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Topics&Columns(2003年10月20日)
ブドウとクラゲを交配しろ!
いやはやすごい。クラゲは確かに食べ物としても知られていますが・・・10月16日付けCenterDaily.comからお伝えしましょう。
要約:
クラゲの光る能力というのは、フロリダ大学の植物学者であるデニス・グレイ氏には極めて重要なことなのだ。ブドウの葉が光るとしても何も驚くほどのことはない。遺伝子工学は今やどこでもあるのだ。「ちょっと恐怖予防接種はする必要があるかもしれない。でもクラゲはいつでも食べてるんだよね」
グレイ氏は過去5年間、ブドウとカイコやクラゲとの交配を試みているのだ。これまでのブドウの進化の過程で獲得できなかったカイコやクラゲの特性を身に付けさせるためである。「実際この南東部というところはブドウの文化の中心地なんだ」
しかしフロリダでは、最も利益を生み出すヴィティス・ヴィニフェラは出来なかった。その代わりにフロリダではあまり人気はないが、バクテリアには強いマスカダインというブドウを多用してきた。
ピアース病というのは、バクテリアが植物の水管を詰まらせて植物を死滅させるという病気である。ガラス羽シャープシューターという昆虫が媒介するものであり、急速に伝染する。この病気に襲われたカリフォルニアでは何千エーカーものブドウ畑が壊滅状態となった。フロリダでも同じ問題は抱えつづけている。
『もし、ヴィティス・ヴィニフェラというブドウ品種がカイコのようであったなら?』
というのは、いくつかの会社を訪ねてひらめいたアイデアである。「カイコはバクテリアによる感染で死ぬことはないのだから」とグレイ氏。カイコのDNAをVヴィニフェラに移植することで、フロリダ発の免疫システムを持つヨーロッパフレーバーのブドウを創れる。というのである。
カイコのDNAを移植する前に、グレイ氏はそのDNAを、クラゲの発光をもたらすDNAに組み合わせようとしている。一定の状況下になった植物は光ることで自らの状況を知らせるようにするということを考えたのである。
実際にグレイ氏が遺伝子組み替えを行なった植物は、映画「超人ハルク」で見たように、暗い緑色の蛍光を発するのである。遺伝子組み替えを行なった組織はそう機能するようだ。そしてその光があることで、食物は二つのDNAをもっていることを示すのである。
ブドウに遺伝子を組み込み、さらにピアース病耐性の試験が完了するまでにはあと2、3年かかるようである。「研究所では弾丸にも負けないブドウを創るつもり」とグレイ氏。
仮にグレイ氏が成功することになれば、2002年消費量全米第3位となったフロリダで大きな需要があることは明らかである。かつ年間を通じて栽培できるので、ローカル市場で栽培できる以上のブドウを生産できるようになる。グレイ氏の成功報告を待つ生産者達の期待は「フロリダをナパに変える」「東海岸への大供給者になれる」と大きいのだ。フロリダでは1月から4月までブドウの栽培ができる。そのようなことができるのは米国ではフロリダしかない。今からミシシッピ以東の20州にどのように供給しようかと考える生産者もいる。
「もし成功することになれば、カリフォルニアの生産者達がフロリダで栽培を開始することになるでしょう。フロリダの人々に直接売れるようになるわけだから。そうなったら大変な収益だね。しかしビジネスになるまではあと8〜10年はかかると思う」とグレイ氏。
要約終わり:
す、すごい。日本人には絶対に考えつかん。しかし病気に強ければヴィティス・ヴィニフェラが育つのかな?動物の特性を植物に持たせるということが現実的になってきたわけですか。するってーと肉食の植物とか?その逆は?植物の特性を持つ動物は?例えば、きんもくせいの香りを出しつづける人、バラの花をつける犬、んーどんな状況でも気味が悪いですね。(H)
自然を傷付けてよいか?
