Topics&Columns(2002年7月8日)

 

ボジョレーの生産調整

「低価格ワインは新世界」という共通認識が広まって、フランスの生産者、とくに低価格帯のワインをつくっている生産者の生き残る道はなかなか険しいようです。ボジョレー・ヌーヴォーは今以上に高くなるのでしょうか。decanter.com、Times Onlineからのニュースです。

要約:

ボジョレーの生産者団体、Union Interprofessionnelle des Vins du Beaujolais (UIVB)は、過剰在庫を一掃するために、2001年のワインのうち、10万ヘクトリットル(1300万ボトル相当)を廃棄することを決定しました。対象となるのは、ボジョレーおよびボジョレー・ヴィラージュです。一部はヴィネガーや燃料とする再利用されるでしょうが、そのまま排水溝に流されるものも。

全世界的には6000万ヘクトリットルのワインが供給過剰となっており、生産量の半分を輸出しているボジョレーとしてはグローバルなワイン市場での競争激化により深刻なるダメージを受けている。「われわれはワインを廃棄せずに、ヴァン・ド・ターブルとして売ることも出来る。だが、その市場にトラブルを起こしたくないのだ」とは、UIVBのプレジデントであるモーリス・ラージ氏の言。フランスの生産者は新世界からの競争を前にして独りよがりな対応をしているのだ。

ラージ氏によると、「消費者は一つのブランドに肩入れしてくれなくなっており、テレビのチャンネルを変えるように次々とワインを変えていくようになっている。われわれはすべてのものから守られていると思っていたが、市場のグローバル化によってそれもここ数年難しいものとなっている。だが、われわれは負けを認めるという誠実さは持っているのだ。」

ボジョレーはそのブランドを守り抜くためにやるべきことが3つある。新しく畑をつくらないこと、それぞれの生産者たちが生産量の歩留まりを低くおさえること、そしてより厳しい品質基準を導入すること、である。

要約終わり

 

カステロ・バンフィとジャズの夕べ

ワイナリーでコンサートをおこなうもので最も有名なのはオーストラリアのルーウィンですが、カステロ・バンフィでも5年前から中世の要塞のあった場所を舞台にジャズの夕べを行なっています。今年は7月11日から17日の予定で、ジャズのフュージョンからクラシックなものまで揃っているイベントで、サラ・ジェーン・モリスなどサンレモ音楽祭の常連も出演します。しかし、スタートはなんと夜の10時です。さすがイタリアです。終わってからまだ公共輸送手段はあるのかが、とても心配なのですが)

こういった催し、日本でも行なわれれば面白いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。甲府のワイン祭りと音楽祭をくっつけるとか・・・なかなか楽しそうだと思います。

 

忘れられたワインたち

ロンドンのフォートナム・アンド・メースン、(高級食料品店で日本ではお茶が有名ですよね)では、迷子になった1949年のシャトー・ラトゥールはじめプレミアムワインが、オーナーの帰りを待っています。decanter.comからです。

要約:

200年の歴史を誇りピカデリーに店を構えるフォートナム・アンド・メースンは、顧客サービスとして長らく無料でワインを預かってきました。しかし在庫スペースが厳しくなってきたためこのサービスをとりやめることにしたのですが、所有者がわからなくなっているワイン、ウイスキー、ポートなどが大量にでてきました。ボルドーでは、1966年のラランド・ド・ポムロール(ミック・ジャガー氏所有)、50年前のボジョレー(でもきっともう飲めない代物だろう)、クリュッグ1961年ハーフケースなどです。

1949年のラトゥールは、パーカーポイント100であり、保存状態も申し分ありません。もともとの紫色のうすい紙でラッピングされ、わらを敷き詰めたオリジナルの木箱に入っています。最低でも20000ポンド(約400万円)の価値はあります。

この木箱は30年間、セラーにあり、クリストファー・プラマーもしくはイレーヌ・テイラーという人物の所有だというラベルがついているのですが、とうとう見つけられませんでした。

現在、広告をだしており、約3ヶ月待って持ち主が現れなかったときにはクリスマスの頃に売りに出すこととなるでしょう。」とワイン・バイヤーのジェームズ・テイラーが話してくれました。かなりの利益となります。1989年には4ケースのクリュッグ1964年を会計事務所のKPMGに一本100ポンド(約2万円)で売っています。

しかしミック・ジャガー氏のところにはちゃんとワインが届けられることになります。「しかし彼は本当にそれを喜ばしいことだと思っているのかどうかはわかりません。彼から感謝の手紙をもらったことはないですから。」

要約終わり

これがただのサービスでなければ、きっと預け忘れてはいなかったのでしょうね。「ただほど怖いものはない」。みなさん、自分のワインの管理はしっかりしましょうね。

 

アペラシオンの合併

これも上のボジョレーと同様、フランスの生産者はどこでも危機意識が高まってきていることが伺えるニュースです。

要約:
新世界や他のヨーロッパ諸国に押されぎみのフランスの生産者達は防戦をはじめています。その一つの動きとして協力体制をつくることですが、その試みが先週(6月17日の週)、挫折しました。ボルドーの比較的小さいAOCであるリストラックとムーリスは20年にわたって合併を検討してきましたが、18日に行なわれた投票の結果、20対13で合併は認められませんでした。あと2票はいっていれば、合併することになっていたのですが。

リストラック側のワイナリーはすでに合併を承認しており、問題はムーリスでした。ムーリスには比較的有名なシャトーがあり、知名度ではムーリスの方が上なのです。たとえば、ムーリスには、Chateau Poujeaux, Chasse-Spleen, Maucaillouといった日本でも有名なワイナリーがあるのです。

ちなみにリストラックは1730エーカー、ムーリスは1500エーカーです。ブドウ生産者はリストラックが70、瓶詰めまで自分でやるところが30に対し、ムーリスでは38の生産専門と44のシャトーとなっています。
要約終わり

ワインの世界も二極化が進む時代なのかもしれません。

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ご意見、ご質問、苦情、問題の指摘などありましたらhm@barriqueville.comまでお寄せください。では来週。