Topics&Columns(2002年4月30日)

 

オリビア・ニュートン・ジョンのブランド・ワイン

かのオリビア・ニュートン・ジョンが(と言っても皆さんご存知ですかね?)オーストラリアで、コアラ・ブルーというワインのブランドを出すようです。このブランド、実は彼女がファッション・チェーンとして持っていたブランドでしたが、前回の不況のおりにつぶれてしまっています。そのブランドを今回、ワイナリー大手のスノードン・ワインと組んで復活させるとのニュース。

きっかけはスノードンの社長夫人と乗馬で一緒になったことで、話をもちかけられたようです。そしてスノードン畑からとれるシャルドネとシラーを計40000ケース生産する予定だそうです。なんだか金持ちの無駄遣い・・・という気もしないではありません。今、オーストラリアのワインビジネスはブームで、その一環としてでてきた話なのかもしれません。

 

ワインECどこへ行く?

要約:
Eヴィニヤードが56人いた社員の26人をレイオフしたと発表しました。エンジニアやITがメインです。

Eヴィニヤードは、いわばアメリカのワインECの残骸を集めたような会社ではありますが、広報担当のジーン・ジャコートによれば、「会社を健全に経営してきました。出費も厳しく管理し、日々のビジネスを注意深く運営してきました。それがゆえに生き残ることが出来たのです」とのこと。

今年一月、会社の創設者であるラリー・ガーハードが日々のマネジメントから退いて会長になり、後釜のCEOを探していましたが、3月にLVMHにいたピーター・エクマンをスカウトしました。

今回のレイオフは、エクマン氏の拡大路線に沿って、本社をポートランドからベイ・エリアに移転するという動きの中でとられたものでした。

「二大ディストリビューターはベイエリアにいますし、取り扱い銘柄の70%はソノマとナパに位置します。さらに家賃が若干安い。何より拡大路線にあうような人材へのアクセスがしやすくなります」とジャコートは述べています。
要約終わり:

この記事は24日づけ、プレスデモクラットが伝えたものです。ビジネスを伸ばすためには、売り上げを上げて、そしてコストを適正に保つことしかありませんが、どこに勝算があるのかはまだわかりません。コスト面は多分わかっていて述べていないのでしょうが、人件費はポートランドとベイエリアでは全く違うのです。

こんなところで講義を始めてもしょうがありませんが、マージンは売り上げ(本数×単価)から、コスト(仕入れ価格、マーケティング費、人件費その他)を引いたものです。ECで、かつディストリビュータを使っているので、物流費用は入り口も出口も変わらない。ベイエリアの人件費が高いので、仮に同じマーケティング活動を行ったとしても外注コストが上がる。無論社内の人件費は上がる。一方で、9月11日以降ワイン消費が弱くなり、さらにECサイトでワインを購入する消費層の伸びは鈍化しているというそういう環境の中で、どうやって売り上げを伸ばしていくのか?

彼らの拡張路線というのは、世界中のワインEC関係者にとって非常に重要な意味を持っています。成功しても、失敗してもひとつのモデルとなるでしょう。(H)

ワイン供給過剰

で、その取り巻く環境はどうなっているかということを説明することになるかもしれませんが・・・

要約:
9月11日以降の弱含みの需要、さらに輸入ワインからの激しい競争−結果的に多くのワイナリーで価格を下げてきています。特別販売、もしくは大き目のボトルで販売するようなやり方です。

ワイン・インスティテュートのグレイディ・ホリウチは「そこら中にワインがありますよ。競争が激しい。価格競争の状況にさらされています。ドルが強いので輸入ワインが10年前に比較するとより安くなっていますし、スーパーの棚で多くのスペースを獲得できるようになっています」と述べています。

輸入ワインのシェアは22%となり、数年前より数%上昇しています。もっとも大きなダメージを受けているのは3ドルから6ドルまでの市場。消費者は、10ドル以下でより上質のオーストラリア産に目を向けるようになってきました。

カナンダイグア社のもっともポピュラーなワインである「ヴェンデインジ(ヴァンダンジュ)」は小売でおよそ5ドル近辺でしたが、最近は3ドル近辺まで落ちてきています。

定期的に分析レポートを出しているMKFは「8ドル以下の市場では昨年3%価格が落ちた。8ドル以上15ドルまでのマーケットでは、ベビーブーマー年代が消費人口になり始めたため昨年13%上昇、70ドル以上のマーケットは変わらず。」と述べています。

しかし数名の醸造家たちによれば、20ドルから60ドルのレンジのワインを売るのはむずかしくなりつつあるとし、レストラン向けのワインが結局はチェーンストアやディスカウンターに流れていかざるをえない状況があるともいってます。

金のかかるランチやディナーは少なくなり、レストランも在庫量を減らし、高価なワインを生産してきたワイナリーも価格を抑えそしてディスカウントを始めました。特にシャルドネのディスカウントは大きくなりつつあります。
要約終わり:

22日付ボルチモア・サン誌からでした。まあ消費者にとっては価格が下がるというのは良いわけです。在庫が一杯になってきたためのグラスで小分けして販売するというのはありですよね。

日本はどうなっているんだ?

