Topics&Columns(2002年6月24日)
またスクリュー・キャップを採用するワイナリー登場
オレゴンのワイナリーが生産の一部にスクリューキャップを採用する計画です。重力を利用したワイン生産方式で有名なプレミア・ワイナリー、ウィラケンズィー・エステートは2001年のヴィンテージの15%で使うことを決めました。まずはこの夏にリリースされるピノ・グリから有名なピノ・ノワール・キュベにいたるまで全ての製品でスクリュー・キャップを使います。消費者はどちらかを選ぶことができるというわけです。
ワイナリー側曰く、「業界からの反応はとてもポジティブです。もし思ったとおりにことが進めば、来年には製品の50%で採用するかもしれません。」とのこと。
殺し屋がついに北部にやってきた
不思議なことに6月17日のイギリス発のデカンタードットコムからです。ガラス羽シャープシューターの卵が、カリフォルニア北部のサンタロサの苗床から出てきました。ソノマです。
ガラス羽シャープシューターのトピックに関しては久しぶりなのですが、これまで記事を見る限りは、かなりの資金を投じて、ある程度コントロールが出来ている印象がありました。私などは素人頭で、2001年は収穫が激減するのではないかと思っておりましたが、そうではありませんでしたしね。しかし、ここにきて、驚きの報告という感じです。
今回は、サンタロサの3つの苗床から4つの木々に付着しているのが見つかったというものです。これまで、サンタロサの苗床からの報告では、南部から持ち込まれた幼木に「一つの卵が付着していた」といってはニュースになっていたわけですので、3つの苗床から4つの木々というのはちょっと心配です。(H)
130年前のラフィットの価格
21日、22日のロス・アンゼルスでのクリスティーズ・オークションで1870年物のシャトー・ラフィットのマグナムボトルが競売に掛かったようです。これは18日のデカンタードットコムが「かかる」と伝えたものですので、おそらく掛かったでしょう。
この日の記事では、クリスティーズは価格的には22000ドルから26000ドル程度になると予想しているとのことでしたが・・・実際はどうだったでしょう?実はこれを書いている最中が22日のオークションの真っ最中と思われます・・・
もともとはこのボトルは、スコットランドのグラミス城のセラーにあったもので、最初は、マイケル・ブロードベントの手によって1971年にオークションにかけられたもの、そして1986年にシャトーでリコルク、リキャップされたとのこと。
面白いもので、この辺りのボトルになると、その由緒正しさを語らねばならないのでしょうか。このデカンターの記事には、グラミス城のことが書いてあります。Earls of Strathmoreの生家、そして皇太后の生家であり、そしてマクベスにも登場する。このワインは1878年に、Earls of Strathmore13世が購入したものの、ワインが余りに酸っぱかったので、実質そのまま放置された・・・といったことが書いてあります。
この他にももう一本、1870年物がオークションにかけられるようですが、マグナムではなくまた、ロマンチックな由来にかけるとのことで価格は6000ドル程度が予想されていました。ワインは味だけでなく、あるいはパーカーポイントだけでなく、由来とか、どういう変遷だとか、人間とか・・・そういうもので買われるんですね。
そしてさらに、このオークションでは、オールドイングルヌックの1892年、1897年のピノ・ノワールが競売にかけられるとのことで、価格は1000ドル〜1500ドルが予定されていました。
無論私にとりましては、イングルヌックが最も興味深いですが、素性がわからないし、味も多分まずいのでそんな価格の予想なのですかね〜。この記事でオークションの意味がわかったような気がしました。(H)
シラーよりシラーズが売れる事実を直視せよ
ばかばかしいといえばそうなのかも知れませんが、名前をシラーズからシラーに変更したら、売上が半分になったという話です。「シラー」はもともとフランスのコート・デュ・ローヌ地方を中心に作られている品種で、「シラーズ」は同じ品種ですがオーストラリアではこう呼ばれています。つまり、シラーといえばフランス産、シラーズといえばオーストラリア産だというイメージが強いわけです(もちろん、例外はあります)。
どうもEU内部では、EU内部で生産されたシラーは「シラーズ」と命名してはいけないようです。
イギリスの大手スーパー、セインツベリーは、"Wild Pig" と"Reserve St Marc"の二つのワインを、最初「シラーズ」で売っていたところ、Wine Standard Boade (WSB)から「その名づけは違法」との指摘を受けたのです。違法なら仕方ないということで、シラーズをシラーと名前を変えて、再度店頭に並べたところ、売上が50%になったということのようです。
これはハーパーとデカンターが伝えたもので、「法律に問題あって、フレキシブルな運用が出来たほうがよいという動きが出てきつつある」という内容にも触れています。一旦法律を定めますと、仮に悪法であっても法律ですから守らねばならないわけです。悪法も初めから悪法ではなくて、時代に合わなくなるので悪になってしまうのですよね。
それより何より、シラーよりシラーズが売れるというのはどういうことなんだ?本来なら値段との関係とか、タイミングとか、マーケットの成熟度を考えなければならないのです。最初のシラーズ版で、「シラーファン」もずいぶんと上の二つのワインを買って飲んだかもしれない。そしてまずい思いをしたかもしれない。本当はシラーでもシラーズでも良いのだか、「あのワインはまずい」と思えば、リピートで買う人はいないですよね。上記の二つのワインは3.99ポンドだそうですから、まあ安い。しかし、仮に「シラーは値段が高ければいいが、安いとまずい。」と私と同じように思っている人が多ければ、シラーになったとたんに買わないかもしれませんね確かに。
しかし一般の消費者の皆さんにとっては、間違いなくオーストラリアワインのバリューが高いんですよ。それはイギリスにはどこからのワインがもっとも輸入が多いかを考えれば一目瞭然ですね。フランスの皆さん、味で勝負してくださいね。
defive考
すでにバリックヴィルの広告で入れていますのでご承知の方もいらっしゃると思いますが、渋谷にdecfiveというワインテースティング・バーがオープンしました。400種類のワインをグラスで出します・・・私はそこのワイン選びを担当しています。
このデックファイヴの事の発端は、飲み手としての発想にありました。私達消費者は、良いものを安く、そして様々な種類のものを飲みたいと思っています。デックファイヴでは、それを実現するために、「ワインが酸化のために劣化させない」ツールを開発し、カウンターに冷蔵装置をはめ込み、そして数多くのワインを楽しみながら、かつ消費者の方がソムリエに面することで「恥ずかしい思い」をすることなくワインを選べるよう検索エンジンを導入しています。その上で最も重要なことは、かなり大胆な価格設定です。世界初、日本初の新たなコンセプトとツールとセッティングを盛り込もうという意気込みでやっています。
なにぶんにも、6月15日に立ち上げたばかりで、まだまだプラン通りに完成していない部分、改善すべきは山ほどありますが、幸いなことに既にいくつかのメディアにも取り上げていただいて、おかげさまで客足もまずまずといった感じです。そして消費者のためにとは言いながらも、業界の関係者からも多くのサポートやコラボレーションのアイデアや申し出をいただいていまして、この事業を立ち上げて本当に良かったという思いを強くしています。
しかし、これからは「商売」にしていかねばならないわけで、そうすると「消費者が消費者のために・・・」というのがどこまでいけるかというところが、自分自身と仲間への挑戦となるだろうなと思っています。皆さんのご指導とアドバイスをよろしくお願いします。今月いっぱいは、メインページにリンクのあるデックファイブの割引クーポンをプリントアウトしてお持ちいただければ、10%引きとさせていただいております。
きょうはこのあたりで・・・バリックヴィルの視点を忘れずにdecfive考を不定期で載せていきます。また、バリックヴィルはバリックヴィルで続けていきますので、ご安心ください。え?だれも心配してない?(H)