Topics&Columns(2001年3月11日)

 

EUのチリワインvsチリのEUワイン

チリのワインマーケットのサイズは6億ドルだそうで、そのうち3.5億ドルが欧州からのワインで占めています。

EUはチリ産のワインを何とか締め出したいと思って、政治レベルの話し合いが行われています。チリとしては、「それなら当然チリからEUワインを締め出さなければならない」といっています。既に8回の話し合いが行われて来ました。去る3月5日に第9回目が開催されましたが、チリ側は「フランスは何を望んでいるのかさっぱりだ」と言っています。双方とも5月には自由貿易協定を締結することを望んでいます。

お互いに真剣にこういうことをやっているところが、とても可笑しく思えてなりません。この「笑い話」はAgencia EFE S.A.が3月5日に伝えました。(H)

 

クラウディ・ベイを去るワインメーカー二人

栽培担当のイアイヴァン・サザーランドと醸造担当のジェームズ・ヒーリーは、クラウディ・ベを去り、新たなワイナリーを作ります。いずれもクラウディ・ベイの成功の立役者でした。

クラウディ・ベイの操業には最小限の影響しか出ない様にします。たとえば今後もサザーランド氏はブドウの供給は続けますし、二人ともコンサルタントとして取締役会には残りますし、既に一年前には引継ぐワインメーカーを採用してます。「クラウディ・ベイを捨てるのだと思っている人がいたり、品質が変わると思っている人がいるようですが、そのようなことはありません」とヒーリー氏は述べています。二人とも、数年前からこのプランについてはワイナリーのオーナーに対して相談していましたので予定通りの行動なのです。

2004年から、少量の単一畑によるピノ・ノワール、シャルドネそして樽発酵によるソーヴィニョン・ブランを生産することにしています。新たなワイナリー名は明らかにしていません。「最初のリリースまでは出来るだけ静かにやりたいのです」とはヒーリー氏の談。

このニュースはワイン・スペクテーターとデカンター・オンラインで伝えていました。クラウディベイは、ルイ・ヴィトングループ傘下です。そのことが関係ないことはないだろうと思いますが・・・。(H)

中国でワインを飲む時の作法

以前もご紹介したことがありましたが、業者泣かせの中国人は、そうそう変わらない・・・。

12月にWTOに加盟して以来、関税は65%から37.5%に下がりました。2005年までに段階的に10%まで下げられることになっています。業者は、この巨大市場に入り込むことが出来るといって大喜びしている・・・のかと思えばそうではないかもしれません。

WTOに加盟すると、加盟国は「公正な貿易取引を行わなければならない」(厳密ではないのであらかじめ申し上げておきます)のですもっとも顕著には、輸入関税を乗せすぎてはいけない。しかしそれ以外の慣習までも「どうなければならない」ということは制限しません。「ガンベーイ(乾杯)」と言って飲むのが中国人のスタイルだとすれば、WTOはこれに対して「NO」というわけではありません。そして、レモンジュースをワインに混ぜて飲むスタイルがあるとすれば、これに対してフランス人が「ヤメテー」というわけにはいかない。

業者が小売を誘って接待を行うと、「ガンベーイ」セッションがスタートするそうです。グラスの中身には、メドックの特級が入っている。業者は、一緒に乾杯に参加するか、トイレにといって席を立つかどちらか。

またワインと一言で言っても、実は既に国内産のワインは既に市場にあります。ダイナスティ、エンタイ・チャンユ、グレート・ウォールなど。グレート・ウォールは販売促進活動の一環としてレモンジュースをバンドルつける。ラベルには「南西四川半島出身のミント・フレーバーのワインは、アイス・ウォーターと一緒に飲むとさわやかな気分にさせてくれます」と書いてあるのです。あるいは、最近のコルク付のボトルに対して、スクリューキャップ付のワインを見た消費者は「これが便利なのよね。前はあったのにねー」

業者は「教育がキー」ということが分かっている様子。ブラックベリーだのグースベリーなど、ワインのフレーバーとして参照される果実ではあるけれども、中国ではなじみのない果実の名を聞かされて顧客が困惑しないよう、中国で良く見かける果実をリストし、その果実との対比を試みようとしています。

そうは言いながらも中国でのビジネスは伸びている様子です。ペルノリカールによれば2000年から2001年にかけて10%の伸びだったそうで、これからも相当の伸びを予想しているのです。

CNNドットコムが7日に伝えていましたものを要約しましたが、確かに教育が必要ですよね。日本でも同じ。そうでなければ需要は着実には伸びてはいかないでしょうね。あとは価格。価格が高ければ、酸化していないワインを確実に飲めるような、そんな「安心できるグラスワイン」を飲める場所の提供が必要でしょうね。日本でも出てくると思いますよ。(H)

トスカナ人、シシリアへ行く

要約:
セッテ・ポンティのアントニオ・モレッティ氏は、シシリアに74エーカーの土地を買いました。ネドダヴォラ種からパッシートを生産するようです。畑の1/3は既に20年前に植樹されたブドウがありますが残りはこれからのようです。「ネロ・ダヴォラには最適の土地です。今の木がどんな果実をつけるかを見てからどうするか決めますよ」と氏は語っています。

セッテ・ポンティのワインは、750エーカーの土地から収穫されるサンジョベーゼをベースにしたクロニョーロ、それにカベルネ&サンジョベーゼブレンドのオレーノがありますが、両方ともスペクテーター誌では、「優秀」のレーティングを受けています。セッテ・ポンティでは、カルロ・フェッリーニ氏がコンサルタントを行なっていますが、シシリアでもフェッリーニ氏が起用されるようです。

モレッティ氏は、他にも110エーカーの土地をトスカナで購入していて、これまでに2百万ドルと投資したと伝えられます。

多分、モレッティ氏はファッション界の起業家としての方が良く知られていますが、ワイン界でも着実に知名度を上げています。
要約終わり:

7日付けワンスペクテーターからでした。(H)

ボルドーでのスキャンダルはどうなった?

「われわれボルドーが生産するワインのわずか0.05%が問題があったとされる。そして売上の0.1%が問題があっただけで、大したスキャンダルではない!」

とCIVBのマネージング・ディレクターのローランド・フルディ氏がハーパー誌に語ったものです。先週のハーパー・オンラインに出ていました。どうですかねこの話は?

先週もお伝えしましたが、ジャック・エメール氏が1994年から1997年にかけて、ボルドー産のクリュ・ブルジョワとプチ・シャトー物に地中海産のワインをブレンドして、ネゴシアンに売却したというものです。そのネゴシアンは、ジネステ、GVC、コルディエール、CVBG、デュロン、ムストレサ&ドメーヌの6社です。エメール氏には4月8日に、18ヶ月の拘留と38000ユーロの罰金刑が言い渡されると考えられます。

CVBGのマン・マリー・シャドロニエール氏は、「私達は無罪、欺かれました」とハーパーに語っています。6社とも無罪を主張していますが、警察当局は罰金刑を求刑しているようです。

さて、話はちょっとそれますが、シャンパンにはCIVC(Comite Interprofessionnel du Vin de Chanpagne)という組織があります。この組織は非常に有名で、シャンパンが世界中に知られるようになるためには欠かせなかったとされる、いわばシャンパーニュの商工会議所で生産、流通、販売促進活動を行なう公的機関です。「シャンパン」という言葉をシャンパーニュ以外で生産されたものにしか使っていけないという活動を行なって認めさせたといえば、その存在意義は推して知るべしでしょうね。

そこで本題にもどってCIVBというのは、Comite Interprofessionnel du Vin de Bordeauxだろうなと思うわけですが−もし違っていたら教えてくださいね−もしそうだとすると、冒頭の発言は、明らかに問題発言ですね。日本で「狂牛病の牛が、数百万頭の中でたったの4頭だけじゃないか。対した問題ではない」という政治家がいるようなものではないでしょうか?この人は即刻退場いただくべきだと思いますね。こういう発言をすると、本来は一部の業者の問題であるものを、ボルドーの問題にしてしまうことになるのでは?(H)

品種表示が良くない!?

要約:
INAO(Institut National des Appellations d'Origine)の代表のルノー氏はロンドンのフランス大使館で開かれたプレス・コンファレンスの中で「この世界中のワイン供給過剰は、テロワール主義で解決されるべき」と述べました。「品種を表示したワインであふれかえっている。そんな中で競争に勝とうと思うのであれば、ユニークさを前面に押し出すしかない。シャルドネは何千もあるが、ボヌゾーといえばたった一つだ」

ルノー氏のミッションは、フランス国内で沸き起こっているAOC(Appellation of d'Origine Controlee)原産地呼称による格付け制に対する疑問の声を抑えつけることです。過去には「相当な非難があった」ということを認めながらも、フランスワインの将来はテロワールを重視することであると言い切ります。

「アペラシオン=原産地呼称というのは極めてモダンな考え方に基づくものです。確かにさまざまな要因で流されてきましたが、今はこれを強化すべきなのです」としてセパージュ=品種に基づく手法に対して反対意見を述べました。

新世界ワインの大成功を目の当たりにした上でのルノー氏のお経のごときアペラシオン重用説に対して、会場からは「あなたは華麗で、フランス人にユニークな、降伏の仕方を説いているだけだ」という非難も飛び出しました。

「われわれ独自のよりどころの問題ですよ。ワインは私達の魂ではないですか?ある意味、新世界ワインは、私達の持っている問題に対して解答をだしてくれたのです。消費者に対して文化的、精神的にも他のチョイスを提供してくれたということでね。私が言いたいのは、われわれのシステムは、彼らのシステムともに共生すべきだということなのです」
要約終わり:

これは3月1日付デカンター・オンラインからでした。深い話ですね。ルノーさん、いい味出してますね。私の提案は、品種もAOCもラベルに書いたらどう?(H)

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ご意見、質問等ありましたらhm@barriqueville.comまでお寄せください。では来週。