Topics & Columns(2004年9月27日)

パーカーの予言

どういう経緯かは知りませんが、ロバート・パーカー氏が10年後を予測しています。9月20日付けのwww.foodandwine.comからです。

【要約】
将来の予測と言うものは、しばしば軽率にリストなどを掲載して行われるものだ。誰が10年前のことを覚えていて、文句をわざわざ言ってくるだろうか?そういう批判は承知しているが、敢えて12項目にわたる私の10年後の予測を発表する。それどころか、私はこの予測が近い将来に本当になると心から信じている。

1 流通が1つに集約される

現在のアメリカのシステムは禁酒法時代の名残で、輸入業者、卸業者、小売業者という3つの経路を通過しなくてはならない。これほど非効率で、消費者に負担をもたらすばからしいシステムはない。これは大手卸業者のロビー活動によるところが大きい。だが早晩、これは終わりを告げるだろう。一つには人々がインターネットで簡単に注文できるようなシステムの構築がある。ここ10年に示された連邦裁判所の見解はどうであれ、最高裁はワイナリーが誰でも好きな相手にワインを売れるという仕組みを認めるだろう。

2 インターネット・ウェブが主流となる

ワイン好きのためのメッセージ・ボードやウェブ・サイト、ワイナリーのホームページなどが新しいワインや生産者の情報源としての主流となっていくだろう。

3 最高級ワインについては世界的な争奪戦が始まる

最高級ワインに対する競争は急激に高まる。限定生産ワインはますます高くなり、ますます入手困難となる。アジア、南ア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアなどからの需要の高まりでその傾向はひどくなる。現在、どんなに高そうに思えるワインも、将来振り返れば大したことはないと感じるだろう。例えば、アメリカ人は、一ケース約4000ドルという、2003年のボルドー一級の先物価格に悲鳴をあげたが、10年後には少なくとも1万ドルになっているだろう。理由は簡単だ。これらの生産量は限られているが、需要は少なくとも10倍になるからだ。

4 フランスは厳しい状況になる

ワインのグローバリゼーションが意味するものは国により様々であり、伝統的なワイン生産国にとってはあまり歓迎されたニュースではない。つまりフランスだ。フランスのカースト・システムは今以上に階層化が進む。トップ5%のワイナリーは高い価格を享受できるが、多くの生産者は破産に追い込まれるだろう。

5 コルクは消える

2015年にはコルクは少数派になっているだろう。コルク産業はこれまで、「コルク臭」の問題に関しての技術革新を行ってこなかった。そのツケは大きいだろう。3−4年で飲ごろを迎えるようなワイン(市場の95%と思われる)はスクリュー・キャップになる。この傾向はもっと早まる。スクリュー・キャップの一種であるステルヴァンが業界スタンダードになる。例外は20年以上の熟成期間が必要なワインだが、これもコルク業界の努力なしには実現しないだろう。一方、人工コルクは成功しない。これはステルヴァン・スクリュー・キャップに対抗できないだろう。

6 スペインがスターになる

これまで質より量を重んじてきたスペインだが、変わりつつある。創造的で、伝統と新技術や新しい醸造哲学を融合させたワインが次々と生み出されている。ここには樹齢の高い畑があり、可能性は限りない。フランスの伝統にとらわれているような現在のスペインの生産地(リベラ・デル・デュエロやリオハ)は、2015年には新進の地域であるトロやジュミロ、プリオラットなどの地域の後塵を拝するようになっているだろう。

7 マルベックの人気が高まる

マルベックからつくられた偉大なアルゼンチンワインは世界で認知されているだろう。フランス由来のこの品種は、ボルドーの土地には合わなかったがアルゼンチンで驚くべき品質に達した。すでにすばらしいワインが造られているが、2015年までには品位の高いワインの仲間入りは確実だ。

8 アメリカの中心はセントラル・コーストになる

セントラル・コーストは、コントラ・コスタからサンタ・バーバラである。この地域ほど品質が向上した地域はない。ローヌ品種からなる偉大なワイン、そしてサンタ・バーバラ地域にはその冷涼な気候にピノ・ノワールとシャルドネが植えられている。