「景気に無関係に好調だ。日本はアジア全土の消費量の80%をしめ、消費量もうなぎのぼり。1994年には1.8リットル/人であったが、2000年には3リットル/人だ。この間、台湾では消費量は105.9%伸びたし、日本でも87.1%ものびた。中国では61.8%の伸び。競争は厳しいがそれはそれでよいこと」と載っていました。こういう適当なことを言うのは、いつものボルドーのジャンーマリー・シャドロニエで、ジャパンタイムズ25日号に、ヴィネクスポ・アジアパシフィックの代表という形で載っていました。ボルドーのことだけではなくて、海外市場のことも適当に言ってしまう人ですね。しかしこれまでの発言を考えると、多分見方がマクロすぎるのですね、この人は。

ヴィネクスポは6月4日から6日まで、東京ビッグサイトで行われます。(H)

ジンファンデルvsプリミティーヴォ

BATF(アルコール、タバコ、銃火器局=いつも訳せません)が、「プリミティーヴォをジンファンデルと命名してよい」と発表しました。UCデイヴィスが「二つの品種は、DNA鑑定上同一とみなせる」とサポートしたことに基づきます。やはりUCデイヴィスはいい加減だ。違うといったり、同じと言ったり、どっちなんだ?

要約:
ピーチー・キャニオンのダグ・ベケットは「いや、そうでもないんじゃあないの?」と言っています。彼は以前ジンファンデル協会の会長でした。

「起源は同じかもしれないが、数百年の時を経てずいぶんと違ってきている。いわば従兄弟みたいなもので、一卵性双生児以上の開きがある。BATFの関心のある消費者の『混乱する状況』とは全く関係がないはずだ。むしろ(われわれサイドの)マーケティングに関係する。プリミティーヴォは見た目も、フレーバーも品質も異なる。プリミティーヴォはイタリアでは低品質のジャグ・ワインに使われる。一方ジンファンデルは20年来そのマーケットを確立しようとしてきた。だjからイタリア人はその市場を分けて欲しいわけだ。どこからこういう話が来たかすでにお見通し。ワインを売るためのマーケティングなのだ。生産者の多くは別々にしておいて欲しいと思っている。どちらが好きなのか消費者に決めさせればよい。あるいは両方が好きかも知れないがね。」と述べました。
要約終わり:

まあどこからか圧力がかかったのですかね?イタリア系の力のある政治家というのは誰かいますかね?しかし、ベケットも古いかもしれませんね。プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリアの中にはすばらしく良いものがあります。全くアメリカのジンファンデルに似たような。いろんな意味で。(H)

そういえばボトル問題はどうなった?

実は全く書いたことはありませんでしたが、最近のボトルは重すぎます。よくない。

ペットボトルはむずかしいですが、リターナブルのプラスチックボトルというのはどうでしょうかね?大手というのは、こういうところは先進的な動きができます。

カナンダイグアはプラスチックボトルでワインを売り出しました。1998年に導入された「アーバー・ミスト」ブランドをこのパッケージで販売し、携帯用・外出用のワイン市場、新たなチャンネルの開拓を目指すものです。サイズは375mlで、ジンファンデルやシャルドネにフレーバーとつけたものです。こちらをご覧ください。http://prn.newscom.com/cgi-bin/pub/s?f=PRN/prnpub&p1=20020422-NYM017&xtag=PRN-prnphotos-24564&redir=preview&tr=1&row=1

4月22日に全米で売り出されました。価格は1.99ドル〜2.49ドルとの事です。このアーバー・ミストは、投入時にはかなり評判になった飲料でした。

コルクもそうでしょうが、どうもやはり「伝統的なもの」に引きづられて、世の中の流れを無視しがちな業界ですよね。たとえば、今でこそ下火になってきつつありますが、1999年当時、ワインのボトルは「処理に困る」という報道がいろいろなところでなされました。色付きのワインボトルは、使い道がなくて、リサイクルと言いますか回収がなされない限り、砕いて、素材にせざるを得ない事情があります。国内のワイン産業が小さいから、生産現場に戻しようがないためです。どう再利用されているのでしょうかね?どうなっているのでしょうかね?このあたり、EUでは、ワインボトルはリターンしているのでしょうか?

それはともかく、ワインは重い。軽くて済むはずではないですかね?熱伝導率とか、保存とか、耐久性とか考えてもポリブチレンとかで出来ないのですかね?だれか教えてください。

あと、ボトルに色がついている必要があるのですかね?ある程度太陽光を和らげるというのはあるのでしょうが、どれぐらい効果があるのでしょうかね?透明との違いはあるのでしょうかね?最近の研究データとかあるのでしょうか?(H)

その他のトピック

下記のようなものがありました。期せずして全く意図しないトピックばかり書いてしまいました。アメリカばっかりでしたね。

  • ドメインシャンドンが新たなスパークリングを発売
  • オーストラリアは、アメリカ政府がブドウ生産者に出している補助金を非難
  • ガロ、ヴィニタリーで3回目の受賞
  • 2001年ボルドーについて、ジャンシス・ロビンソンが2つの単語で表現するなら「バイ・ソーテルヌ」(ソーテルヌを買いなさい)

 

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ご意見、ご質問、苦情、問題の指摘などありましたらhm@barriqueville.comまでお寄せください。では来週。