Topics&Columns(2004年3月1日)

映画に出るぞ!

私ではありません。アルザスワインです。

【要約】

アルザスワインの業界団体であるCIVAは、あるフランス映画に3万ユーロを支払って、積極的にシーンに登場するようした。

ベテラン映画監督クロード・ルローシュが監督した「レ・パリジアン」という映画に、4回登場する。イギリスのスクリーン・インターナショナル誌によれば、その4つのシーンとは、3つがボトルのクローズアップで、残りのひとつは、リースリングがバーでサービスされ、そして客がそのワインの品質についてコメントするというシーンである。

こういった形で商品をフィーチャーするというのは米国やイギリスの映画では珍しいことではない。人気テレビシリーズの"Sex and the City"では、St. Superyがフィーチャーされたことがある。だが、フランスでは珍しいものである。

であるが今回、1991年にアルコールとタバコ類の広報を禁じたEvin法の穴をくぐるための手段として映画をりようしたものである。実は先月も、ブルゴーニュのBIVBが法廷で広告の中で「魅了する」ことができる線について論争を行ったばかりである。CIVAも「Evin法を回避する方法を他にもみつけますよ」と語る。

「レ・パリジアン」は9月にリリースされることになっており、これはルローシュの「人間シリーズ」の第一弾となる。ルローシュは1966年作の「男と女」で知られ、この映画で2つのオスカーを手にした。

【要約終わり】

映画にワインが使われるのはただの演出ではないのですね。制限された法律を潜り抜けるために使われたのです。2月25日デカンターからでした。(H)

 

ブドウ色のトマトを食べますか?

んー。こんなものを作るか?間違っている。2月23日ベターヒューマンが伝えました。

【要約】

「トマトはジャガイモの次に世界で最も消費されている野菜です。2003年では、アメリカ人ひとり当たりの年間平均消費量は89ポンドです。もし栄養価を上げることができれば、多くの人がその恩恵を受けることができるようになるのです。」と語るのは、オレゴン州立大学のジム・マイヤー研究員である。確かにいくつか品種があるトマトのなかで、アントシアニンと呼ばれる抗酸化物質を含んでいるトマトはない。

最近トマトは、リコピンと呼ばれる強力な抗酸化物質を含んでいるということで注目を集めている。トマトを食べると、前立腺ガンを抑え、心臓病を予防するということが、ラットへの実験結果でわかっているが、マイヤー達はさらにトマトに付加価値を与えようというのである。

マイヤー達は、トマトと、トマトの親類関係にある抗酸化物質を含む野生の植物を掛け合わせたというわけである。実験室内で2世代でいくつかの新種の種を成長させた。結果として、アントシアニンは、Aftと呼ばれるひとつの遺伝子によって移植できるということがわかった。

そして研究者たちは現在、新種のトマトが人体にどう影響を与えるか、どの種のトマトが最も多くのアントシアニンを伝達できるかを調査している。「医療、栄養、食物のすべての分野の研究者が、食物化学物質が健康に与える利点を調査しています。われわれは、昔ながらの繁殖方法を使ってこのトマトがどこまでいけるかをやり遂げますよ」

【要約終わり】

やめてほしいですね、こんなのは。強い種が生き残るんですよ。「強い」というのは、そのときの地球のコンディションであって人間の嗜好に合えば強いということではない。(H)

 

Les Artisans Vignerons de Bourgogne du Sud

BIVBのやり方に納得のいかない造り手たちが、新たなグループを発足です。直訳すると「南部ブルゴーニュのブドウ栽培職人たち」ということでしょうか。

【要約】

小規模だが高品質ワインの生産者たちが、Les Artisans Vignerons de Bourgogne du Sudと称するグループを発足させるための手続きを完了した。このグループに入っているのは南部ブルゴーニュの14の生産者で、メルラン、ドニ・ジャンドー、ギヨ・ブロース、ヴァレットなどが含まれる。

ギヨ・ブロースのエマニュエル・ギヨ氏は「第一の目的は自分たちのワインのプロモーションです。業務規範も設けるつもりです。注意深く「職人=アーティザン」という言葉を選びました。味わいの単一化が進み、世界中でのシャルドネの単一化が進むなかで、乱暴で思慮を欠く農業慣行がはびこってきたため土壌が壊されています。われわれは、そんな慣行とは別の事を行う自由を確保するべくおずおずと声を上げているのです。テロワールに忠実で、様々な性格を備えたワインを提供できるようにするためにね・・・。他の連中もわれわれの奮闘に参加してくれることを望みます。BIVBにいるというだけでは十分ではないのです」と語る。

BIVBに納める年会費に対して、十分なリターンを受けとっていないという不満が根っこにある。ただし、ギヨ氏はBIVBに対して対抗する意図はないということを強調する。「全面否定ということではないのです。ただBIVBのいくつかのスタンスに対して疑問を感じているのです。たとえばイギリスでわれわれは損をしているのですよ。それに対しては問題だというべきでしょう。」

BIVBは、BIVB自身が大手の造り手にプライオリティをつけているということに対しては、"cave de prestige"の中で小規模生産者も同様に支援している例を挙げて否定する。新グループに対しては「いいことです。評価します。」と好意的である。

このグループの最初のイベントは4月26日にリヨンのソフィテル・ホテルで行われる。

【要約おわり】

来たー!来た来た来た来た!これですよ。待っていた動きは。テロワールに忠実なワインを造ってください。ワイナリーの中ではなくて、テロワールに最適なミクロカルチャーを育てるためにテクノロジーを使ってください。バイオ・ダイナミクスもいいですね。(H)

ワインはテキーラと同じわけがない!

アルザスのコマーシャルと同じ類の話ですが・・・2月25日付けCNNから。

【要約】

フランスのワイン生産者たちは、「お国の酒、ワイン」が苦しんでいる中で、他のアルコール飲料と一くくりにするべきではないと法律適用の除外を求めています。ブルゴーニュからパリまで出向いて陳情です。

「危機なのですよ。ワインはわれわれの文化です。このフランス社会の中でその位置づけをどうして行くかという議論をしたいんです。」と語るのは、ブルゴーニュ・ワイン協会のギヨーム・ウィレット氏です。

ワインを取り巻く経済環境がすこぶる悪い。国内市場も輸出市場も落ち込んでおり、すぐに解決する見込はありません。国内では、1960年代100リットルあった一人当たりの消費量は、現時58リットルとなっています。そして海外市場では、「新世界ワイン」との競争が熾烈です。

昨年飲酒運転を締め出す法律を導入しましたが、この影響でワインの売上は落ち込みました。過去10ヶ月間で、レストランでのワインの売上げは15%ダウンというデータがあります。ヴァン・エ・ソシエテの代表のカロー氏によれば、「業界は不況です。国民は、飲酒運転をおそれて、レストランでは禁酒傾向にありますね。レストランにいるときに一人グラスに2,3杯程度で済ますことができるのであれば、運転してもいいと思うのですがね。」

「ましてワインは、われわれの文化と歴史の重要な部分を占めるのです。生活の一部なのですよ。他の商業用に作られたアルコール飲料と一緒にできないでしょう。違うんですよ。高貴なんですよ。」

カロー氏は、ワインメーカーの陳情団を率いてジャン・ピエール・ラファラン農務相に面会しました。彼らの主張は、アルコール飲料のTVコマーシャルを禁止した法律からワインを免除してほしい、そして紙媒体による広告を、生産地、醸造方法やアルコール度数などの客観的な情報に限定するということです。

右派勢力が中心の政府は、安全な道路にするということを重要課題としてあげてきました。その結果、チェック体制と罰則が強化されたのです。政府筋によれば、2003年の交通事故による死亡者の数は20%減って5700人となったものの、それでも人口比率を考えるとヨーロッパで最悪の数字です。

【要約終わり】

こちらを立てればこちらがたたずという難しい問題。いったんは極端な方策を採らない限りは、事故死者の数が減らないという考えは間違ってはいないと思うのです。業界は、業界で落ち込んだ売上げを盛り上げるためにコマーシャルを打ちたいという考えも理解できます。カロー氏が言うように、飲み過ぎないように節制できればベストなのですが、飲めばそうも行かないという人が多いというのみ事実でしょう。日本も同じ。

だからグラスワインが積極的に売れるようになるか、そうでなければパッケージを極端に小さくするか。持ち帰りか。それぞれにわたし個人も意見はありますが、それは皆さんに考えていただくとしましょう。(H)

前代未聞のカルト狂想曲

いくつかのソースで伝えていたものです。24日、両者の法廷での戦いが始まりました。まずはドン・ブライアントの証言から始まりました。ここまでまとめてお送りしまよ。特定のソースの要約ではありません。

【まとめ】

ブライアントは、1993年にヘレン・ターリーと、その夫ジョン・ウェットローファーを採用しました。そこから2002年10月までの9年間、ヘレンとジョンは、ブライアント・ファミリー・ワインの成功に大きな貢献をしてきたことはいうまでもありません。

ターリーとウェットローファーは、被告人をブライアントとして2002年の10月に理由もなく解雇されたとして、55万ドルの未払い給与の請求を求めました。訴訟を起こしたのは昨年12月です。これに対し、ブライアントは、二人の退職申請を受け付けただけであるとしています。

お互いの言い分は次の通りです。まずはブライアント側の言い分をまとめると・・・

「利益の20%を彼女らに与えるということと、ワイナリーの完全なるコントロール権を彼女に与えなければ、彼女は辞めると言って来たんだ。で、そのことについて何度も面談をこちらから申し入れたんだがね、彼女は会ってくれなかった。だから彼女が申し入れてきた退職に応じざるを得なかったんだよ。それが何だよ、550,251ドルも、そこからいままでの給与分を請求するというのはどういうことだい。・・・」

一方のターリー側は次の通りです。

「ブライアントの言い方ははっきりせず、われわれは、契約自身は今年まで継続されるものだと考えていましたよ。だから、未払い給与とその利息分まで考えてこれだけの金額です。それを払っていないのは契約違反です」

というものです。今回、法廷の中でわかったこととして、ターリー側は、ブライアントに対して、「自分自身が有名にしたのである。自分の名を使ってマーケティングを行っている。であればこそ、自分が権威を持って当たり前のことである。一月あたりあと1000ドルを追加して払うべきである」という内容をしたためた手紙も送っていたことがわかりました。

これについてターリー夫妻の弁護人のジェフ・テリーは「ブライアントは、当時彼らは首になったと告げられ、即刻ブライアントから退去するよういわれたのです」といいつつ、しかしながらそれは「実はその退職命令は仕組まれたものであって、ワインメーカーの入れ替えをはかり、かつターリーがみずから退職を持ち出すよう仕向け、契約を終了できるようにしていた」と陪審員に対して述べているようです。

ブライアントの弁護人であるジャック・マスグレイヴは、陪審員の前で、ターリーのコミュニケーションについて触れたようです。その内容として、畑マネジャーとして採用したデイヴィド・エイブルーともコミュニケーションがうまくいかなくなると、対話をストップし、ブライアントはエイブルーを解雇せざるを得なかったという事例を出したとのこと。

この法廷の結果は、その別れ際に何があったのかをはっきりさせる9名の女性と3名の男性の陪審員の評決によって決まることになります。これから、証言台には、現ワインメーカーのフィリップ・メルカ、シリル・シャペレ、アシュリー・ヘイジー、スコット・ロデーなどがブライアント側の承認として召喚されます。

ターリー側では、ロバート・パーカーが供述には応じましたが、証言には立たない予定だそうです。

【まとめ終わり】

まとめてしまうと、どれが法廷の証言で、どこがそうでないかが曖昧になりますが、概況を知っていただくということであえてそういう書き方にしました。陪審員制度というのは、要は陪審員の同情をどれだけ得られるかということになりますが・・・。

法に基づいて白黒させに法廷に出てきている割には、同情票を集めて勝てばよい裁判制度というのは、出だしから矛盾があると言っていたのは、私の友人である南部の法律事務所のパートナーのLM氏ですが、彼の言うことがようやくわかりました。(H)

その他のトピック

お伝えしたいトピックが今週もいつくかありました。例えば・・・

  • ホットなスモールブランド のワイン!
  • パイナップルのフレーバーでない真の旧大陸ブルゴーニュ
  • EU、ワインのラベル表示方法の変更へ
  • アメリカのフォアグラ、輸入禁止への動き
  • ミュスカデの品質アップのために3年がかりのリストラ開始      
  • サシカイヤの後継者

などなど。

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