Topics&Columns(2001年2月18日)
DRCのプリュ・ミエ・クリュはエシェゾーより美味い?
先先週、配信した89号が造るプルミエ・クリュの話「DRCの新ワイン」を載せましたが、その件と86号「なぜ、赤ワインが良いか」に関して読者の方から以下のようなメールをもらいました。
引用:
さて,2月4日付けのニュース第89号の中で,DRCのプルミエ・クリュの話が出ていましたので,少し情報を提供します.というのは,すでにこのワインのことは2001年9月刊行フランスのガイドブックLe Classement 2002(Bettane&Desseauve)に掲載されていました.
同本によりますと(以下自訳ですが),1999年はDRCとしてはこの半世紀で最も成功したヴィンテージであり,ワインには魔法的な純粋さとエレガンスが宿っている.そして,初めてのこととして,ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュを十分量,瓶詰めするであろう.中味は,以前ネゴシアンに売っていたプルミエのGaudichotsのいくつかのパーセルから取れたワインと,特級の若木から作られたワインのアサンブラージュである.
ということです.ちなみにClassementの評価(10点満点)では9.5点で,エシェゾー(同9点)やグラン・エシェゾー(同9点)よりは評価が上でした.値段は記載されていません.
私はこのワインに大変興味があって,よく利用している英国のBBR(Berry Bros.)にこのワインを入手できないかと尋ねたところ,BBRでもまだ情報をつかんでいないとの回答でした(日本担当マネージャー:ハラダヒサコ氏より).サントリーあたりは知っているのでしょうかね?私としては是非入手したいと思っています.
もひとつ,別件です.私は形成外科医です.また,毎月フランスのワイン雑誌,La Revue du Vin de Franceを購読しているのですが,昨年12月26日配信の第86号に関しての情報です.「なぜ,赤ワインが良いか」の件で,これも同雑誌が2月号(第458号)に同じニュースを掲載していました.
一般の方はすでにご存じのポリフェノール効果ですが,今回のニュースはそれがどう効果的かを「科学的に解明した」のが新しいところです.エンドセリンー1は医学界では現在注目の物質で,日本人(柳沢先生)が発見され,特に日本の研究者には馴染みの深いものです.はじめ高血圧の原因物質として同定され,現在ではいろいろな病気のメカニズムに絡むと注目されています.…と書いても一般には「フ〜ン」という程度で大したことはないのですが,医学的には興味あるところでした.
といっても私もそれほど感心した訳ではなく,なぜ今ごろCNNがわざわざ報じる必要があるのか?というのは同感です.それ以上に面白かったのは,同雑誌(La Revue)が追加として,「極秘に」コーダー氏に問い合わせた結果,最も効果のあった赤ワインベスト10を載せていました.
第1位:アルゼンチンのカベルネ2000年,
第2位:キャンティ(サンジョ100%)2000年,
第3位:チリのカベルネ2000年,
第4位:ラングドックのカベルネ1999年,
第5位:チリのピノ2000年…と続きます.要するに「濃いー」もんばかりですね.
コーダー氏は,販売(コマーシャル)プランに係わるとても繊細なことなので,名前を出すのはためらった.が,我々に伝えた,と記載されていて面白かったのでした.
引用終わり:
私としては、こういうフィード・バックや情報をいただくと非常にやる気がでます。これまでにもご紹介していませんがいろいろと感想や情報をいただいていて、「つながっている」感じが確認できて非常にうれしい限りです。これからもよろしくお願いします。
ボルドーで12シャトーに「がさいれ」
バレンタインデーに、リブールン、ブライ地区で12のシャトーに対してがさ入れがありました。警察はかずかずの書類を押収したようです。どのシャトーにという情報は警察は公表していませんが、著名シャトーも含まれているようです。
捜索を行った理由もまた明らかではありませんが、「ボルドー」、「モンターニュ・サンテミリオン」「コート・ド・ブルグ」で販売されたワインにAOC(統制原産地呼称)違反があった模様です。問題のワインはおよそ70万ヘクトリットル(780万ケース!?)にもおよび、ベルギーとオランダで販売されたとされます。
2月16日付デカンター・オンラインからでした。(H)
コドーニュ、よおまえもか
要約:スペイン)カヴァの生産者として有名なコドーニュは、新しいワイナリーを設立するにあたって、DO(スペインの格付け制度)の外でワインを生産することを決めました。
新たなワイナリーは、バルセロナとリオハとの中間地点に当たるベルヴェル・デ・シンカ。「DO外で、よりフレキシブルにワインを造りたかったためです。もっと安くワインを生産できるようになりますから」と広報は語っています。
コドーニュは、スペイン国内で、ライマット、リオハ、プリオラート、リベラ・デル・ドゥエロのそれぞれの地区でワインを生産し、さらにカリフォルニアのナパバレー、それにアルゼンチンのメンドーサでも生産を行っています。
シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、カベルネ、メルロー、テンプラニーリョ、そしてシラーなどを使って生産するようです。要約終わり:
格付け外で生産する動きはイタリアではごく一般的でしたが、スペインでもそうなってきつつあるのでしょうか?ご存知のかた教えてください。このトピックも2月11日付けのデカンター・オンラインからでした。(H)
そういえばワイン会をやりました
2月16日、ワイン会(飲み会)をしました。ある人を中心に集まった会で、私はそこにワインを選んで提供するという役目でした。
1.「J−シュラム」1995(シュラムズバーグ)
2.シャルドネ、ハンター・バレー「BIN 9281」1998(リンデマン)(H)
3.シャルドネ、エドナバレー「オリバー畑」1998(タリー)
4.シャサーニュ・モンラッシェ一級「フランシュモン畑」1998(ヴェルジェ)
5.ピノ・ノワール、マウント・ハーラン「ミルズ畑」1996(カレラ)
6.クロ・ド・ラ・ロッシュ「キュベ・ユニーク」1996(ドメーヌ・アーロー)
7.カベルネ・ソーヴィニョン1992(スポッツウッド)
8.シャトー・オー・ブリオン1992
9.モスカート・ドーロ1998(ロバート・モンダヴィ)
出席者は10名で、皆さんに評価をつけていただきました。それぞれについて、「濃さ」「ドライさ」「香りの強さ」「フルーツ度」「好き・嫌い」という観点から5段階評価をしていただきました。9名の方が、6番と8番については「大好き」とされました。次の人気は7番でした。3名の方が「大好き」のレーティングでした。白についてはずいぶんとばらつきました。1、2、4、9については、お一方づつ「大好き」とされたようでした。もっとも低い評価を受けたのは、2番と9番で、一人づつ「好きではない」とされました。
ちなみに私については、「大好き」2、6、7番でした。まったく脈絡が無いですね。皆さん脈絡無く見えます・・・
いずれにしても今回のワインは非常に個性が際立つワインばかりでわかりやすかったというのは事実で、そういうはっきりした個性が皆さんには受けたようです。というかはっきりとした意見をもちやすいのでしょうか。実はタリーは、複雑ではありましたが、トップノーズと香りが弱かったのです。
私のコメントは次のとおりです。
1.泡は見た目弱い。口に含むと広がる。伝統的な味わいで、強めの酸味が心地よい。香り、フレーバーは複雑。余韻は中程度。
2.バターっぽいストレートな香りとフレーバーが、オイリーな口当たりにマッチしてパーフェクトなオーストラリアワイン。
3.カラメル香、柑橘系、バニラっぽさなどあり、結構複雑なフレーバー。しかし回りに圧倒された感あり。
4.バニラ香も、ナッツ香も、ミネラルもあるが、やや酸化気味のリンゴ酸がまともにある。アメリカ、オーストラリアと比較すると圧倒的に凝縮し引き締まった印象。だが、樽がきつすぎ。
5.最初は、若干熟成香も感じられたが、ショッキングなほどにカレラ独特の干しプラム(つまり梅干し)果実感がつよくまだまだ若い。タンニンも強い。あと数年必要。しかし間違いなくミルズは複雑なワインになってきている。
6.色も既に熟成に入った感じで、香りは熟成香がでて極めて官能的。もっと強いワインを考えていたが、ミント、ラズベリー、紅茶など、期せずして完成度が既に高い。渋みも酸味もあるのでまだ持つのだろうが、線が細く余韻での残り香が弱いので、時期としては今がベストかも知れない。
7.やや茶色が入るワインを期待していたが、期待を裏切る典型的ストレートパンチ・ガベルデ・ゾーヴィニョン。まだ黒々として、筋肉質でフレッシュ。ブドウも凝縮し、強い樽香が乗ってすばらしく濃密で、バランスがよい。余韻も長い。
8.色もふちはガーネットになり、香りはウルトラ度級の複雑さ。トリフ、ロースト、チョコレート、シガー、ブラックベリー、湿った草など。味わいはやや酸味が強過ぎる印象でやはり1992かな?という印象。
9.甘口の白でモスカートならではの芳香がある。デザートワインとしては軽めであるが、酸味があって心地よさはある。
GMブドウはEUではOK
2月14日のデカンター・オンラインニュースからです。
要約:遺伝子組み換え済みブドウの承認がEUで採決されまたした。採決番号「68/193/EEC」は「ブドウの発育性増殖のための資材のマーケティング」と題されており、生産者は遺伝子組み換え済みのブドウを使うことができるようになりますが、生物生態系とワイン生産の文化に対しても大きな影響を与えることになります。
イタリアの組織である「スロー・フード」はこういった動きに反対するために、数年にわたって20万人の署名を集めてきました。「新たな採決は、これまでのワインの伝統と消費者の選ぶ権利についてのは常識を打ち破るものです」
権威あるワインガイドである「ガンベロ・ロッソ」を発行するグループは、この新たな立法に対して反対を表明すべくイタリアその他からの生産者に声をかけています。電子メールなどで各種ワイン団体、政治団体にたいして、遺伝子組み換えブドウを使う、あるいはそれから生産されたワインへの反対を表明するよう要請しています。要約終わり:
一方ではブドウが生産過剰状態が続いているのですがね・・・南仏の生産過剰状態でEU全体が税負担をさせられている状況で、それに手を打つ間もなく、ですね。生産過剰は人の問題(つまりより多くの富を求めるという)、生産が少ないのはブドウの問題(つまり悪天候、病気に弱いという)なのかも知れないですね。(H)
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