Topics&Columns(2004年2月23日)
インド産ワイン、そうは問屋がおろさない
文字通り、インド産ワイン、輸出してもなかなかEUの問屋には届かないというものです。2月22日づけTimes of Indiaが報じたものです。ワインとは直接関係ありません。
【要約】
輸出された農業製品の検査体制を調査するために、金曜日にEUの検査官が到着する。
昨年、インドからEUに到着した冷凍生産物とブドウに、EUでは使用が禁止されている高いレベルの殺虫剤とその残留物質が検出されたことが理由で、いくつかのコンテナ荷物が入港を拒否された事実を重視し、今回の調査団の派遣となったものである。
EU各国は輸出者に対して、貨物の持ち帰りか、あるいは廃棄を求めたが、インドの商務省はロシア市場への転売を斡旋した。
調査団は、プン市でいくつかのブドウ農園を訪問し、マンジリ市にある国立調査研究所を訪問する予定になっている。
【要約終わり】
記事中には25000トンのブドウが輸出されているとかかれています。さらには、このように様々な殺虫剤が使用されたブドウが、先日報道したインド産ワインの原料として使われるのでしょうか?
先週の記事では、別の角度で食の危機について書きましたが、こういうこともあります。東京の水道水は、既にO−157も死ぬほどの「清潔な水」、すなわち高い塩素濃度だそうですが・・・どっちがいいですかね?どっちもいやだなあ。病気のリスクと確実にゆっくりと体を蝕む薬剤どっちがいいか?水道水でグラスを洗って乾かすと、明らかにカルキとわかる白いものが残ります。(H)
ジェームズ・ハリデイのトップ100
久しぶりにワイン・プロからです。「ジェームズ・ハリデイの2003年度ワイントップ100をお伝えしましょう」というわけに行かないので、サイトのURLのみここに記載します。みればわかりますから要約も要らない。次にアクセスください。http://www.winepros.com.au/jsp/cda/wine/hallidays_top100.jsp
このワイン・プロはJ・ハリデイが監修を行うサイトで、情報提供から、販売まで行っています。さて、彼が書いた2003年度のワインの総括だけを要約してみましょう。結構長い間、サイトを覗いていませんでした。ファンの皆さんごめんなさい。
【要約】
スクリュー・キャップ:
過去12ヶ月でスクリュー・キャップの使用がかなり増えた。すべてのスタイルでそうだ。自分自身のテイスティングメモを見ると、必ずと言っていいほどこれに言及している。
私が消費者であって、コルクかスクリュー・キャップかのどちらかを選択することが出来るとすれば、迷わずスクリュー・キャップを選ぶだろう。コンサルタント・ワインメーカーの立場からすれば、スクリュー・キャップを早く広めたくていらいらするほどだ。ワインが将来どのように熟成していくかを予測する立場にあるライターとしては、私はスクリューキャップに対してより大きな自信がもてる。
ワインメーカーとしては、2/3はワインを防衛する立場からこれを支持する。まずは予測できないボトル酸化(汚染そのものより問題であるが)がなくなる。つぎに温暖環境での運搬と時間経過によるコルクの崩れがなくなる。最後の1/3は攻撃的だが、白ワインとピノ・ノワールなどは、アロマとフレーバーがより良く保存できるという理由がある。
コルク・スクリューの利用で、これまで生じた問題点といえば、スクリュー・キャップをボトルにねじ込む際に、メカ的な問題が生じることと硫化物の含有レベルが上がってしまうことである。しかし決定的なリスク回避ということに関してはやはりスクリュー・キャップに軍配が上がる。
だが、すでに輸出市場を開発することが出来た小規模ワイナリーはジレンマに直面する。オーストラリアの小売、飲食店は、既にスクリュー・キャップの支持者が大勢であるが、しばらくの間は、輸出国市場ではあまり受け入れられづらいかもしれない。間違いなくそういった状況はなくなるという自信があるが、それがいつかということについては私も答えがない。
ブドウ品種:
ブドウのバラエティが急速に増えるということはあまり考えにくい。理由は二つある。まず、中心となる品種は既にあらゆる箇所で栽培されている。小規模から大規模まで全てだ。次に、数百年の歴史の中ではやはり優れた品種が残ってきたのである、当然だがみなが選択している品種なのだ。一方、それにしてもバラエティが年々増えてきているのは事実で、いずれトップ100にも顔を出すことになるだろう。
ヴィンテージ:
技術があればどうこうできるというものでもない。2002年は西オーストラリアには突出したものもあったが、概して優秀なワインを生み出した。2003年に関しても、トップ・ヴィンテージといえるが、リースリングと25ドル以上レンジの赤には特にすばらしいものがある。まだリリースされないが、2002年の20ドル以下の赤ワインには非常に優れたものがある。
全体として、88のオーストラリア産ワインを選択した。これまでの最高である。これからもさらにフィネス、エレガンス、余韻の長さなどは追求し続けなければならないだろうが、オーストラリアワインらしさというものは保ち続けなければならない。88本の中にそこにつながるワインを見つけていただければ本望である。
【要約終わり】
J・ハリデイ、スクリュー・キャップについて総括の冒頭にかなり語数を費やしています。彼の考えが良くわかります。
豪州ワイン、かなり輸入されるようになりましたが、現在は間違いなくバリューワイン産地ですね。しかし今後は間違いなく「ファインワイン」レンジに入ってくるワインは増えます。そうなったときハリデイの言うオーストラリアらしさが今後どうなるかというのは気になるところではあります。(H)
ピラミッドパワーだ!
面白いワイナリー見つけましたよ。サマーヒル・ピラミッド・ワイナリー。カナダは、ブリティッシュコロンビア州、オカナガンのワイナリーです。
すでに日本でもワインを販売しているのです。http://www.summerhillwine.com/(日本語サイト!)で直販してます。同ワイナリーは、有機栽培ブドウを使用し、かつピラミッドの中でワインを熟成しているのです。そのパワーについてはウェブに丁寧にかいてありますので、ご参照ください。
かつて流行ったピラミッド・パワーですが、こうやって実践に移されるとある意味ビオ・ディナミに近いものがあると思いますね。まだ未解明の部分がありながら、効果は実証されるみたいな。またピラミッドもさることながら、このワイナリーは実は、カナダ最大の有機栽培ブドウ畑で、かつ「すべての畑で殺虫剤や除草剤そして化学肥料を一切使用していません」というあたりは通常の有機栽培を超えた有機栽培ともいえます。ワインのセレクションはいろいろあるようですが、やはり気になるのはアイスワイン、ゲヴュルツ、ピノ・ブランあたりですね。
どこで買えるのか質問しましたら、日本では代理店は使わないのだとかで、皆さんウェブを通じて買ってくださいとのことでした。
誤解のないように申し上げますと、バリックヴィルではワイン紹介に関して一切広告料等はもらってません。いろいろな意味で面白そうなワインということでご紹介しました。ただ私も試してみようと思います。(H)
ルーカスとコッポラの新作?!
ランシス・コッポラとジョージ・ルーカスがジョイントでリリースといえば、当然新作映画?と思うのは誰でもそうでしょう。しかし実はワインという話。19日、サンフランシスコ・ゲイトが伝えました。
【要約】
映画監督フランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが新作でジョイントした。30ドルのシャルドネである。北カリフォルニアのスカイウォーカー・ランチで収穫されたブドウを使って、コッポラ・ワイナリーで醸造されたものだ。40ドルのメルローは、この夏にリリースされる。それぞれ320ケースと、350ケースの販売である。ワインの名は、"Skywalker
Ranch Viandante del Cielo Marin County"である。Viandante del
Cieloとは、イタリア語でsky walkerの意味。
ラベルは、ルーカスの自宅のステンドグラスからモチーフを取ったとされるものであるが、女性の胸元のアップかどうかは、ワインメーカーのスコット・マクリード氏にはわからないようだ。「何かなというのは、まあありますがね。黙っときましょう」
コッポラとルーカス両氏は、1973年製作のアメリカン・グラフィティ以来の友人関係である。実は、12年前に一緒にワインを造ったことがある。それ以来、コッポラのスタッフが、ルーカスの畑でアドバイスを続けながら今回の販売プロジェクトを暖め続けてきたものが、今回実現したものである。ビジネスとして成立させたいと考えているという。
マリン・カウンティは、冷涼で雨がちなためViandante
del
Cieloもコンスタントに毎年ワインを生産できるとは限らないため、オフヴィンテージの年には、外販せずイベントに利用することになる模様だ。マクリード氏によれば「現在3.5エーカーのところを、あと5とか10エーカー増やしたらいいと思いますね。スカイウォーカー・ランチでも、ホントにいいワインが出来るスポットがあるはずなので」という。
【要約終わり】
シャルドネは、ニーボーム・コッポラ・エステートと、コッポラのウェブサイトでのみ販売されたそうです。2月20日付けサイ・ファイ・ドット・コムによれば、すでに売り切れたとのこと。ほとんどは映画ファンが買ったとか。こういうのは中身じゃないですからね。ちょっと遅かったか。(H)
キャンティをキャンティ以上にするために
知りませんでしたが、現在のマルケージ・ピエロ・アンティノリ氏は、600年続く家元の25代目だそうです。その彼は、65の齢を向え、現在アメリカを行脚中です。自分がトスカナでやってきたことの集大成であるティニャネロを引っさげて。
【要約】
「歴史が、われわれが変えたのだという事を語るでしょう」と述べる彼も、1974年に家を継いだときには大変だった。キャンティは、超二流ワインだった。
キャンティは100年間、同じレシピで造られていた。サンジョヴェーゼで骨組みを造るが、冷涼な年には十分に熟さないのでカナイオロをブレンドし、そして酸味を和らげるマルヴァジアとトレッビアーノをブレンドした。
アンティノリと数名の仲間達は、サンジョヴェーゼに別の物をブレンドしようと思い立った。カベルネ、メルロー、フランであった。キャンティ・クラシコの名は付けられなかったので、自分達で名をつけた「スーパー・タスカン」と。そしてアンティノリのフラッグ・シップであるVilla Antinoriキャンティもすばらしい内容と成った。
いつしかキャンティのルールも緩和され、現在は20%まではボルドーブドウを使ってよいことになったが、アンティノリは再度反旗を翻そうとする。
Villa Antinoriをキャンティ・クラシコからはずそうというものである。これまで他の農家が栽培したブドウも使っていたが、全て自家栽培のブドウを使いたいと思い立ったのだ。それにはキャンティ・クラシコ地域外で栽培されたブドウも含まれる。「Villa Antinoriがキャンティ・クラシコであり続ける限り、品質を向上させるのは不可能なのです。栽培農家は、ブドウに対して私達が自家栽培で行っているほどの注意を払わないからです」
今年の後半にリリースされる2001年物から、Villa
Antinoriはカベルネ、メルロー、シラーがブレンドされたスーパー・タスカンとしてリリースされる。[品質を求めるだけです。キャンティ・クラシコに対しての興味がなくなってきています。600年前に一族がスタートしたところですがね」
【要約おわり】
これはマイアミ・ヘラルドのHerald.comが2月19日に伝えたものです。アンティノリ氏は、Villa Antinoriのステイタス変更でインポーターに対して説明をして回っているのでしょう。これまでVilla Antinoriといえば、ある意味バリューワインの代名詞でしたが、スーパー・タスカンになれば、多分価格も変更するのでしょうね。既に確立したブランドを使って、切り口を変更することで価格を上げるというマーケティングです。
しかし、ティニャネロを持ち歩いて説明しているということですが、「サンジョヴェーゼにボルドーブレンドすると美味いぜ。な?だから、方向としては間違ってないぜ」ということなでしょうか?アンティノリがいう「品質」というのはブレンドなんですかね?そこは質問したいです。(H)
その他のトピックと後記
お伝えしたいトピックが今週は山ほどありました。例えば・・・
いろいろありますよ世界中には。面白い話題が。ご紹介できないのは、残念としかいいようがありません。これも残念ですが、来週はお休みです。
質問、意見、苦情などはhm@barriqueville.comまでお願いします。毎週木曜日の夜(19時ごろから22時ごろまで)、渋谷のデックファイブにおりますので、ご用の方はお声掛けください。(H)