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Topics&Columns(2003年12月22日)
ハーラン、ワインクラブ始動
ハーランというのはハーラン・エステートのことです。クラブというのはワインの飲み会をやるクラブではなくて、ゴルフ・クラブならぬワイン・クラブということで、会員制のクラブ。さてその中身は・・・12月18日付けのワインスペクテーター・オンラインからです。
要約:
起業家ビル・ハーランは、これまでのナパにはなかった新たなプロジェクトを開始した。「ナパ・バレー・リザーブ」と呼ばれるこのプロジェクトでは、醸造からパッケージングまでのワイン生産の全ての段階にメンバーを参画させるというもの。ハーラン・エステートとメドウウッド・リゾートのオーナーであるハーラン氏は、このベンチャーの事をゴルフコースが畑とワイナリーに置き換わったゴルフ・クラブのようなものと言う。
「シリアスなワインラバーたちにもう一段階突っ込んでワインを学ぶ機会を持ってもらおうというものですよ―いわば、さまざまな変化を伴う天候と土壌を相手にしながら働く事で得られる満足を理解してもらおうというものです」
このクラブの事はこれまで口コミで広がってきたものだが、すでに50人のメンバーが集まっている。これまでのメンバー保証金は10万ドルである。先週にはハーラン・エステートのメーリング・リストに公表され、そして来春には正式にアナウンスし、最終的には400人のメンバーをもつクラブにする。「ポジティブなエネルギーを生み出したいですね。あまり混雑しない程度にね」とハーラン氏。
それぞれのメンバーは75ケース(3樽)までを購入する事ができる。ブドウはカベルネ、メドウウッド入り口の50エーカーの畑から取れるブドウである。2000年に購入し2002年に植え替えを行った。ワイナリーは建設中で、収穫が完了する頃には25000平方フィートのカーブも誕生する。ハーランのボブ・レヴィの指導するフルタイムのワインメーカーがワインを造る。負担なし、リスクなし、責任なしでワイン生産の満足を味わってもらおうというのが趣旨だ。
フルタイムのスタッフが必ずいるので、メンバーは自分の都合に合わせて生産活動に参加できる。栽培に参画するだけとか、ブレンディングに参加するとか、樽選択に参加する、あるいはパッケージングとか。ゴルフ・クラブと同じようにイベント・カレンダーが用意されており、興味のあるセミナーに参加するためには予約が必要になるが、一方メンバーしか参加できない。畑にはウェブカメラが設置されているので、一年を通じて畑の様子を見ることが出来るようになっている。
メンバー年会費は1000ドル。ワインを購入する場合、ボトルあたり45ドルを払う事になっている。
要約終わり:
期せずしてほぼ全訳です。
やり方はゴルフ・クラブの会員権の販売方式に確かに似ていますね。苗木のオーナーになって資本参加し、収穫期や剪定時期には作業に参加でき、できあがったワインをもらったり、特別価格で購入できる、という仕組みで資金集めをする方法が様々なワイン産地であります。日本にもやっている生産者もありました。それとはちょっと違うようです。
すごい穿った見方から整理しますと、@10万ドル払って野良作業をする。A他人が行う野良作業を見るのに年間1000ドル払う。B素人が造るワインに対して一本45ドル払う―そんなバカな。全く逆の好意的な見地から整理しますと、@10万ドルを払って世界一のワインを手に入れる権利を買う。A1000ドル払って、すばらしいワイン生産に参画し、世界一のボブからワイン生産のいろはから全工程を学び、ウェブカメラを通じて世界中のメンバーに自分の存在をアピールする事ができる。B追加たったの45ドルで、保証金まで入れても、たったの156ドル(松元計算)で世界一のワインが買える―わおー。
ナパで新たな流れを作ってきたビル・ハーランですが、2000年時点で買った畑は相当に高かった→市場が悪く、ファイナンス業界からはワイン生産に金が集まらない→ハーランの名に引かれる最終ユーザーからお金を集める。というある意味苦肉の策だったのではないでしょうか。しかし、このクラブに入会する大きなメリットがあるとすれば、「共通の趣味を持つ金持ちたちのネットワークがもてる」という事でしょう。ゴルフほどに一般化していないだけに、非常に有効なビジネス上のネットワークとなると思いますよ。ワインはともかくお金のある方はぜひ入ってはいかがでしょうか?(H)
ボルドー生産者の苦悩
ジャスト・ドリンク.コムの12月19日報道から。
要約:
La Chambre d’Agriculture de Girondeがthe Conseil Interprofessionnel
du Vin du Bordeaux