すでにいくつかのメディアでは2ヶ月以上前から伝えられている話ですが、カリフォルニアのカルトワイン登場の第一の貢献者であるデイヴィド・エイブリュー氏ですが、彼は問題を起こすのも得意です。
彼が手がける畑は、ハーラン、スクリーミング・イーグル、パルマイヤーなどなど山ほどですが、彼はブドウ栽培のための最適の斜面を造るために、彼は妥協を許さない人間として知られています。原生林をなぎ倒し思い切り整地を行ないます。
93年か94年かでしたか、ナパでの大洪水が起きたことがありました。今やカルト入りしたヴィアダーですが、ヴィアダーの畑こそが、この問題を作り出したとも言われました。というのも、ナパの平地、山々の麓は既にブドウ畑であふれかえっていて、新たな畑を作るとなればコストも考えると一定の高地にならざるを得なかったのですが、ヴィアダーの畑こそ原生林を切り倒して開いた畑でした。その時は、原告は行政で訴訟にまでなりましたがそのときは事なきを得ました。条例は厳しくなりました。
およそ10年経って、エイブリュー氏は許可を得ないままにアングウィンの畑を整地したということでまた問題となっています。木材運営許可、伐採許可、森林地変更許可の取得を怠ったというものです。
最新情報は10月15日付けnapanews.comに報告があります。ナパは来月にエイブリュー氏を告発するかどうか決定するようです。
多分これは畑マネジャーのエイブリュー氏というより、オーナーの問題なのですよね。一度パルマイヤー氏はスペクテーター誌で「うちのワイナリーを去ってもらっては困るのでね、決して小言は言わない」と述べていました。やるならしっかり値がつくワインを造らねば意味がないですが、しかし自然は壊してまでどこまでもやってよいということはないと思いますね。
おいしければそれでいい、売れればそれでいいではないかというのはあまりに意識が低い。消費者もサポートすべきではないと思います。(H)
カリフォルニア州知事
先日、圧倒的な支持をえて、州知事になったシュワルツネガーですが、ワイン業界では、必ずしも歓迎ムード一色ではないようです。10月20日付けのdecanter.comからです。
要約:
多くのワイン業界人は、先週、アーノルド・シュワルツネガーが州知事に当選した事にショックを受けたようだ。
一般には非常に人気の低かった前州知事のグレイ・デーヴィス氏だが、ピアス病の研究に数百万ドル拠出すると約束したしたり、結構積極的にやっていた部分もあります。2001年には毎年500万ドル、5年にわたって拠出するという法案にサインしました。別の法案でも1380万ドルをピアス対策として承認しています。
シュワルツネガー氏はこれらの政治的なプログラムを続けていくつもりはないのではないかと考える向きもあります。Napa Valley Registerという情報誌のマネージング・エディターであるBill Kisliuk氏は、「あるブドウ栽培者は農業政策の変化を心配している。」と語った。昨日ロンドンでひらかれていたNapa Valley Vintners Associationのテースティングに出席したワイン業界の人たちも同様の見方をしている。
だが、同時に、シュワルツネガー氏が発展に寄与してくれるのではないかという期待もしている。SaintsburyのDick Ward氏は、「彼はカリフォルニアをもっとビジネスしやすい環境にしたいというキャンペーンした。大きな変化をおこしたいという野心もあるようだ。だが、彼はいくつかの難しい問題も引き継いだが・・・」と語り、Margaret Duckhornは、「ちょっとこわいわ。382億ドルの赤字をどうにかしてくれる人が必要だと思う。」と言った。
だが、ナパ・バレーの圧倒的多数の住民はシュワルツネガーに投票した。と同時にデーヴィス氏のリコールには反対した。
今のところ、ワイン業界はシュワルツネガーに対して不安を抱きながらも、期待をしているのだ。
要約終わり:
ハイテク・かかし
ワイン業界、というより、ブドウ生産者にしか興味のない話だと思いますが、なかなかユニークなハイテク・かかしが発明されたという記事が、10月15日付けワイン・スペクテーターに載っていました。映像は http://www.winespectator.com/Wine/Daily/News/0,1145,2215,00.html で見てください。
要約:
昔ながらのワラのかかし、ぴかぴか光るパイの円盤、プラスティック製のふくろうや天敵である鷹といった様々な案山子はもう必要ないかもしれない。ハイテクがブドウを守ってくれる。
カナダのNoble Vision Robotics Corporationは、この度、iScarecrowという製品を開発した。これは鳥の嫌いな音を発するロボットである。
「作物を自然の天敵から守るというのは古代から続く問題である。」とPaul d'Anreas氏は語る。「北米の農業全体で、2000年には約160億ドルの鳥などによる被害を受けている。
彼が最初にこの問題に取り組んだのは、兄弟であるジム(カルガリーの弁護士で、Noble Ridge Vineyardsのオーナーである)から話を聞いたからだ。
Noble Vision Robotics は、コンピューター映像設備やワイヤー・トラックのロボットの設計をしている会社だ。
「現在のシステムだと、一度、鳥がそれになれてしまうと効果がなくなる。だが、このシステムは、ソフトウェア知能を駆使して鳥を撃退する。」
このシステムでは、3つの部分で構成されている。ひとつめは視覚システム(高性能のカメラがモニターするエリアに取り付けられている)、「Scarebots」という音響システムで、鳥の嫌いな音を発するもの、そしてワイアー・トレリス・システム(Scarebotsが迅速に移動することを可能とするもの)である。
一つのカメラと8台のScarebotsで、1.4エーカーの畑を監視し、コストは3360ドルである。これはネットをかけるのに比べると2倍のコストとなる。だが、d'Anrea氏は、ひとたび設置すれば半永久的に使えると強調している。
これを聞いたRobert Mondavi Corp.のMichael Mondavi氏は、「非常に面白いシステムだと思う。われわれの生産者の中にも鳥害で困っているところがあるからね。」とコメントした。
要約終わり: