでしょうかね。これがフランスでなくて、新世界であれば、経営の統合を促し、マーケティングの教育を施し、人を減らすということになるでしょうね。現に好調なはずのオーストラリアのサウスコープは人減らしを継続して行っています。この記事は1月16日にづけデカンター・オンラインからですが、そのデカンターも今後3ヶ月で5人を減らすという発表をしました。フランス人よ、暴れるな。(H)
ブルゴーニュの秩序を取り戻す
1月11日のデカンター・オンラインからです。
要約:
「プロジェクト・バーガンデ」ィという呼び名で、偽ブルゴーニュ、悪ブルゴーニュを排除しようというイニシアチブが、昨年から開始されました。BIVB
(Bureau Interprofessionnel des Vins de
Bourgogne)が中心にすすめているものです。副会長のピエール・ミュルジー氏によれば、「数百のワインをランダムに店で買ってテストをしてみたが、数ケース分のワインがダメだった。コルク、保存によって状態の悪いものであれば簡単に改善できるし、ワイン自体に問題があっても品質改善に対して手を貸すつもりだ」と述べています。
さらに「ブルゴーニュには何千と生産者がいるわけで、悪いワインを生産しない理由もない。確かにブルゴーニュのワインは、今はあまりお薦めできる確実な選択とは言いがたいところがある。ワインのコカコーラとも言われたくもないがそれ以上に、リスクが高いワインともは思われたくない」
このプロジェクトの目的は、品質管理を徹底して行なうことでブルゴーニュのイメージを向上させようというものです。品質テストに合格でなければ、以降2年間にわたって継続してテストを受けなければなりません。3年間にわたってテストに合格できなければAOC偽称で検挙されることになります。
昨年はさまざまの事件がありましたが、「偽称を許せるような理由は全くありません。今後さらに同じような事件があるとすれば、残念ながら意図的におこなう人が必ずいるのです」とはミュルジー氏。
要約終わり:
結構危機感をもってやっていますね。本当はブルゴーニュの全部の生産者がこれぐらいの意識を持たなければならないのでしょう。昨年の事件はこのサイトの中でいくつかお伝えしましたが、品質基準をあえて守らないという理由は何なのでしょうか。新世界ワインの脅威におびえた気の迷いなのでしょうか。それとも他に・・・?(H)
ワインも普通のビジネス
ブラウン・フォーマンが四半期の現金配当を発表しました。一株辺り35セントの配当です。
何のことはないですが、このようなニュースを目にすると、本当にワインビジネスも一般のビジネスとなんら変わりないのですよね。利益を出さなければならない、株主には配当を払わなければならない。
ブラウン・フォーマンは56年連続しての配当支払いだそうで、経営的にも長年にわたって利益を出し続けているということです。ワイン生産は農業なわけで(でなければならないという思想ですが)、天候や害虫に大きく左右されるため、最近はともかく、つい10年前まで継続して安定したビジネスを続けるのは難しかったわけです。そのような中で50年にわたって利益を出しつづけてこれたワイナリーの経営というのは素晴らしいですね。昨今はワインメーカー、コンサルタントばかりが取りざたされますが、彼らが信頼できるワインを売り、そして利益をあげられるということで、われわれ消費者も続けて同じワインを楽しむことが出来ます。基本はビジネスなのです。このビジネス、どのような経営者が求められるのかということももうちょっと取り上げられても良いのかもしれません。
南仏の生産者達、そしてブルゴーニュの生産者達(無論一部の生産者でしょう)も誠実でありながらも、革新的な経営を続けて欲しいですね。(H)
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