(CIVB)の協力の元に行った調査結果によると、不調な市場により500から1000ものボルドーのワイン生産者が財務的困難に直面している。
CIVBは、数はわからないが倒産や売却に動く生産者があっても自然だとしている。「バルクワインの価格を見れば、財務的に厳しい状況に陥る生産者たちがいるのがもっともだということがわかるでしょう」とJDCに語った。
二つの業界団体は、現在の状況をサポートするためのフレームワークを決め、ビジネス上のアドバイスや技術的救済を行う事にしている。
要約終わり:
頑張れボルドー!。(H)
フランス政府、プロモーション後押し
同日づけ同配信からは次の内容。
要約:
ONIVINSは、海外市場のプロモーション費用として10.276百万ユーロの予算を割り当てる決定をした。昨年は10百万ユーロだった。ONIVINが一度に全体の予算を発表するのは初めてのこと。より効果的なキャンペーン計画を策定させるためである。
UK、オランダ、ドイツの市場が最も大きな資金を得るが、アメリカも同様に強化市場である。5月にラスべガスで開催されるワイン&スピリッツ卸協会ショー、6月にシカゴで開催されるヴィネクスポでサポートを行う。
この新たな予算は、Sopexaが今年一年ボイコットに見舞われた米国へのマーケティング予算の強化を決定した1日後に発表されたもの。Sopexa自体は、米国向けの予算を6百万ユーロから7.5百万ユーロに強化したが、増加分のほとんどはワイン部門強化に当てられる。
要約おわり:
上の記事との関連はあまり明確ではありませんが、二つ並びますと今年のボジョレー・ヌーヴォーとは裏腹にフランスワイン業界苦悩している様子がわかります。(H)
ムエックス氏、吼える
12月18日付けハーパー・オンラインからです。
要約:
シャトー・ベトリュス他右岸のいくつかのシャトーを所有するクリスチャン・ムエックス氏は、ボルドーやスペインの生産者たちは収穫を極限まで抑えて、極度に凝縮したワイン、しかしながら「バランスを欠き」「飲めない」ワインを生産していると非難した。
ワイン商であるCorney & Barrow at AntonがロンドンのMosimann’s で行ったディナーの席上で吼えた。「最近のワインは非常に飲みづらいです。最近のボルドーやスペインの生産者の中には、収穫を極限まで抑えるという傾向があります。一本の木にたったの3つ、もしくは4つのブドウの房しかつけないのですよ。結果としてテイスティングでは良い評価を受けますが、飲めたものではありません」そして警戒をこめて結論を言い放った。「最近のワインを飲んではなりません」
ムエックス氏はつづけて、「2003年はボルドーにとってはパーフェクトの年でしたが、それにもかかわらず良いワインを生産する事ができないなどと「ばかげた」宣言を行った生産者がいます。全ては自らの責任なのですよ。葉を通常より茂らせてブドウを日焼けから保護した生産者たちはすばらしいワインを生産することになるでしょう」
2003年は異常気象だったということで、ボルドーは補酸の許可を受けたが、ムエックス氏は2003年ものの、どのワインにも補酸をしなかった。2003年ワインは酸度が低すぎるのではないかという心配を受けてこう語った。「ばかげてますね。発酵中に酸度は自然に上がるのですよ。最初に補酸を行って、後で除酸を行うという生産者も中にはいますね。発酵途中の酸度の上昇をみて慌てふためいてね」
ムエックス氏の非難はオークの過剰使用に対して向かう。「一般の人たちは、新ダルの味わいがすればよりよいと思っているようです。しかし私にとっては、オークの味わいは本来の味わいではないのですよ。ワインを味わうときにはフルーツの味わいがしなければならないのです」
さらにとどまる事がない。オーク樽の生産危機は、新ダルの使用を抑えざる得なくなるという観点で、ワイン生産にとっては良いことだと語る。「新ダルでなく2年、3年使用したタルを使用しなければならなくなるとすれば、ワインはより優れたものになるし、そうなればこの危機は喜ぶべき事でしょう。新ダルを過剰に使うというアプローチは大きな間違いなのだから」
要約終わり:
この記事、実は全訳です。かなりセンシティブですので確認されたい方はこちらをどうぞ。http://www.harpers-wine.com/newsitem.cfm?NewsID=1343。翻訳の上では「undrinkable=飲めない」、「very hard difficult to drink=非常に飲みづらい」としました。
世界一のブランドを持っているムエックス氏であればこそ出来る発言ですよね。「ノーといえるフランス人」にパチパチパチパチ・・・。ただ「ボルドー生産者の苦悩」に登場した他の「500から1000」のボルドーの生産者たちは、この発言を腕組みして考えてますよね。「生き残るためにはおれたちはどっちに行くのかな?」って。(H)