9 南イタリアがでてくる

ピエモンテのバローロやバルバレスコといった銘柄が入手困難になるにつれ、ウンブリア、バジリカータ、シシリア、サルディニアといった地域が一般家庭のワイン需要を満たすようになる。

10 オーク香のないワインがうける

食事の多面化が進むにつれて、ワインのブーケやフレーバーといったものもますますピュアでオーク香のないものが好まれるようになる。クリスプで生き生きとした白ワインやフルーティーで感覚的な赤ワインが今よりも需要が高くなるだろう。オークは熟成が必要なワインには必要だが、市場にしめる割合は極めて少ない。

11 安いワインの質がもっとよくなる

このトレンドはヨーロッパにも起こってくるが、やはりオーストラリアが多大な役割を担うだろう。オーストラリアはその完璧な農業生産術を極めた。他のどの国でも8ドルであんなにすばらしいワインを造ることはできない。だが、あまりに多くのワインがあまりに単純で、フルーティーで、魂の入らないワインにとどまっている。今後10年でもっとキャラクターのあるワインを生産する必要がある。

12 多様化がキーワード

2015年までにワイン業界はもっと多様化するだろう。品質の高いワインがこれまで考えられなかったような地域から出てくる。例えば、ブルガリア、ルーマニア、メキシコ、中国、日本、レバノン、トルコ、そして多分インドである。これほどまでに生産者が増えたとしても、それ以上に世界のワイン人口が大きくなるために飽和点には達しないと私は予測する。

【要約終わり】

地球温暖化には触れていないのが気になります。10年でもかなり温暖化は進むと思いますが。最後に「日本」という言葉がでてきたのが、生産者の皆さんにとっては心強いですね・・・。

マイケル・モンダヴィの退職金

先週は、このサイトはお休みしましたが、モンダヴィ社のリストラクチャリングの話題があり、ソムリエ協会のワイン村の方に情報提供しました(詳細はこちらをクリックして、左のバーから「ワールド・ワイン・ニュース」にアクセスしてください)。モンダヴィ社は今後、低価格ワイン(同社では「ライフスタイルワイン」「プレミアムワイン」という名前で呼んでいます)に特化して超プレミアムワイン(「ラグジャリーワイン」と呼ばれています)部門を売却するという内容です。

で、同時、取締役にはとどまるもののマイケル・モンダヴィが要職から退くことになりました。以下は9月17日付のロイターからです。

【要約】
ロバート・モンダヴィ社を去るマイケル・モンダヴィの退職金にはちょっと変わったものがあった。38年に及ぶ貢献に対し、会社のワインを50ケースまで与えられるというものだ。同じヴィンテージは10ケースまでとなっている(訳者注:細かい!)。インターネットをみると、モンダヴィのリザーブは、一本120ドルから200ドルという金額で売られている(訳者注:つまり、日本円にして最大1200万円)。
「多くの人は保険やオフィスの記念品などを持っていくが、ちょっと変わっている。だが、ワインビジネスという性格を考えると、驚くほどでもない」とデラウェア大学のチャールズ・エルソン氏はコメントした。

だが、他にも通常のエグゼクティブがもらう退職金もちゃんとある。SECに届け出ている書類によると、今後30ヶ月のうちに、150万ドル(約1億7千万円)の分割退職金、2004年度中は7万ドル(約800万円)以内の保険金負担、そして5万ドル(550万円)の一時退職金、3450株を支給する。これは今期のインセンティブ・プランに基づいたものだ。

さらに彼は、自分のオフィスの家具を買う権利、会社のもっているジャイアンツの野球チケットを適正な市場価格で買う権利も与えられる。彼には2005年3月31日まで会社のスタッフを引き抜くことができないという義務もある。

【要約終わり】

アメリカのエグゼクティブの退職金は相変わらず、すごいですネ・・・。

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